古典ライブラリー

平家物語 巻第十一

弓流の事

扇が射落とされたのに感じて船上で舞った年配の武者を、与一は義経の命で射倒した。平家は怒って武者三人を渚に上げ、美尾屋十郎ら五騎が駆け向かうと、十郎は馬を射られ、長刀の武者に兜の錏を引きちぎられて逃げた。武者は錏を長刀の先に掲げ、悪七兵衛景清と名のった。勢いづいた平家は二百余人で楯を並べたが、義経の八十余騎に蹴散らされて船に逃げた。乱戦の中で義経は弓を海に落とし、味方が止めるのも聞かず鞭でかき寄せて拾い上げた。弱い弓を敵に取られて嘲られるのが惜しかったのだと言い、人々は感じ入った。その夜、疲れきった源氏の陣に平家の夜討ちはなく、平家の運の尽きであった。

  1. 1あまりあまりあまりのののおもしろおもしろおもしろさささににに感かん感かんかんににに堪た堪たたへへえずずずやややおもひおもひおもいけんけんけん、、、船ふね船ふねふねののの中なか中なかなかよりよりより年とし年としとしののの齡よはひ齡よはひよわい五ご五ごご十じふ十じふじゅう許ばか許ばかばかりりりなるなるなる男をとこ男をとこおとこののの黑くろ黑くろくろ革かは革かはかわ縅をどし縅をどしおどしののの鎧よろひ鎧よろひよろい著き著ききたるたるたるががが、、、白しら白しらしら柄え柄ええののの長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなた杖つゑ杖つゑつえにににつきつきつき、、、扇あふぎ扇あふぎおうぎ立た立たたてててたるたるたる所ところ所ところところににに立た立たたつつっててて舞ま舞ままひひいすましすましすましたりたりたり。。。伊い伊いい勢せ勢せせののの三さぶ三さぶさぶ郎らう郎らうろう義よし義よしよし盛もり盛もりもり、、、與よ與よよ一いち一いちいちががが後うしろ後うしろうしろににに歩あゆ歩あゆあゆままませせせ寄よ寄よよつつっててて、、、「「「御ご御ごご諚ぢやう諚ぢやうじょうででであるあるあるぞぞぞ、、、これこれこれをををもももまたまたまた仕つかまつ仕つかまつつかまつれれれ。。。」」」ととといひいひいいけれけれければばば、、、與よ與よよ一いち一いちいち今こん今こんこん度ど度どどははは中なか中なかなか差ざし差ざしざし取と取ととつつってててつがひつがひつがい、、、よつよつよっぴいぴいぴいててて、、、ひようひようひょうととと放はな放はなはなつつつ。。。舞ま舞ままひひいすましすましすましたるたるたる男をとこ男をとこおとこのののまつまつまつたゞたゞただ中なか中なかなかををを、、、ひようつばひようつばひょうつばととと射い射いいててて、、、船ふな船ふなふな底ぞこ底ぞこぞこへへへまつまつまつさかさまさかさまさかさまににに射い射いい倒たふ倒たふたおすすす。。。あゝあゝああ射い射いいたりたりたりととといふいふいう人ひと人ひとひともももありありあり、、、いやいやいやいやいやいや情なさ情なさなさけけけなしなしなしととといふいふいう者もの者ものものももも多おほ多おほおおかりかりかりけりけりけり。。。平へい平へいへい家け家けけののの方かた方かたかたにににははは靜しづ靜しづしずまりまりまり返かへ返かへかえつつっててて音おと音おとおともももせせせずずず。。。源げん源げんげん氏じ氏じじはははまたまたまた箙えびら箙えびらえびらをををたゝいたゝいたたいてててどよめきどよめきどよめきけりけりけり。。。
  2. 2平へい平へいへい家け家けけこれこれこれををを本ほ本ほほ意い意いいなしなしなしとととややや思おも思おもおもひひいけんけんけん、、、弓ゆみ弓ゆみゆみ持も持ももつつっててて一ひと一ひとひと人り人りり、、、楯たて楯たてたてついついついててて一ひと一ひとひと人り人りり、、、長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなた持も持ももつつっててて一ひと一ひとひと人り人りり、、、武む武むむ者しや者しやしゃ三さん三さんさん人にん人にんにん渚なぎさ渚なぎさなぎさににに上あが上あがあがりりり、、、源げん源げんげん氏じ氏じじこゝこゝここををを寄よ寄よよせせせよよよやややとととぞぞぞ招まね招まねまねきききけるけるける。。。判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがん、、、「「「やすからやすからやすからぬぬぬ事こと事ことことなりなりなり。。。馬うま馬うまうま強づよ強づよづよならならならんんん若わか若わかわか黨たう黨たうとうどもどもども、、、馳は馳ははせせせ寄よ寄よよせせせててて蹴け蹴けけ散ち散ちちらせらせらせ。。。」