古典ライブラリー

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平家物語 ― 栄華から滅亡へ、歴史に響く物語。紅葉と金の雲を背に、赤旗のはためく軍勢の中で白馬にまたがる鎧武者が、炎上する海辺の都と海に浮かぶ船を見つめるイメージイラスト(AI生成)。

平家物語

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」。栄華を極めた平家一門が、源氏との戦いに敗れて滅びるまでを語る軍記物語を、章段ごとに原文で読みます。

作品について

『平家物語』は、平清盛を中心とする平家一門の栄華と、治承・寿永の内乱(源平の争乱)を経て、壇の浦で滅亡するまでを描いた軍記物語です。鎌倉時代の前半、十三世紀の前半ごろに原型ができたと考えられています。作者ははっきりせず、『徒然草』第二百二十六段は、信濃前司行長が作って、盲目の生仏に語らせたと伝えています。

この物語は、琵琶法師が琵琶を弾きながら語る「平曲」として広まり、語られるうちに増補や改変が重ねられて、多くの異本が生まれました。全十二巻に、建礼門院の後半生を語る「灌頂巻」を加えた形がよく知られています。冒頭の「祇園精舎の鐘の声」に示される仏教の無常観を底に置きながら、清盛の驕り、木曾義仲や源義経の活躍、敦盛や忠度ら平家の公達の最期、壇の浦での安徳天皇の入水などを、和漢混交文の力強い文章で語っています。

目次

全12巻と灌頂巻、190章段。章段名は底本の目次に従いました(字体は現在の字に改めています)。

巻第一平家の興隆

  1. 祇園精舎の事
  2. 殿上の闇討の事
  3. 鱸の事
  4. 禿童の事
  5. わが身の栄華の事
  6. 妓王が事
  7. 二代の后の事
  8. 額打論の事
  9. 清水炎上の事
  10. 殿下の乗合の事
  11. 鹿の谷の事
  12. 鵜川合戦の事
  13. 願立の事
  14. 御輿振の事
  15. 内裏炎上の事

巻第二鹿ケ谷事件と鬼界が島

  1. 座主流しの事
  2. 一行阿闍梨の事
  3. 西光が切られの事
  4. 小松教訓の事
  5. 少将請ひ受けの事
  6. 教訓の事
  7. 烽火の事
  8. 新大納言の流されの事
  9. 阿古屋の松の事
  10. 新大納言の死去の事
  11. 徳大寺厳島詣での事
  12. 山門滅亡の事
  13. 善光寺炎上の事
  14. 康頼祝詞の事
  15. 卒堵婆ながしの事
  16. 蘇武の事

巻第三俊寛と重盛の死

  1. 赦文の事
  2. 足ずりの事
  3. 御産の巻の事
  4. 公卿ぞろへの事
  5. 大塔建立の事
  6. 頼豪の事
  7. 少将都がへりの事
  8. 有王が島下りの事
  9. 飆風の事
  10. 医師問答の事
  11. 無紋の沙汰の事
  12. 燈籠の事
  13. 金わたしの事
  14. 法印問答の事
  15. 大臣流罪の事
  16. 行隆の沙汰の事
  17. 法皇御遷幸の事
  18. 城南の離宮の事

巻第四以仁王の挙兵

  1. 厳島御幸の事
  2. 還御の事
  3. 源氏そろへの事
  4. 鼬の沙汰の事
  5. 信連合戦の事
  6. 高倉の宮園城寺へ入御の事
  7. 競が事
  8. 山門への牒状の事
  9. 南都への牒状の事
  10. 南都返牒の事
  11. 大衆そろへの事
  12. 橋合戦の事
  13. 宮の御最後の事
  14. 若宮御出家の事
  15. 鵺の事
  16. 三井寺炎上の事

巻第五福原遷都と頼朝の挙兵

  1. 都うつりの事
  2. 新都の事
  3. 月見の事
  4. 物怪の事
  5. 大庭が早馬の事
  6. 朝敵ぞろへの事
  7. 咸陽宮の事
  8. 文覚の荒行の事
  9. 勧進帳の事
  10. 文覚流されの事
  11. 伊豆院宣の事
  12. 富士川の事
  13. 五節の沙汰の事
  14. 都がへりの事
  15. 奈良炎上の事

巻第六清盛の死

  1. 新院崩御の事
  2. 紅葉の事
  3. 葵の前の事
  4. 小督の事
  5. 廻文の事
  6. 飛脚到来の事
  7. 入道逝去の事
  8. 経の島の事
  9. 慈心坊の事
  10. 祇園の女御の事
  11. 洲の股合戦の事
  12. しはがれ声の事
  13. 横田河原合戦の事

