古典ライブラリー

平家物語 巻第十

維盛入水の事

熊野三山の参詣を終えた維盛は、浜の宮から小舟で沖へ漕ぎ出し、山成の島の松の木を削って、祖父清盛・父重盛と自分の法名を記し、寿永三年三月二十八日に那智の沖で入水すると書きつけた。海の上で、なお都の妻子が便りを待っているだろうと思うと念仏も乱れ、妻子を持ったことが後世の妨げになったと悔やむ。滝口入道は、恩愛の情は断ちがたいが、出家の功徳は莫大で、阿弥陀の本願を信じれば必ず来迎があり、悟りを開いて妻子を導くこともできると励ました。維盛は妄念をひるがえし、念仏を百遍ほど唱えて海に身を投げ、重景と石童丸も続いて沈んだ。

  1. 1三み三みみつつつののの御お御おお山やま山やまやまののの參さん參さんさん詣けい詣けいけい、、、事こと事ことこと故ゆゑ故ゆゑゆえなうなうのう遂と遂ととげげげ給たま給たまたまひひいしかしかしかばばば、、、濱はま濱はまはまののの宮みや宮みやみやととと申まう申まうもうししし奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる王わう王わうおう子じ子じじののの御おん御おんおん前まへ前まへまえよりよりより、、、一いち一いちいち葉えふ葉えふようののの船ふね船ふねふねににに棹さを棹さをさおしししててて萬ばん萬ばんばん里り里りりののの滄さう滄さうそう海かい海かいかいににに浮うか浮うかうかびびび給たま給たまたまふふう。。。遙はる遙はるはるかかかののの沖おき沖おきおきににに山やま山やまやまなりなりなりののの島しま島しましまととといふいふいう所ところ所ところところありありありききき。。。中ちう中ちうちゅう將じやう將じやうじょうそれそれそれににに船ふね船ふねふね漕こ漕ここぎぎぎ寄よ寄よよせせせさせさせさせ、、、岸きし岸きしきしににに上あが上あがあがりりり、、、大おほ大おほおおきききなるなるなる松まつ松まつまつののの木き木ききををを削けづ削けづけずつつっててて、、、泣な泣ななく〳〵く〳〵くなく名めい名めいめい籍せき籍せきせきをををぞぞぞ書か書かかきききつけつけつけられられられけるけるける。。。「「「祖そ祖そそ父ふ父ふふ太だい太だいだい政じやう政じやうじょう大だい大だいだい臣じん臣じんじん平たひら平たひらたいらののの朝あ朝ああ臣そん臣そんそん淸きよ淸きよきよ盛もり盛もりもり公こう公こうこう法ほふ法ほふほう名みやう名みやうみょう淨じやう淨じやうじょう海かい海かいかい、、、親しん親しんしん父ぷ父ぷぷ小こ小ここ松まつ松まつまつののの内ない内ないない大だい大だいだい臣じん臣じんじんののの左さ左ささ大だい大だいだい將しやう將しやうしょう重しげ重しげしげ盛もり盛もりもり公こう公こうこう法ほふ法ほふほう名みやう名みやうみょう淨じやう淨じやうじょう蓮れん蓮れんれん、、、三さん三さんさん位み位みみののの中ちう中ちうちゅう將じやう將じやうじょう維これ維これこれ盛もり盛もりもり法ほふ法ほふほう名みやう名みやうみょう淨じやう淨じやうじょう圓ゑん圓ゑんえん、、、年とし年としとし二に二にに十じふ十じふじゅう七しち七しちしち歳さい歳さいさい、、、壽じゆ壽じゆじゅ永えい永えいえい三さん三さんさん年ねん年ねんねん三さん三さんさん月ぐわつ月ぐわつがつ二に二にに十じふ十じふじゅう八はち八はちはち日にち日にちにち、、、那な那なな智ち智ちちののの沖おき沖おきおきにににててて入じゆ入じゆじゅ水すゐ水すゐすいすすす。。。」」」ととと書か書かかきききつけつけつけててて、、、又また又またまた船ふね船ふねふねににに乘の乘ののりりり、、、沖おき沖おきおきへへへぞぞぞ漕こ漕ここぎぎぎ出い出いいででで給たま給たまたまひひいけるけるける。。。
  2. 2思おも思おもおもひひい切き切ききりりりぬるぬるぬる道みち道みちみちなれなれなれどもどもども、、、今いま今いまいまはははののの時とき時ときときにににもももなりなりなりぬれぬれぬればばば、、、さすがさすがさすが心こゝろ心こゝろこころ細ぼそ細ぼそぼそううう悲かな悲かなかなしからしからしからずずずととといふいふいう事こと事ことことなしなしなし。。。頃ころ頃ころころははは三さん三さんさん月ぐわつ月ぐわつがつ二に二にに十じふ十じふじゅう八はち八はちはち日にち日にちにちののの事こと事ことことなれなれなればばば、、、海かい海かいかい路ろ路ろろ遙はる遙はるはるかかかににに霞かす霞かすかすみみみわたりわたりわたり、、、哀あは哀あはあわれれれををを催もよほ催もよほもよおすすすたぐひたぐひたぐいかなかなかな。。。たゞたゞただ大おほ大おほおお方かた方かたかたののの春はる春はるはるだにだにだにももも、、、暮く暮くくれれれゆくゆくゆく空そら空そらそらはははものものものうきうきうきににに、、、況いは況いはいわんんんやややこれこれこれははは今日けふ今日けふきょうををを最さい最さいさい後ご後ごご、、、たゞたゞただ今いま今いまいまかぎりかぎりかぎりののの事こと事ことことなれなれなればばば、、、さこそさこそさこそははは心こゝろ心こゝろこころ細ぼそ細ぼそぼそかりかりかりけめけめけめ。。。