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、武む武むむ藏さし藏さしさしののの國くに國くにくにののの住ぢゆう住ぢゆうじゅう人にん人にんにん美み美みみ尾を尾をおののの屋や屋ややののの十じふ十じふじゅう郎らう郎らうろう、、、おなじきおなじきおなじき四し四しし郎らう郎らうろう、、、おなじきおなじきおなじき藤とう藤とうとう七しち七しちしち、、、上かう上かうこう野づけ野づけづけののの國くに國くにくにののの住ぢゆう住ぢゆうじゅう人にん人にんにん丹に丹にに生ふ生ふうののの四し四しし郎らう郎らうろう、、、信しな信しなしな濃の濃ののののの國くに國くにくにののの住ぢゆう住ぢゆうじゅう人にん人にんにん木き木きき曾そ曾そそののの中ちう中ちうちゅう次じ次じじ、、、五ご五ごご騎き騎ききつれつれつれててて、、、をめいをめいおめいててて驅か驅かかくくく。。。まづまづまず楯たて楯たてたてののの陰かげ陰かげかげよりよりより、、、塗ぬり塗ぬりぬり篦の篦ののににに黑くろ黑くろくろほろほろおろはいはいはいだるだるだる大だい大だいだいののの矢や矢ややををを持も持ももつつっててて、、、まつまつまつさきさきさきににに進すゝ進すゝすすんんんだるだるだる、、、美み美みみ尾を尾をおののの屋や屋ややののの十じふ十じふじゅう郎らう郎らうろうががが馬むま馬むまむまののの左ひだり左ひだりひだりのののむながいむながいむながいづくしづくしずくしををを、、、筈はず筈はずはずのののかくるゝかくるゝかくるる程ほど程ほどほどにににぞぞぞ射い射いいこうこうこうだるだるだる。。。屏びやう屏びやうびょう風ぶ風ぶぶををを返かへ返かへかえすすすやうやうようににに、、、馬むま馬むまむまはははどうどうどうととと倒たふ倒たふたおるれるれるればばば、、、主ぬし主ぬしぬしははは弓ゆん弓ゆんゆん手で手ででののの足あし足あしあしををを越こ越ここえええ、、、馬め馬めめ手て手ててののの方かた方かたかたへへへ下お下おおりりり立た立たたつつっててて、、、やがてやがてやがて太た太たた刀ち刀ちちをををぞぞぞ拔ぬ拔ぬぬいいいたりたりたりけるけるける。。。
  3. 3またまたまた楯たて楯たてたてののの陰かげ陰かげかげよりよりより、、、大おほ大おほおお長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなた打うち打うちうち振ふ振ふふつつってててかゝりかゝりかかりけれけれければばば、、、美み美みみ尾を尾をおののの屋や屋ややののの十じふ十じふじゅう郎らう郎らうろう、、、小こ小ここ太だ太だだ刀ち刀ちち、、、大おほ大おほおお長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなたにににかなはかなはかなわじじじとととややや思おも思おもおもひひいけんけんけん、、、かいかいかいふいふいふいててて逃に逃ににげげげけれけれければばば、、、やがてやがてやがて續つゞ續つゞつづいいいててて追お追おおつつっかけかけかけたりたりたり。。。長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなたにににててて薙な薙なながががんんんずるずるずるかかかととと見み見みみるるる所ところ所ところところににに、、、さささはははなくなくなくしししててて、、、長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなたをををばばば弓ゆん弓ゆんゆん手で手ででののの脇わき脇わきわきにににかいかいかい挾はさ挾はさはさみみみ、、、馬め馬めめ手て手ててののの手て手ててをををさしさしさしのべのべのべててて、、、美み美みみ尾を尾をおののの屋や屋ややののの十じふ十じふじゅう郎らう郎らうろうががが兜かぶと兜かぶとかぶとののの錏しころ錏しころしころををを摑つか摑つかつかまうまうもうとととすすす。。。摑つか摑つかつかまままれれれまじまじまじととと逃に逃ににぐるぐるぐる。。。三さん三さんさん度ど度どどつかみつかみつかみはづいはづいはずいててて、、、四よ四よよ度ど度どどのののたびたびたびむずむずむずととと摑つか摑つかつかむむむ。。。しばししばししばしぞぞぞたまつたまつたまっててて見み見みみえええししし。。。鉢はち鉢はちはち附つけ附つけつけののの板いた板いたいたよりよりより、、、ふつふつふっととと引ひき引ひきひき切き切ききつつってててぞぞぞ逃に逃ににげげげたりたりたりけるけるける。。。