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平家物語 巻第五

物怪の事

福原に移ってから、平家の周りでは怪異が相次いだ。清盛の寝所に巨大な顔がのぞき、無数の髑髏が庭で一つの大きな頭となって清盛を睨んだが、清盛は動じずに睨み返して消し去った。愛馬の尾に鼠が巣を作り、源雅頼の侍は、神々の会議で平家の節刀が頼朝に与えられる夢を見た。厳島明神から賜った小長刀も、ある夜忽然と失われた。

  1. 1平へい平へいへい家け家けけ都みやこ都みやこみやこををを福ふく福ふくふく原はら原はらはらへへへ遷うつ遷うつうつささされれれててて後のち後のちのちははは、、、夢ゆめ夢ゆめゆめ見み見みみももも惡あ惡ああしうしうしゅう、、、常つね常つねつねははは心こころ心こころこころさわぎさわぎさわぎのみのみのみしてしてして、、、變へん變へんへん化げ化げげののの者もの者ものものどもどもども多おほ多おほおおかりかりかりけりけりけり。。。あるあるある夜よ夜よよ、、、入にふ入にふにゅう道だう道だうどうののの臥ふ臥ふふししし給たま給たまたまひひいたりたりたりけるけるける所ところ所ところところににに、、、一ひと一ひとひと間ま間ままにににはゞかるはゞかるはばかる程ほど程ほどほどのののものものものののの面おもて面おもておもてののの出い出いいででで來き來ききててて、、、のぞきのぞきのぞき奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる。。。入にふ入にふにゅう道だう道だうどうちつちつちっとととももも騒さわ騒さわさわがががずずず、、、はつたはつたはったととと睨にら睨にらにらまへまへまえててておはしおはしおわしけれけれければばば、、、たゞたゞただ消き消ききえええににに消き消ききえええ失う失ううせせせぬぬぬ。。。岡をか岡をかをかののの御ご御ごご所しよ所しよしょととと申まう申まうもうすすすははは、、、新あた新あたあたらしうらしうらしゅう造つく造つくつくららられれれたりたりたりけれけれければばば、、、然しか然しかしかるるるべきべきべき大たい大たいたい木ぼく木ぼくぼくなんどなんどなんどもももなかりなかりなかりけるけるけるににに、、、あるあるある夜よ夜よよ大たい大たいたい木ぼく木ぼくぼくののの倒たふ倒たふたおるゝるゝるる音おと音おとおとしてしてして、、、人ひと人ひとひとならならならばばば二に二にに三さん三さんさん千ぜん千ぜんぜん人にん人にんにんががが聲こゑ聲こゑこえしてしてして、、、虛こ虛ここ空くう空くうくうにににどつどつどっととと笑わら笑わらわらふふう音おと音おとおとしししけりけりけり。。。いかさまいかさまいかさまにににもももこれこれこれははは天てん天てんてん狗ぐ狗ぐぐののの所しよ所しよしょ爲ゐ爲ゐいととといふいふいう沙さ沙ささ汰た汰たたにににててて、、、晝ひる晝ひるひる五ご五ごご十じふ十じふじゅう人にん人にんにん、、、夜よる夜よるよる百ひやく百ひやくひゃく人にん人にんにんののの番ばん番ばんばん衆しゆ衆しゆしゅををを揃そろ揃そろそろへへえ、、、蟇ひき蟇ひきひき目め目めめののの番ばん番ばんばんととと名な名ななづけづけづけててて、、、蟇ひき蟇ひきひき目め目めめををを射い射いいさせさせさせられられられけるけるけるににに、、、天てん天てんてん狗ぐ狗ぐぐのののあるあるある方かた方かたかたへへへ向むか向むかむかつつっててて射い射いいたるたるたるとととおぼしきおぼしきおぼしき時とき時ときときははは、、、音おと音おとおともももせせせずずず。。。またまたまたないないない方かた方かたかたへへへ向むか向むかむかつつっててて射い射いいたるたるたる時とき時ときときははは、、、どつどつどっととと笑わら笑わらわらひひいなんどなんどなんどしししけりけりけり。。。