沖おき沖おきおきののの釣つり釣つりつり舟ぶね舟ぶねぶねののの波なみ波なみなみににに消き消ききえええ入い入いいるるるやうやうようににに覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆるががが、、、さすがさすがさすが沉しづ沉しづしずみみみもももはてはてはてぬぬぬををを見み見みみ給たま給たまたまふふうにににつけつけつけてててももも、、、御おん御おんおん身み身みみののの上うへ上うへうえとととややや思おも思おもおもははわれれれけんけんけん。。。おのおのおのががが一ひと一ひとひと行つら行つらつら引ひ引ひひきききつれつれつれててて、、、今いま今いまいまはははととと歸かへ歸かへかえるるる鴈かりがね鴈かりがねかりがねののの、、、越こし越こしこし路ぢ路ぢじをををさしさしさしててて啼な啼ななききき行ゆ行ゆゆくくくももも、、、故こ故ここ鄕きやう鄕きやうきょうへへへことづてことづてことずてせせせまほしくまほしくまほしく、、、蘇そ蘇そそ武ぶ武ぶぶががが胡こ胡ここ國こく國こくこくののの恨うら恨うらうらみみみまでまでまで、、、思おも思おもおもひひい殘のこ殘のこのこせせせるるる隈くま隈くまくまもももなしなしなし。。。
  3. 3こここはははされされさればばば何なに何なになに事ごと事ごとごとぞぞぞややや。。。なほなほなお妄まう妄まうもう執じふ執じふじゅうののの盡つ盡つつきききぬぬぬにににこそこそこそととと思おも思おもおもひひい返かへ返かへかえししし、、、西にし西にしにしににに向むか向むかむかひひい手て手ててををを合あ合ああははわせせせ、、、念ねん念ねんねん佛ぶつ佛ぶつぶつしししたまふたまふたまう心こゝろ心こゝろこころののの中うち中うちうちにににももも、、、さてさてさてももも都みやこ都みやこみやこにににははは、、、今いま今いまいまをををかぎりかぎりかぎりとととはははいかでいかでいかでかかか知し知ししるるるべきべきべきなれなれなればばば、、、風かぜ風かぜかぜののの便たよ便たよたよりりりのののおとづれおとづれおとずれをををももも、、、今いま今いまいまや〳〵や〳〵やいまやとととこそこそこそ待ま待ままたたたんんんずずずらめらめらめととと思おも思おもおもははわれれれけれけれければばば、、、合がつ合がつがっ掌しやう掌しやうしょうをををみだりみだりみだり、、、念ねん念ねんねん佛ぶつ佛ぶつぶつををを止とゞ止とゞとどめめめ、、、聖ひじり聖ひじりひじりににに向むか向むかむかつつってててのたまひのたまひのたまいけるけるけるははは、、、「「「哀あは哀あはあわれれれ人ひと人ひとひとののの身み身みみににに、、、妻さい妻さいさい子し子ししととといふいふいうものものものをををばばば持も持ももつつつまじかりまじかりまじかりけるけるけるものものものかなかなかな。。。今こん今こんこん生じやう生じやうじょうにににててて物もの物ものものををを思おも思おもおもははわするするするのみのみのみならならならずずず、、、後ご後ごご世せ世せせ菩ぼ菩ぼぼ提だい提だいだいののの妨さまた妨さまたさまたげげげとととなりなりなりぬるぬるぬることことことこそこそこそ口くち口くちくち惜を惜をおしけれしけれしけれ。。。たゞたゞただ今いま今いまいまももも思おも思おもおもひひい出い出いいでででたるたるたるぞぞぞややや。。。かやうかやうかようののの事こと事ことことををを心しん心しんしん中ちう中ちうちゅうににに殘のこ殘のこのこせせせばばば、、、あまりあまりあまりににに罪つみ罪つみつみ深ふか深ふかふかかんかんかんなるなるなる閒あひだ閒あひだあいだ、、、懺さん懺さんさん悔げ悔げげするするするなりなりなり。。。」」」とととぞぞぞのたまひのたまひのたまいけるけるける。。。
  4. 4聖ひじり聖ひじりひじりもももあはれあはれあわれににに思おも思おもおもははわれれれけれけれけれどもどもども、、、われわれわれさへさへさへ心こゝろ心こゝろこころ弱よわ弱よわよおうううてててははは叶かな叶かなかなははわじじじとととややや思おも思おもおもひひいけんけんけん、、、涙なみだ涙なみだなみだおしおしおし拭のご拭のごのごひひい、、、さらさらさらぬぬぬ體てい體ていていにににもてなしもてなしもてなし、、、「「「あはれあはれあわれ高たか高たかたかきききももも賤いや賤いやいやしきしきしきももも、、、恩おん恩おんおん愛あい愛あいあいののの道みち道みちみちははは思おも思おもおもひひい切き切ききららられれれぬぬぬ事こと事ことことにににててて候さふら候さふらそうらへへえばばば、、、まことまことまことにににさこそさこそさこそははは思おぼし思おぼしおぼし召め召めめささされれれ候さふらふ候さふらふそうろうらめらめらめ。。。中なか中なかなかにににももも夫ふ夫ふふ妻さい妻さいさいははは一いち一いちいち夜や夜ややののの枕まくら枕まくらまくらををを竝なら竝ならならぶるぶるぶるももも、、、五ご五ごご百ひやく百ひやくひゃく生しやう生しやうしょうののの宿しゆく宿しゆくしゅく緣えん緣えんえんととと承うけたまは承うけたまはうけたまわれれればばば、、、先せん先せんせん世ぜ世ぜぜののの契ちぎ契ちぎちぎりりり淺あさ淺あさあさからからからずずず候さふらふ候さふらふそうろう。。。