殘のこ殘のこのこりりり四し四しし騎き騎ききははは馬むま馬むまむまををを惜を惜をおしうしうしゅうでででかけかけかけずずず、、、見けん見けんけん物ぶつ物ぶつぶつしししてててぞぞぞゐゐいたりたりたりけるけるける。。。美み美みみ尾を尾をおののの屋や屋ややののの十じふ十じふじゅう郎らう郎らうろうははは御み御みみ方かた方かたかたののの馬むま馬むまむまののの陰かげ陰かげかげににに逃に逃ににげげげ入い入いいつつっててて、、、息いき息いきいきつぎつぎつぎゐゐいたりたりたり。。。敵かたき敵かたきかたきははは追お追おおうううてててももも來こ來ここずずず。。。そのそのその後のち後のちのち、、、兜かぶと兜かぶとかぶとののの錏しころ錏しころしころをををばばば長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなたののの先さき先さきさきににに貫つらぬ貫つらぬつらぬききき、、、高たか高たかたかくくくさしさしさし上あ上ああげげげ大だい大だいだい音おん音おんおん聲じやう聲じやうじょうをををあげあげあげててて、、、「「「遠とほ遠とほとおからからからんんん者もの者ものものははは音おと音おとおとにににももも聞き聞ききけけけ、、、近ちか近ちかちかくくくばばば目め目めめにににももも見み見みみたまへたまへたまえ、、、これこれこれこそこそこそ京きやう京きやうきょう童わらんべ童わらんべわらんべののの呼よ呼よよぶぶぶなるなるなる上かづ上かづかず總さ總ささののの惡あく惡あくあく七しち七しちしち兵びやう兵びやうびょう衞ゑ衞ゑえ景かげ景かげかげ淸きよ淸きよきよよよよ。。。」」」ととと名な名なな乘の乘ののりりり棄す棄すすてててててて、、、御み御みみ方かた方かたかたののの楯たて楯たてたてののの陰かげ陰かげかげへへへぞぞぞ退の退ののきききにににけるけるける。。。
  4. 4平へい平へいへい家け家けけこれこれこれににに少すこ少すこすこししし心こゝ心こゝここちちちををを直なほ直なほなおしししててて、、、「「「惡あく惡あくあく七しち七しちしち兵びやう兵びやうびょう衞ゑ衞ゑえ討う討ううたたたすすすななな者もの者ものものどもどもども、、、景かげ景かげかげ淸きよ淸きよきよ討う討ううたたたすすすななな續つゞ續つゞつづけけけややや。。。」」」とととててて、、、二に二にに百ひやく百ひやくひゃく餘よ餘よよ人にん人にんにん渚なぎさ渚なぎさなぎさににに上あが上あがあがりりり、、、楯たて楯たてたてををを雌めん雌めんめん鳥どり鳥どりどり羽ば羽ばばにににつきつきつき竝なら竝ならならべべべ、、、源げん源げんげん氏じ氏じじこゝこゝここををを寄よ寄よよせせせよよよやややとととぞぞぞ招まね招まねまねいいいたるたるたる。。。判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがんやすからやすからやすからぬぬぬ事こと事ことことなりなりなりとととててて、、、田た田たた代しろ代しろしろののの冠くわん冠くわんかん者じや者じやじゃををを先さき先さきさきににに立た立たたててて、、、後ご後ごご藤とう藤とうとう兵びやう兵びやうびょう衞ゑ衞ゑえ父ふ父ふふ子し子しし、、、金かね金かねかね子こ子ここ兄きやう兄きやうきょう弟だい弟だいだいををを弓ゆん弓ゆんゆん手で手でで馬め馬めめ手て手ててににになしなしなし、、、伊い伊いい勢せ勢せせののの三さぶ三さぶさぶ郎らう郎らうろうををを後うしろ後うしろうしろとととしししててて、、、判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがん八はち八はちはち十じふ十じふじゅう餘よ餘よよ騎き騎ききをめいをめいおめいててて先さき先さきさきをををかけかけかけ給たま給たまたまへへえばばば、、、平へい平へいへい家け家けけののの方かた方かたかたにににははは馬むま馬むまむまににに乘の乘ののつつったるたるたる勢せい勢せいせいははは少すくな少すくなすくなししし、、、大たい大たいたい畧りやく畧りやくりやく徒かち徒かちかち武む武むむ者しや者しやしゃなりなりなりけれけれければばば、、、馬むま馬むまむまににに當あ當ああてててられられられじじじとととややや思おも思おもおもひひいけんけんけん、、、しばししばししばしもももたまらたまらたまらずずず引ひき引ひきひき退しりぞ退しりぞしりぞききき、、、みなみなみな船ふね船ふねふねにににぞぞぞ乘の乘ののりりりにににけるけるける。。。楯たて楯たてたてははは算さん算さんさんををを散ち散ちちらしらしらしたるたるたるやうやうようににに、、、さん〴〵さん〴〵さんざんににに蹴け蹴けけ散ち散ちちらさらさらさるるる。。。