  2. 2またまたまたあるあるある朝あした朝あしたあした、、、入にふ入にふにゅう道だう道だうどう相しやう相しやうしょう國こく國こくこく帳ちやう帳ちやうちょう臺だい臺だいだいよりよりより出い出いいでででててて、、、妻つま妻つまつま戸ど戸どどをををおしおしおし開ひら開ひらひらききき、、、坪つぼ坪つぼつぼののの内うち内うちうちををを見み見みみ給たま給たまたまへへえばばば、、、死し死しし人にん人にんにんのののしやれしやれしやれ頭かうべ頭かうべこうべどもどもどもががが、、、いくらいくらいくらととといふいふいう數かず數かずかずををを知し知ししらららずずず、、、坪つぼ坪つぼつぼののの内うち内うちうちににに充み充みみちちち滿み滿みみちちちててて、、、上うへ上うへうえなるなるなるははは下した下したしたににになりなりなり、、、下した下したしたなるなるなるははは上うへ上うへうえににになりなりなり、、、中なか中なかなかなるなるなるははは端はし端はしはしへへへころびころびころび出い出いいででで、、、端はし端はしはしなるなるなるははは中なか中なかなかへへへころびころびころび入い入いいりりり、、、ころびころびころびあひあひあい、、、ころびころびころびのきのきのき、、、からめきからめきからめきあへあへあえりりり。。。入にふ入にふにゅう道だう道だうどう相しやう相しやうしょう國こく國こくこく、、、「「「人ひと人ひとひとやややあるあるある、、、人ひと人ひとひとやややあるあるある。。。」」」ととと召め召めめささされれれけれけれけれどもどもども、、、折をり折をりおりふしふしふし人ひと人ひとひとももも參まゐ參まゐまいらららずずず。。。かくかくかくしてしてして多おほ多おほおおくくくののの髑どく髑どくどく髏ろ髏ろろ共ども共どもどもががが、、、一ひと一ひとひとつつつにににかたまりかたまりかたまりあひあひあい、、、坪つぼ坪つぼつぼののの内うち内うちうちにににはゞかるはゞかるはばかる程ほど程ほどほどににになつなつなっててて、、、高たか高たかたかさささははは十じふ十じふじゅう四し四しし五ご五ごご丈ぢやう丈ぢやうじょうもももあるあるあるらんらんらんととと覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆる山やま山やまやまののの如ごと如ごとごとくくくににになりなりなりにににけりけりけり。。。かのかのかの一ひと一ひとひとつつつののの大おほ大おほおお頭がしら頭がしらがしらににに、、、生い生いいきききたるたるたる人ひと人ひとひとののの眼まなこ眼まなこまなこのののやうやうようににに、、、大だい大だいだいののの眼まなこ眼まなこまなこががが千せん千せんせん萬まん萬まんまん出い出いいででで來き來ききててて、、、入にふ入にふにゅう道だう道だうどう相しやう相しやうしょう國こく國こくこくをををきつきつきっととと睨にら睨にらにらまへまへまえ、、、しばししばししばしはははまたゝきまたゝきまたたきもももせせせずずず。。。入にふ入にふにゅう道だう道だうどうちつちつちっとととももも騒さわ騒さわさわがががずずず、、、ちやうちやうちょうととと睨にら睨にらにらまへまへまえててて立た立たたたたたれれれたりたりたりけれけれければばば、、、露つゆ露つゆつゆ霜しも霜しもしもなどなどなどののの日ひ日ひひににに當あた當あたあたつつっててて消き消ききゆるゆるゆるやうやうようににに、、、跡あと跡あとあとかたかたかたもももなくなくなくなりなりなりにににけりけりけり。。。
  3. 3またまたまた入にふ入にふにゅう道だう道だうどう相しやう相しやうしょう國こく國こくこく、、、一いち一いちいちののの御おん御おんおん廏むまや廏むまやうまやににに立た立たたてててててて、、、舎とね舎とねとね人り人りりあまたあまたあまたつけつけつけててて、、、朝あさ朝あさあさ夕ゆふ夕ゆふゆう撫な撫ななででで飼か飼かかはははれれれけるけるける馬むま馬むまうまののの尾を尾ををににに、、、鼠ねずみ鼠ねずみねずみ一いち一いちいち夜や夜ややののの中うち中うちうちににに巣す巣すすをををくひくひくい、、、子こ子ここをををぞぞぞ產う產ううんんんだりだりだりけるけるける。。。これこれこれたゞたゞただごとごとごとにににあらあらあらずずず、、、御み御みみ卜うら卜うらうらあるあるあるべしべしべしとてとてとて神じん神じんじん祇ぎ祇ぎぎ官くわん官くわんかんにににしてしてして、、、御み御みみ卜うら卜うらうらありありあり。。。