生しやう生しやうしょう者じや者じやじゃ必ひつ必ひつひっ滅めつ滅めつめつ、、、會ゑ會ゑえ者しや者しやしゃ定ぢやう定ぢやうじょう離り離りりはははうきうきうき世よ世よよのののならひならひならいにににててて候さふらふ候さふらふそうろうなりなりなり。。。末すゑ末すゑすえののの露つゆ露つゆつゆ、、、もともともとののの雫しづく雫しづくしずくのののためしためしためしあれあれあればばば、、、たとひたとひたとい遲ち遲ちち速そく速そくそくののの不ふ不ふふ同どう同どうどうありありありととといふいふいうともともとも、、、後おく後おくおくれれれ先さき先さきさき立だ立だだつつつ御おん御おんおん別わか別わかわかれれれ、、、遂つひ遂つひついににになくなくなくてててしもしもしもややや候さふらふ候さふらふそうろうべきべきべき。。。かのかのかの驪り驪りり山さん山さんさん宮きう宮きうきゅうののの秋あき秋あきあきののの夕ゆふべ夕ゆふべゆうべのののちぎりちぎりちぎりももも、、、遂つひ遂つひついにににははは心こゝろ心こゝろこころををを碎くだ碎くだくだくくく端はし端はしはしとととなりなりなり、、、甘かん甘かんかん泉せん泉せんせん殿でん殿でんでんののの生しやう生しやうしょう前ぜん前ぜんぜんののの恩おん恩おんおんももも、、、終をは終をはおわりりりなきなきなきにににしもしもしもあらあらあらずずず。。。松しよう松しようしょう子し子しし梅ばい梅ばいばい生せい生せいせい生しやう生しやうしょう涯がい涯がいがいののの恨うら恨うらうらみみみありありあり、、、等とう等とうとう覺がく覺がくがく十じつ十じつじっ地ち地ちちなほなほなお生しやう生しやうしょう死じ死じじののの掟おきて掟おきておきてににに從したが從したがしたがふふう。。。たとひたとひたとい君きみ君きみきみ長ちやう長ちやうちょう生せい生せいせいののの樂たの樂たのたのしみしみしみににに誇ほこ誇ほこほこりりりたまふたまふたまうともともとも、、、このこのこの御おん御おんおん恨うら恨うらうらみみみははは遂つひ遂つひついににになくなくなくてててしもしもしもややや候さふらふ候さふらふそうろうべきべきべき。。。たとひたとひたといまたまたまた百ひやく百ひやくひゃく年ねん年ねんねんののの齡よはひ齡よはひよわいををを保たも保たもたもたたたせせせ給たま給たまたまふふうともともとも、、、このこのこの御おん御おんおん別わか別わかわかれれれはははいついついつもももたゞたゞただ同おな同おなおなじじじ事こと事ことことととと思おぼし思おぼしおぼし召め召めめさささるるるべしべしべし。。。第だい第だいだい六ろく六ろくろく天てん天てんてんののの魔ま魔まま王わう王わうおうととといふいふいう外げ外げげ道だう道だうどうははは、、、欲よく欲よくよく界かい界かいかいののの六ろく六ろくろく天てん天てんてんをををみなみなみなわがわがわが物もの物ものものととと領りやう領りやうりょうしししててて、、、中なか中なかなかにににもももこのこのこの界かい界かいかいののの衆しゆ衆しゆしゅ生じやう生じやうじょうののの生しやう生しやうしょう死じ死じじににに離はな離はなはなるゝるゝるる事こと事ことことををを惜を惜をおしみしみしみ、、、或あるい或あるいあるいははは妻つま妻つまつまとととなりなりなり、、、或あるい或あるいあるいははは夫をつと夫をつとおつととととなつなつなっててて、、、これこれこれををを妨さまた妨さまたさまたげげげんんんとととするするするににに、、、三さん三さんさん世ぜ世ぜぜののの諸しよ諸しよしょ佛ぶつ佛ぶつぶつははは一いつ一いついっ切さい切さいさい衆しゆ衆しゆしゅ生じやう生じやうじょうををを一いつ一いついっ子し子ししののの如ごと如ごとごとくくくににに思おぼし思おぼしおぼし召め召めめしししててて、、、かのかのかの極ごく極ごくごく樂らく樂らくらく淨じやう淨じやうじょう土ど土どどののの不ふ不ふふ退たい退たいたいののの土ど土どどににに勸すゝ勸すゝすすめめめ入い入いいれれれんんんとととししし給たま給たまたまふふうににに、、、妻さい妻さいさい子し子ししははは無む無むむ始し始しし曠くわう曠くわうこう劫ごふ劫ごふごうよりよりよりこのこのこのかたかたかた、、、生しやう生しやうしょう死じ死じじににに輪りん輪りんりん廻ゑ廻ゑえするするするきづなきづなきずななるなるなるががが故ゆゑ故ゆゑゆえににに、、、佛ほとけ佛ほとけほとけははは重おも重おもおもううう戒いまし戒いましいましめめめたまふたまふたまうなりなりなり。。。されされさればばばとてとてとて御おん御おんおん心こゝろ心こゝろこころ弱よわ弱よわよおううう思おぼし思おぼしおぼし召め召めめすすすべからべからべからずずず。。。