源げん源げんげん氏じ氏じじ勝か勝かかつつつににに乘の乘ののつつっててて、、、馬むま馬むまむまののの太ふと太ふとふと腹はら腹はらはらつかるつかるつかるほどほどほどににに、、、打うち打うちうち入い入いいれ〳〵れ〳〵れうちいれ攻せ攻せせめめめ戰たゝか戰たゝかたたかふふう。。。船ふね船ふねふねののの中なか中なかなかよりよりより熊くま熊くまくま手で手でで、、、薙ない薙ないない鎌がま鎌がまがまをををもつもつもっててて、、、判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがんののの兜かぶと兜かぶとかぶとののの錏しころ錏しころしころにににからり〳〵からり〳〵からりからりととと打う打ううちちちかけ〳〵かけ〳〵かけうちかけ、、、二に二にに三さん三さんさん度ど度どどしししけれけれけれどもどもども、、、御み御みみ方かた方かたかたののの兵つはもの兵つはものつわものどもどもども、、、太た太たた刀ち刀ちち、、、長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなたののの先さき先さきさきにににててて、、、打うち打うちうち拂はら拂はらはらひ〳〵ひ〳〵いうちわらい攻せ攻せせめめめ戰たゝか戰たゝかたたかふふう。。。
  5. 5されどもされどもされどもいかゞいかゞいかがはははししし給たま給たまたまひひいたりたりたりけんけんけん、、、判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがん弓ゆみ弓ゆみゆみををを取とり取とりとり落おと落おとおとささされれれぬぬぬ。。。うつうつうつ伏ぶ伏ぶぶししし、、、鞭むち鞭むちむちをををもつもつもってててかきかきかき寄よ寄よよせせせ、、、取と取ととらららん〳〵ん〳〵んんとととしししたまへたまへたまえばばば、、、御み御みみ方かた方かたかたののの兵つはもの兵つはものつわものどもどもども、、、「「「たゞたゞただ捨す捨すすてててさせさせさせ給たま給たまたまへ〳〵へ〳〵えたまえ。。。」」」ととと申まう申まうもうしししけれけれけれどもどもども、、、遂つひ遂つひついににに取と取ととつつっててて笑わら笑わらわろうううてててぞぞぞ歸かへ歸かへかえららられれれけるけるける。。。おとなおとなおとな共ども共どもどもははは皆みな皆みなみな爪つま爪つまつまはじきはじきわじきをををしししててて、、、「「「たとひたとひたとい千せん千せんせん疋びき疋びきびき萬まん萬まんまん疋びき疋びきびきにににかへかへかへさせさせさせ給たま給たまたまふふうべきべきべき御おん御おんおんたらしたらしたらしなりなりなりととと申まう申まうもうすすすともともとも、、、いかでいかでいかでかかか御おん御おんおん命いのち命いのちいのちにににはははかへかへかへさせさせさせ給たま給たまたまふふうべきべきべきかかか。。。」」」ととと申まう申まうもうしししけれけれければばば、、、判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがん、、、「「「弓ゆみ弓ゆみゆみののの惜を惜をおしさしさしさにににももも取と取ととらららばばばこそこそこそ。。。義よし義よしよし經つね經つねつねががが弓ゆみ弓ゆみゆみととといはいはいわばばば、、、二ふた二ふたふた人り人りりしししてててももも張は張ははりりり、、、もしもしもしははは三さん三さんさん人にん人にんにんしししてててももも張は張ははりりり、、、叔を叔をお父ぢ父ぢじ爲ため爲ためため朝とも朝ともともなどなどなどががが弓ゆみ弓ゆみゆみのののやうやうようならならならばばば、、、わざとわざとわざとももも落おと落おとおといいいててて取と取ととらすらすらすべしべしべし。。。尫わう尫わうおう弱じやく弱じやくじゃくなるなるなる弓ゆみ弓ゆみゆみををを敵かたき敵かたきかたきののの取と取ととりりり持も持ももつつっててて、、、これこれこれこそこそこそ源げん源げんげん氏じ氏じじののの大たい大たいたい將しやう將しやうしょう軍ぐん軍ぐんぐん九く九くく郎らう郎らうろう義よし義よしよし經つね經つねつねががが弓ゆみ弓ゆみゆみよよよなどなどなど、、、嘲てう嘲てうちょう弄ろう弄ろうろうせせせられられられんんんががが惜を惜をおしさしさしさににに、、、命いのち命いのちいのちにににかへかへかへててて取と取ととつつったるたるたるぞぞぞかしかしかし。。。」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、皆みな皆みなみなまたまたまたこれこれこれをををぞぞぞ感かん感かんかんじじじけるけるける。。。