巻第七木曾義仲の進撃と平家の都落ち

  1. 北国下向の事
  2. 竹生島詣での事
  3. 燧合戦の事
  4. 木曾の願書の事
  5. 倶利伽羅おとしの事
  6. 篠原合戦の事
  7. 実盛最後の事
  8. 玄肪の事
  9. 木曾山門牒状の事
  10. 山門返牒の事
  11. 平家山門への連署の事
  12. 主上の都落ちの事
  13. 維盛都落ちの事
  14. 聖主臨幸の事
  15. 忠度の都落ちの事
  16. 経正の都落ちの事
  17. 青山の沙汰の事
  18. 一門の都落ちの事
  19. 福原落ちの事

巻第八義仲の入京と法住寺合戦

  1. 山門御幸の事
  2. 那都羅の事
  3. 宇佐行幸の事
  4. 緒環の事
  5. 太宰府落ちの事
  6. 征夷将軍の院宣の事
  7. 猫間の事
  8. 水島合戦の事
  9. 瀬尾最後の事
  10. 室山合戦の事
  11. 鼓判官の事
  12. 法住寺合戦の事

巻第九宇治川と一の谷

  1. 小朝拝の事
  2. 宇治川の事
  3. 河原合戦の事
  4. 木曾の最後の事
  5. 樋口の斬られの事
  6. 六箇度合戦の事
  7. 三草勢ぞろへの事
  8. 三草合戦の事
  9. 老馬の事
  10. 一二のかけの事
  11. 二度のかけの事
  12. 坂おとしの事
  13. 盛俊最後の事
  14. 忠度の最後の事
  15. 重衡いけどりの事
  16. 敦盛最後の事
  17. 浜軍の事
  18. 落足の事
  19. 小宰相の事

巻第十重衡と維盛

  1. 首わたしの事
  2. 内裏女房の事
  3. 八島院宣の事
  4. 請文の事
  5. 戒文の事
  6. 海道くだりの事
  7. 千手の事
  8. 横笛の事
  9. 高野の巻の事
  10. 維盛の出家の事
  11. 熊野参詣の事
  12. 維盛入水の事
  13. 三日平氏の事
  14. 藤戸の事
  15. 大嘗会の沙汰の事

巻第十一屋島と壇の浦

  1. 逆櫓の事
  2. 勝浦合戦の事
  3. 大坂越の事
  4. 継信最後の事
  5. 那須の与一の事
  6. 弓流の事
  7. 志度合戦の事
  8. 壇の浦合戦の事
  9. 遠矢の事
  10. 先帝御入水の事
  11. 能登殿最後の事
  12. 内侍所の都入の事
  13. 一門大路わたされの事
  14. 平大納言の文の沙汰の事
  15. 副将斬られの事
  16. 腰越の事
  17. 大臣殿誅罰の事

巻第十二平家の残党と六代

  1. 重衡の斬られの事
  2. 大地震の事
  3. 紺掻の沙汰の事
  4. 平大納言の流されの事
  5. 土佐坊斬られの事
  6. 判官都落ちの事
  7. 吉田大納言の沙汰の事
  8. 六代の事
  9. 長谷六代の事
  10. 六代斬られの事

灌頂巻建礼門院の後半生

  1. 女院御出家の事
  2. 小原への入御の事
  3. 小原御幸の事
  4. 六道の沙汰の事
  5. 女院御往生の事

このページの本文について

原文は、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている『校註日本文学大系』第14巻(国民図書、大正14年)所収の「平家物語」(247〜870頁)を底本としています。同書の解題(尾上八郎)が述べるように、江戸時代に広く読まれた流布本(一方流の版本)の系統の本文で、章段を「祇園精舎の事」のように「…の事」の形で立てています。

底本の表記(旧字体・歴史的仮名遣い・踊り字)をそのまま翻刻し、句読点と「」も底本に従いました。底本は「巻」「歳」「舎」「郎」などを今と同じ字形で刷り、ほかの多くの字は旧字体で刷っているので、そのとおりにしています。底本の頭注は翻刻に入れていません。「ふりがな付き」の表示の読みは、底本のふりがなを参考に、歴史的仮名遣いで付けました。章段の区切りと名前は底本に従い、目次の巻ごとの見出し(「平家の興隆」など)は当サイトで付けたものです。

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