源げん源げんげん氏じ氏じじののの先せん先せんせん祖ぞ祖ぞぞ伊い伊いい豫よ豫よよののの入にふ入にふにゅう道だう道だうどう賴らい賴らいらい義ぎ義ぎぎははは敕ちよく敕ちよくちょく命めい命めいめいににに依よ依よよつつっててて奧あう奧あうおう州しう州しうしゅうののの夷えびす夷えびすえびす安あ安ああ倍べ倍べべののの貞さだ貞さださだ任たふ任たふとう、、、宗むね宗むねむね任たふ任たふとうををを攻せ攻せせめめめ給たま給たまたまひひいししし時とき時ときとき、、、十じふ十じふじゅう二に二にに年ねん年ねんねんががが閒あひだ閒あひだあいだににに人ひと人ひとひとののの首くび首くびくびををを切き切ききるるる事こと事ことこと一いち一いちいち萬まん萬まんまん六ろく六ろくろく千せん千せんせん餘よ餘よよ人にん人にんにんなりなりなり。。。そのそのその外ほか外ほかほか山さん山さんさん野や野ややののの獸けだもの獸けだものけだもの、、、江かう江かうこう河が河ががののの鱗うろくづ鱗うろくづうろくず、、、そのそのその命いのち命いのちいのちををを絶た絶たたつつつ事こと事ことこと、、、幾いく幾いくいく千せん千せんせん萬まん萬まんまんととといふいふいう數かず數かずかずををを知し知ししらららずずず。。。されどもされどもされども終しゆう終しゆうしゅう焉えん焉えんえんののの時とき時ときとき、、、一いち一いちいち念ねん念ねんねんののの菩ぼ菩ぼぼ提だい提だいだい心しん心しんしんををを起おこ起おこおこししししししににに依よ依よよつつっててて、、、往わう往わうおう生じやう生じやうじょうののの素そ素そそ懷くわい懷くわいかいををを遂と遂ととげげげたりたりたりとととこそこそこそ承うけたまは承うけたまはうけたまわれれれ。。。就なか就なかなか中んづく中んづくんずく御ご御ごご出しゆつ出しゆつしゅっ家け家けけののの功く功くく德どく德どくどく莫ばく莫ばくばく大だい大だいだいなれなれなればばば、、、先せん先せんせん世ぜ世ぜぜののの罪ざい罪ざいざい障しやう障しやうしょうはははみなみなみな滅ほろ滅ほろほろびびび給たま給たまたまひひいぬぬぬらんらんらん。。。もしもしもし人ひと人ひとひとあつあつあっててて七しち七しちしち寶ほう寶ほうほうののの塔たふ塔たふとうををを立た立たたてててんんんことことこと高たか高たかたかさささ三さん三さんさん十じふ十じふじゅう三さん三さんさん天てん天てんてんににに至いた至いたいたるるるととといふいふいうともともとも、、、一いち一いちいち日にち日にちにちののの出しゆつ出しゆつしゅっ家け家けけののの功く功くく德どく德どくどくにににははは及およ及およおよぶぶぶべからべからべからずずず。。。またまたまた人ひと人ひとひとあつあつあっててて百ひやく百ひやくひゃく千せん千せんせん歳さい歳さいさいががが閒あひだ閒あひだあいだ、、、百ひやく百ひやくひゃく羅ら羅らら漢かん漢かんかんををを供く供くく養やう養やうようしししたらたらたらんんんずるずるずるよりよりよりももも、、、一いち一いちいち日にち日にちにちののの出しゆつ出しゆつしゅっ家け家けけののの功く功くく德どく德どくどくにににははは及およ及およおよばばばずずずとととこそこそこそ說と說ととかかかれれれたれたれたれ。。。罪つみ罪つみつみ深ふか深ふかふかかりかりかりししし賴らい賴らいらい義ぎ義ぎぎももも、、、心こゝろ心こゝろこころ猛たけ猛たけたけきききががが故ゆゑ故ゆゑゆえににに往わう往わうおう生じやう生じやうじょうををを遂と遂ととげげげ申まう申まうもうししし候さふら候さふらそうらははわんんんややや。。。君きみ君きみきみはははさせるさせるさせる御ご御ごご罪ざい罪ざいざい業ごふ業ごふごうもももましまさましまさましまさざらざらざらんんんににに、、、などなどなどかかか淨じやう淨じやうじょう土ど土どどへへへ參まゐ參まゐまいらららせせせ給たま給たまたまははわででで候さふらふ候さふらふそうろうべきべきべき。。。そのそのそのうへうへうえ當たう當たうとう山ざん山ざんざん權ごん權ごんごん現げん現げんげんははは本ほん本ほんほん地ぢ地ぢじ阿あ阿ああ彌み彌みみ陀だ陀だだ如によ如によにょ來らい來らいらいにににててておはしますおはしますおわします。。。始はじ始はじはじめめめ無む無むむ三さん三さんさん惡あく惡あくあく趣しゆ趣しゆしゅののの願ぐわん願ぐわんがんよりよりより、、、終をは終をはおわりりり得とく得とくとく三さん三さんさん法ぼふ法ぼふぼう忍にん忍にんにんののの願ぐわん願ぐわんがんににに至いた至いたいたるるるまでまでまで、、、一いち一いちいち々いち々いちいちののの誓せい誓せいせい願ぐわん願ぐわんがん、、、衆しゆ衆しゆしゅ生じやう生じやうじょう化け化けけ度ど度どどののの願ぐわん願ぐわんがんならならならずずずととといふいふいう事こと事ことことなしなしなし。。。