  6. 6一いち一いちいち日にち日にちにち戰たゝか戰たゝかたたかひひい暮くら暮くらくらししし、、、夜よ夜よよににに入い入いいりりりけれけれければばば、、、平へい平へいへい家け家けけののの船ふね船ふねふねははは沖おき沖おきおきににに浮うか浮うかうかびびび、、、源げん源げんげん氏じ氏じじははは陸くが陸くがくがににに打うち打うちうち上あが上あがあがつつっててて、、、牟む牟むむ禮れ禮れれ高たか高たかたか松まつ松まつまつののの中なか中なかなかなるなるなる野の野のの山やま山やまやまににに陣ぢん陣ぢんじんをををぞぞぞ取と取ととつつったりたりたりけるけるける。。。源げん源げんげん氏じ氏じじののの兵つはもの兵つはものつわもの共ども共どもどもはははこのこのこの三みつ三みつみつ日か日かかががが閒あひだ閒あひだあいだははは寢ね寢ねねざりざりざりけりけりけり。。。一昨日をとゝひ一昨日をとゝひおととい攝つ攝つつ津の津ののののの國くに國くにくに渡わた渡わたわた邊なべ邊なべなべ、、、福ふく福ふくふく島しま島しましまををを出い出いいづるづるずるとてとてとて、、、大おほ大おほおお風かぜ風かぜかぜ大おほ大おほおお波なみ波なみなみにににゆらゆらゆられれれてててまどろままどろままどろまずずず、、、昨日きのふ昨日きのふきのう阿あ阿ああ波は波はわののの國くに國くにくに勝かつ勝かつかつ浦うら浦うらうらににに著つ著つついいいててて軍いくさ軍いくさいくさししし、、、夜よ夜よよもすがらもすがらもすがら中なか中なかなか山やま山やまやま越こ越ここえええ、、、今日けふ今日けふきょうまたまたまた一いち一いちいち日にち日にちにち戰たゝか戰たゝかたたかひひい暮くら暮くらくらしししたりたりたりけれけれければばば、、、人ひと人ひとひとももも馬むま馬むまむまもももみなみなみな疲つか疲つかつかれれれはてはてはてててて、、、或あるい或あるいあるいははは兜かぶと兜かぶとかぶとををを枕まくら枕まくらまくらにににししし、、、或あるい或あるいあるいははは鎧よろひ鎧よろひよろいののの袖そで袖そでそで、、、箙えびら箙えびらえびらなどなどなどををを枕まくら枕まくらまくらとととしししててて、、、前ぜん前ぜんぜん後ご後ごごももも知し知ししらららずずずぞぞぞ臥ふ臥ふふしししにににけるけるける。。。されどもされどもされどもそのそのその中なか中なかなかににに、、、判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがんととと伊い伊いい勢せ勢せせののの三さぶ三さぶさぶ郎らう郎らうろうははは寢ね寢ねねざりざりざりけりけりけり。。。判はう判はうほう官ぐわん官ぐわんがんははは高たか高たかたかききき所ところ所ところところににに打うち打うちうち上あが上あがあがつつっててて、、、敵かたき敵かたきかたきややや寄よ寄よよするするするととと遠とほ遠とほとお見み見みみししし給たま給たまたまふふう。。。伊い伊いい勢せ勢せせののの三さぶ三さぶさぶ郎らう郎らうろうはははくぼきくぼきくぼき所ところ所ところところににに隱かく隱かくかくれれれゐゐいててて、、、敵かたき敵かたきかたき寄よ寄よよせせせばばばまづまづまず馬むま馬むまむまののの太ふと太ふとふと腹はら腹はらはら射い射いいんんんとととててて、、、待ま待ままちちちかけかけかけたりたりたり。。。平へい平へいへい家け家けけののの方かた方かたかたにににははは能の能のの登と登とと殿どの殿どのどのををを大たい大たいたい將しやう將しやうしょう軍ぐん軍ぐんぐんとととしししててて、、、そのそのその夜よ夜よよ夜よ夜よよ討うち討うちうちにににせせせんんんととと支し支しし度たく度たくたくせせせられられられたりたりたりけれけれけれどもどもども、、、越ゑつ越ゑつえっ中ちう中ちうちゅうののの次じ次じじ郎らう郎らうろう兵びやう兵びやうびょう衞ゑ衞ゑえととと江え江ええ見み見みみののの次じ次じじ郎らう郎らうろうががが先せん先せんせん陣ぢん陣ぢんじんををを爭あらそ爭あらそあらそふふう程ほど程ほどほどににに、、、そのそのその夜よ夜よよももも空むな空むなむなしくしくしく明あ明ああけけけにににけりけりけり。。。寄よ寄よよせせせたりたりたりせせせばばば、、、源げん源げんげん氏じ氏じじなじかはなじかはなじかわたまるたまるたまるべきべきべき、、、寄よ寄よよせせせざりざりざりけるけるけるこそこそこそ、、、せめてせめてせめてののの運うん運うんうんのののきはめきはめきわめなれなれなれ。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

あまりのおもしろさに感に堪えなかったのであろうか、船の中から年のころ五十ほどの男で、黒革縅の鎧を着た者が、白柄の長刀を杖について、扇を立ててあった所に立って舞い澄ました。伊勢三郎義盛が与一の後ろに馬を歩ませ寄って、「ご命令だぞ。これも射よ」と言ったので、与一は今度は中差を取ってつがえ、引きしぼってひょうと放つ。舞い澄ましていた男の真ん中をひょうふっと射て、船底へまっさかさまに射倒した。「ああ、よく射た」と言う人もあり、「いやいや、情けないことだ」と言う者も多かった。平家方は静まりかえって音も立てない。源氏はまた箙をたたいてどよめいた。

平家はこれを残念に思ったのか、弓を持って一人、楯をついて一人、長刀を持って一人、武者が三人渚に上がり、「源氏よ、ここへ寄せてこい」と招いた。判官は、「腹の立つことだ。馬の強い若党ども、馳せ寄せて蹴散らせ」とおっしゃったので、武蔵国の住人美尾屋十郎、同じく四郎、同じく藤七、上野国の住人丹生四郎、信濃国の住人木曾中次の五騎が連れだって、わめいて駆けた。まず楯の陰から、塗篦に黒保呂の羽を矧いだ大きな矢を持って、まっ先に進んだ美尾屋十郎の馬の左の胸繋のあたりを、矢筈が隠れるほど深く射こんだ。屏風を倒すように馬がどうと倒れたので、主は左足を越えて右側へ下り立ち、すぐに太刀を抜いた。