中なか中なかなかにににももも第だい第だいだい十じふ十じふじゅう八はち八はちはちののの願ぐわん願ぐわんがんににに、、、設せつ設せつせっ我が我がが得とく得とくとく佛ぶつ佛ぶつぶつ、、、十じつ十じつじっ方ぱう方ぱうぽう衆しゆ衆しゆしゅ生じやう生じやうじょう、、、至し至しし心しん心しんしん信しん信しんしん樂げう樂げうぎょう、、、慾よく慾よくよく生しやう生しやうしょう我が我がが國こく國こくこく、、、乃ない乃ないない至し至しし十じふ十じふじゅう念ねん念ねんねん、、、若にやく若にやくにゃく不ふ不ふふ生しやう生しやうしょう者じや者じやじゃ、、、不ふ不ふふ取しゆ取しゆしゅ正しやう正しやうしょう覺がく覺がくがくととと說と說ととかかかれれれたれたれたればばば、、、一いち一いちいち念ねん念ねんねん十じふ十じふじゅう念ねん念ねんねんのののたのみたのみたのみありありあり。。。たゞたゞただこのこのこの教をし教をしをしへへへををを深ふか深ふかふかくくく信しん信しんしんじじじててて、、、ゆめ〳〵ゆめ〳〵ゆめゆめ疑うたが疑うたがうたがひひいをををなすなすなすべからべからべからずずず。。。無む無むむ二に二ににののの懇こん懇こんこん念ねん念ねんねんををを致いた致いたいたしししててて、、、もしもしもしははは一いつ一いついっ遍ぺん遍ぺんぺんももも、、、もしもしもしははは十じつ十じつじっ遍ぺん遍ぺんぺんももも唱とな唱となとなへへえ給たま給たまたまふふうものものものならならならばばば、、、彌み彌みみ陀だ陀だだ如によ如によにょ來らい來らいらい六ろく六ろくろく十じふ十じふじゅう萬まん萬まんまん億のく億のくのく、、、那な那なな由ゆ由ゆゆ多た多たた恆ごう恆ごうごう河が河がが沙しや沙しやしゃののの御おん御おんおん身み身みみををを縮ちゞ縮ちゞちぢめめめ、、、丈ぢやう丈ぢやうじょう六ろく六ろくろく八はつ八はつはっ尺しやく尺しやくしゃくののの御おん御おんおん形かたち形かたちかたちにににててて、、、觀くわん觀くわんかん音おん音おんおん、、、勢せい勢せいせい至し至しし、、、無む無むむ數じゆ數じゆじゅののの聖しやう聖しやうしょう衆じゆ衆じゆじゅ、、、化け化けけ佛ぶつ佛ぶつぶつ菩ぼ菩ぼぼ薩さつ薩さつさつ、、、百ひやく百ひやくひゃく重ぢう重ぢうじゅう千せん千せんせん重ぢう重ぢうじゅうににに圍ゐ圍ゐい繞ねう繞ねうにょうししし、、、妓ぎ妓ぎぎ樂がく樂がくがく歌か歌かか詠えい詠えいえいしししててて、、、唯たゞ唯たゞただ今いま今いまいま極ごく極ごくごく樂らく樂らくらくののの東とう東とうとう門もん門もんもんををを出い出いいでででててて、、、來らい來らいらい迎がう迎がうごうししし給たま給たまたまははわんんんずれずれずればばば、、、御おん御おんおん身み身みみこそこそこそ滄さう滄さうそう海かい海かいかいののの底そこ底そこそこににに沉しづ沉しづしずむむむととと思おぼし思おぼしおぼし召め召めめさささるるるともともとも、、、紫し紫しし雲うん雲うんうんののの上うへ上うへうえににに上のぼ上のぼのぼりりり給たま給たまたまふふうべしべしべし。。。成じやう成じやうじょう佛ぶつ佛ぶつぶつ得とく得とくとく脫だつ脫だつだつしししててて悟さと悟さとさとりりりををを開ひら開ひらひらききき給たま給たまたまひひいなばなばなば、、、娑しや娑しやしゃ婆ば婆ばばののの故こ故ここ鄕きやう鄕きやうきょうににに立たち立たちたち返かへ返かへかえつつっててて、、、妻さい妻さいさい子し子ししををを導みちび導みちびみちびききき給たま給たまたまははわんんん事こと事ことこと、、、還げん還げんげん來らい來らいらい穢ゑ穢ゑえ國こく國こくこく土ど土どど人にん人にんにん天てん天てんてん、、、少すこ少すこすこしししももも過あやま過あやまあやまちちち給たま給たまたまふふうべからべからべからずずず。。。」」」とととててて、、、頻しき頻しきしきりりりににに鉦かね鉦かねかねうちうちうち鳴な鳴なならしらしらし念ねん念ねんねん佛ぶつ佛ぶつぶつををを勸すゝ勸すゝすすめめめ奉たてまつ奉たてまつたてまつれれればばば、、、中ちう中ちうちゅう將じやう將じやうじょう然しか然しかしかるるるべきべきべき善ぜん善ぜんぜん知ち知ちち識しき識しきしきととと思おぼし思おぼしおぼし召め召めめししし、、、忽たちま忽たちまたちまちちちににに妄まう妄まうもう念ねん念ねんねんををを飜ひるがへ飜ひるがへひるがえししし、、、西さい西さいさい方はう方はうほうににに向むか向むかむかひひい手て手ててををを合あ合ああははわせせせ、、、高かう高かうこう聲じやう聲じやうじょうににに念ねん念ねんねん佛ぶつ佛ぶつぶつ百ひやく百ひやくひゃく遍ぺん遍ぺんぺん許ばか許ばかばかりりり唱とな唱となとなへへえ給たま給たまたまひひいててて、、、南な南なな無む無むむととと唱とな唱となとなふるふるうる聲こゑ聲こゑこえ共とも共ともともににに、、、海うみ海うみうみにににぞぞぞ飛と飛ととびびび入い入いいりりり給たま給たまたまひひいけるけるける。。。與よ與よよ三さ三ささ兵ひやう兵ひやうひょう衞ゑ衞ゑえ、、、石いし石いしいし童どう童どうどう丸まる丸まるまるももも同おな同おなおなじうじうじゅう御み御みみ名な名ななををを唱とな唱となとなへへえつゝつゝつつ、、、續つゞ續つゞつづいいいててて海うみ海うみうみにににぞぞぞ沉しづ沉しづしずみみみけるけるける。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