また楯の陰から大長刀を振り回して打ってかかったので、美尾屋十郎は、小太刀では大長刀にかなわないと思ったのか、身をかがめて逃げたところ、すぐに続いて追いかけた。長刀で薙ぐのかと見ていると、そうではなく、長刀を左の脇に挟みこみ、右の手を差し伸べて、美尾屋十郎の兜の錏をつかもうとする。つかまれまいと逃げる。三度つかみそこねて、四度目にむずとつかんだ。しばらくは持ちこたえているように見えたが、鉢付の板からふっと引きちぎって逃げた。残りの四騎は馬を惜しんで駆けず、見物していた。美尾屋十郎は味方の馬の陰に逃げこんで、息を継いでいた。敵は追ってもこない。その後、兜の錏を長刀の先に貫いて高く差し上げ、大音声をあげて、「遠い者は音にも聞け、近い者は目にも見よ。これこそ京童が呼ぶという上総の悪七兵衛景清だ」と名のり捨てて、味方の楯の陰へ退いた。

平家はこれに少し気をとり直して、「悪七兵衛を討たせるな、者ども。景清を討たせるな、続け」といって、二百余人が渚に上がり、楯を雌鳥羽に並べ立てて、「源氏よ、ここへ寄せてこい」と招いた。判官は腹の立つことだといって、田代冠者を先に立て、後藤兵衛父子・金子兄弟を左右に置き、伊勢三郎を後ろにして、八十余騎でわめいて先駆けなさると、平家方は馬に乗った者は少なく、大部分が徒歩の武者だったので、馬に蹴られまいと思ったのか、少しも持ちこたえられずに退いて、みな船に乗ってしまった。楯は算木を散らしたように、さんざんに蹴散らされた。源氏は勝ちに乗じて、馬の太腹がつかるほどまで海に打ち入って攻め戦った。船の中から熊手や薙鎌で、判官の兜の錏にからりからりと引っかけること二、三度に及んだが、味方の兵たちが太刀や長刀の先で打ち払い打ち払い攻め戦った。

けれどもどうなさったのか、判官は弓を海に取り落とされた。身をかがめ、鞭でかき寄せて取ろう取ろうとなさるので、味方の兵たちは「ただお捨てなさい、お捨てなさい」と申したけれども、とうとう取り上げて笑って帰られた。年配の者たちはみな爪はじきをして、「たとえ千疋万疋にも替えられる御弓だと申しても、どうしてお命に替えられましょうか」と申したので、判官は、「弓が惜しくて取ったのではない。義経の弓が、二人でも張り、三人でも張るような、叔父の為朝などの弓のようなものなら、わざと落としてでも取らせよう。弱い弓を敵が取って、これこそ源氏の大将軍九郎義経の弓だなどと嘲られるのが残念なので、命にかえて取ったのだ」とおっしゃったので、人々はまたこれに感じ入った。

一日戦い暮らして夜になったので、平家の船は沖に浮かび、源氏は陸に上がって、牟礼と高松の間の野山に陣を取った。源氏の兵たちはこの三日間眠っていなかった。一昨日は摂津国渡辺・福島を出るときに大風大波に揺られてまどろまず、昨日は阿波国勝浦に着いて戦い、夜通し中山を越え、今日もまた一日戦い暮らしたので、人も馬もみな疲れはてて、あるいは兜を枕にし、あるいは鎧の袖や箙などを枕にして、前後も知らずに寝てしまった。けれどもその中で、判官と伊勢三郎は眠らなかった。判官は高い所に上がって、敵が寄せてこないかと遠見をなさる。伊勢三郎はくぼんだ所に隠れて、敵が寄せたらまず馬の太腹を射ようと待ち構えていた。平家方では能登殿を大将軍として、その夜夜討ちをしようと支度されていたが、越中次郎兵衛と江見次郎が先陣を争っているうちに、その夜もむなしく明けてしまった。寄せていたら、源氏はどうして持ちこたえられただろうか。寄せなかったことこそ、平家の運の尽きであった。

意訳

扇の的のあとに、感に堪えず舞った武者まで射倒させる場面は、「情けなし」という声とともに、華やかな見物が一転して殺し合いに戻る戦場の非情さを示す。続く景清の錏引きは、怪力と豪胆さで知られた悪七兵衛景清の名を高めた逸話として、謡曲「景清」などにも受け継がれた。

弓流しは、大将としての面目を命より重んじる義経の気性をよく伝える話である。弱い弓を敵に取られて嘲られることを恐れたという言葉には、小柄な義経の自意識もうかがえる。結びの、疲れはてた源氏を夜討ちしなかったことを平家の運の尽きとする評は、屋島の敗北の分かれ目を語っている。

語釈・文法注

文法

「中差」
箙に差した、征矢(そや)の一本。鏑矢に対していう。
「ひようつば」
矢が当たる音。
「塗篦に黑ほろはいだる」
漆を塗った矢柄に、黒い保呂羽(鷲の脇羽)を矧いだ。
「射こうだる」
射こんだ。
「かいふいて」
身をかがめて。
「鉢附の板」
兜の鉢に付いている錏の最上段の板。
「京童」
京の口さがない若者たち。
「雌鳥羽につき竝べ」
楯を鳥の羽が重なるように、互い違いに並べ立てて。
「算を散らしたるやうに」
算木を散らしたように、ばらばらに。
「千疋萬疋にかへさせ給ふべき御たらし」
千疋万疋の銭にも替えられる御弓。「たらし」は弓の尊称。
「尫弱なる弓」
弱い弓。
「せめての運のきはめ」
平家の運のこの上ない尽きよう。

解説

藤原景清(悪七兵衛)は上総介忠清の子で、平家の侍大将として各地を転戦した。屋島の錏引きの話は『平家物語』で名高く、景清はのちに源氏への復讐を図った勇士として、謡曲・浄瑠璃・歌舞伎で盛んに取り上げられた。高松市牟礼町には、景清と美尾屋十郎の「錏引き」の跡と伝える地がある。

関連

出典

底本
『校註日本文学大系』第14巻(平家物語) 国民図書、大正14年(1925)、777–780頁(コマ417–419)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日