熊野三山の参詣を無事に終えられたので、浜の宮と申す王子の御前から一艘の小舟に棹さして、万里の青海原に浮かばれた。はるか沖に山成の島という所があった。中将はそこに船を漕ぎ寄せさせ、岸に上がって大きな松の木を削り、泣く泣く名籍を書きつけられた。「祖父太政大臣平朝臣清盛公、法名浄海。親父小松内大臣左大将重盛公、法名浄蓮。三位中将維盛、法名浄円、年二十七歳。寿永三年三月二十八日、那智の沖にて入水す」と書きつけて、また船に乗り、沖へ漕ぎ出された。

思いきった道ではあるが、いよいよ最期のときになったので、やはり心細く悲しくないということはない。ころは三月二十八日のことなので、海路ははるかに霞みわたり、哀れを誘うありさまである。ただでさえ春の暮れゆく空はもの憂いのに、まして今日を最後、今を限りのことなので、さぞ心細かったことであろう。沖の釣り舟が波間に消え入るように見えながら、やはり沈みきらないのをご覧になるにつけても、わが身の上と思われたのであろうか。自分たちの列を引き連れて、今はと北へ帰る雁が越路をさして鳴いて行くのにも、故郷へ言伝をしたく思い、蘇武が胡国で雁に文を託した恨みまで、思い残すことはなかった。

「これはいったいどうしたことか。なお妄執が尽きないのだ」と思い直し、西に向かって手を合わせ、念仏を唱えられる心の中にも、それにしても都では、今が最期とはどうして知ることができようか、風の便りの訪れを今か今かと待っているだろうと思われたので、合掌を乱し、念仏を止めて、聖に向かっておっしゃるには、「ああ、人の身に妻子というものは持つべきではなかった。今生で物思いをさせるばかりか、後世菩提の妨げとなってしまったことが無念だ。今も思い出してしまった。このようなことを心の中に残すと、あまりに罪深いことだというから、懺悔するのだ」とおっしゃった。

聖も哀れに思われたが、自分まで心弱くてはいけないと思ったのであろうか、涙を押しぬぐい、何気ない様子をよそおって、「まことに身分の高い者も低い者も、恩愛の道は思いきれないものでございますから、本当にそうお思いになるのでしょう。とりわけ夫婦は一夜の枕を並べるのも五百生の宿縁と聞きますから、前世の契りは浅くございません。生者必滅、会者定離は憂き世のならいでございます。末の露、もとの雫のたとえもあるように、たとえ早い遅いの違いはあっても、後れ先立つお別れが最後にないことがありましょうか。あの驪山宮の秋の夕べの契りも、ついには心を砕くもととなり、甘泉殿の生前の恩愛も、終わりがないわけではありません。松子・梅生にも生涯の恨みがあり、等覚・十地の菩薩でさえなお生死の掟に従います。たとえ君が長生の楽しみを誇られたとしても、このお恨みはついにないことがありましょうか。たとえまた百年の寿命を保たれたとしても、このお別れはいつでも同じことだとお思いなさいませ。第六天の魔王という外道は、欲界の六天をすべて自分のものとして支配し、とりわけこの世界の衆生が生死を離れることを惜しんで、あるいは妻となり、あるいは夫となって、これを妨げようとするのに対して、三世の諸仏は一切衆生をわが一人子のようにお思いになって、あの極楽浄土の不退の地に勧め入れようとなさいますが、妻子は無始曠劫の昔から生死に輪廻させる絆であるために、仏は重く戒めておられるのです。だからといってお心弱くお思いになってはなりません。源氏の先祖伊予入道頼義は、勅命によって奥州の夷、安倍貞任・宗任を攻められたとき、十二年の間に人の首を切ること一万六千余人です。そのほか山野の獣、川の魚の命を絶ったことは、幾千万という数もわかりません。けれども臨終のとき、一念の菩提心を起こしたことによって、往生の素懐を遂げたと聞いております。とりわけご出家の功徳は莫大ですから、前世の罪障はみな消えてしまわれたでしょう。もし人があって七宝の塔を高さ三十三天に至るまで建てたとしても、一日の出家の功徳には及ばない。また人があって百千年の間、百羅漢を供養したとしても、一日の出家の功徳には及ばないと説かれています。罪深かった頼義も、心が猛かったために往生を遂げ申したではありませんか。君はこれといったご罪業もおありにならないのに、どうして浄土へ参られないことがありましょう。そのうえこの山の権現は、本地が阿弥陀如来でいらっしゃいます。初めの無三悪趣の願から終わりの得三法忍の願に至るまで、一つ一つの誓願は、衆生を救う願でないものはありません。中でも第十八の願に、「設我得仏、十方衆生、至心信楽、欲生我国、乃至十念、若不生者、不取正覚」と説かれていますから、一念十念のたのみがあります。ただこの教えを深く信じて、決して疑ってはなりません。二つとない真心をこめて、一遍でも十遍でもお唱えになったならば、阿弥陀如来は六十万億那由多恒河沙というお身を縮めて、丈六八尺のお姿となり、観音・勢至・無数の聖衆・化仏菩薩が百重千重に取り囲み、伎楽歌詠して、今にも極楽の東門を出て来迎なさいますから、お身こそ青海原の底に沈むとお思いになっても、紫雲の上にお上りになるのです。成仏得脱して悟りを開かれたなら、娑婆の故郷に立ち返って妻子をお導きになることは、還来穢国度人天と申すとおりで、少しも違うことはありません」といって、しきりに鉦を打ち鳴らして念仏をおすすめ申すと、中将はよい善知識だとお思いになって、たちまち妄念をひるがえし、西方に向かって手を合わせ、高声に念仏を百遍ほど唱えられて、「南無」と唱える声とともに海に飛びこまれた。与三兵衛と石童丸も同じく御名を唱えながら、続いて海に沈んだ。

意訳

維盛の入水の場面である。松の木に三代の法名を書き残し、春霞の海へ漕ぎ出す姿は哀切をきわめる。釣り舟や帰る雁といった景物に自らの身の上を重ね、最期の時にもなお都の妻子を思って念仏が乱れるところに、維盛という人物の情の深さと弱さとがよく表れている。

滝口入道の長い説法は、恩愛の断ちがたさを認めながらも、頼義の往生の例や阿弥陀の第十八願を引いて、出家と念仏の功徳を説き、悟りを開けば妻子を導くこともできると励ます。妄念をひるがえして念仏とともに海に入る維盛と、それに続く重景・石童丸の姿は、主従の絆の深さをも語っている。

語釈・文法注

文法

「山なりの島」
那智の沖の山成島。
「名籍」
名前と系譜。ここでは三代の名と法名。
「蘇武が胡國の恨み」
漢の蘇武が匈奴に捕らわれた時、雁の足に文を結んで漢に便りを送ったという故事。
「合掌をみだり」
合わせた手を乱し。
「末の露、もとの雫」
葉末の露も根もとの雫も、遅速はあってもいずれは消える。人の命のはかなさのたとえ。
「驪山宮の秋の夕のちぎり」「甘泉殿の生前の恩」
唐の玄宗と楊貴妃の驪山宮での誓い、漢の武帝と李夫人の甘泉殿での恩愛。いずれも死別に終わった。
「松子梅生」
仙人の赤松子と梅福(梅生)。仙人でさえ生涯の恨みがあるという例。
「等覺十地」
菩薩の修行の位。仏に次ぐ等覚や十地の菩薩でさえ生死を免れない、の意。
「第六天の魔王」
欲界の最上の他化自在天に住み、仏道を妨げるという魔王。
「起ししに依つて」
起こしたことによって。
「往生を遂げ申し候はんや」
底本の本文。往生を遂げ申したではありませんか、の意に解した。
「設我得佛…不取正覺」
『無量寿経』の阿弥陀仏の第十八願(念仏往生の願)。わたしが仏となるとき、十方の衆生が心から信じ願って念仏し、もし往生できなければ、わたしは悟りを開くまい、の意。
「慾生我國」
底本は「慾」と刷る。
「還來穢國土人天」
浄土に往生した者が、この世に還って人々を救うこと。通行本文は「還来穢国度人天」。

解説

維盛の入水は寿永三年(1184)三月二十八日のことと『平家物語』は記すが、『玉葉』などには維盛が都を目指したとも、熊野で生き延びたとも伝える。和歌山県の那智勝浦町には維盛入水の伝承地があり、また紀伊・大和の山中には維盛が落ち延びて隠れ住んだという伝説も各地に残る。

関連

出典

底本
『校註日本文学大系』第14巻(平家物語) 国民図書、大正14年(1925)、744–748頁(コマ401–403)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日