重おも重おもおもききき御おん御おんおん愼つゝし愼つゝしつつしみみみととと占うらな占うらなうらなひひい申まう申まうもうすすす。。。このこのこの馬むま馬むまうまははは相さが相さがさが摸み摸みみ國のくに國のくにのくにののの住ぢゆう住ぢゆうじゅう人にん人にんにん大おほ大おほおお庭ば庭ばばののの三さぶ三さぶさぶ郎らう郎らうろう景かげ景かげかげ親ちか親ちかちかががが、、、東とう東とうとう八はつ八はつはっ箇か箇かか國こく國こくこく一いち一いちいちののの馬むま馬むまうまとてとてとて、、、入にふ入にふにゅう道だう道だうどう大だい大だいだい相しやう相しやうしょう國こく國こくこくににに參まゐ參まゐまいらせらせらせたりたりたりけるけるけるとととかやかやかや。。。黑くろ黑くろくろききき馬むま馬むまうまののの、、、額ひたひ額ひたひひたいののの少すこ少すこすこししし白しろ白しろしろかりかりかりけれけれければばば、、、名な名ななをををばばば望もち望もちもち月づき月づきづきとととぞぞぞいはいはいわれれれけるけるける。。。陰おん陰おんおん陽やう陽やうようののの頭かみ頭かみかみ安あ安ああ倍べ倍べべ泰やす泰やすやす親ちか親ちかちかががが賜たま賜たまたまはつはつわってててけりけりけり。。。昔むかし昔むかしむかし天てん天てんてん智ぢ智ぢじ天てん天てんてん皇わう皇わうのうののの御ぎよ御ぎよぎょ宇う宇ううににに、、、寮れう寮れうりょうののの御おん御おんおん馬むま馬むまうまののの尾を尾ををににに、、、鼠ねずみ鼠ねずみねずみ一いち一いちいち夜や夜ややののの中うち中うちうちににに巣す巣すすをををくひくひくい子こ子ここををを產う產ううんんんだりだりだりけるけるけるにににははは、、、異い異いい國こく國こくこくののの兇きよう兇きようきょう賊ぞく賊ぞくぞく蜂ほう蜂ほうほう起き起ききしししたりたりたりとととぞぞぞ、、、日に日にに本ほん本ほんほん紀ぎ紀ぎぎにににははは見み見みみえええたりたりたりけるけるける。。。
  4. 4またまたまた、、、源げん源げんげん中ちゆう中ちゆうちゅう納な納なな言ごん言ごんごん雅まさ雅まさまさ賴より賴よりよりののの卿きやう卿きやうきょうのののもともともとににに召めし召めしめし使つか使つかつかははわれれれけるけるける、、、青せい青せいせい侍じ侍じじががが見み見みみたりたりたりけるけるける夢ゆめ夢ゆめゆめもももおそろしかりおそろしかりおそろしかりけりけりけり。。。たとへたとへたとえばばば大だい大だいだい内だい内だいだいののの神じん神じんじん祇ぎ祇ぎぎ官くわん官くわんかんとととおぼしきおぼしきおぼしき所ところ所ところところににに、、、束そく束そくそく帶たい帶たいたい正たゞ正たゞただしきしきしき上じやう上じやうじょう臈らふ臈らふろうのののあまたあまたあまた寄よ寄よよりりりあひあひあい給たま給たまたまひひいててて、、、議ぎ議ぎぎ定ぢやう定ぢやうじょうのののやうやうようなるなるなる事こと事ことことのののありありありしししににに、、、末ばつ末ばつばつ座ざ座ざざなるなるなる上じやう上じやうじょう臈らふ臈らふろうののの、、、平へい平へいへい家け家けけののの方かた方かたかた人うど人うどうどししし給たま給たまたまふふうとととおぼしきおぼしきおぼしきををを、、、そのそのその中なか中なかなかよりよりより追お追おおつつっ立た立たたてててらるらるらる。。。遙はる遙はるはるかかかののの座ざ座ざざ上しやう上しやうしょうにににけけけ高だか高だかだかげげげなるなるなる御おん御おんおん宿しゆく宿しゆくしゅく老らう老らうろうのののまし〳〵まし〳〵ましましけるけるけるががが、、、「「「このこのこの日ひ日ひひ頃ごろ頃ごろごろ、、、平へい平へいへい家け家けけののの預あづか預あづかあずかりりり奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる節せつ節せつせつ刀と刀ととをををばばば召め召めめししし返かへ返かへかえいいいててて、、、伊い伊いい豆づ豆づずののの國くに國くにくにののの流る流るる人にん人にんにん前さき前さきさきののの右う右うう兵ひやう兵ひやうひょう衞ゑ衞ゑえののの佐すけ佐すけすけ賴より賴よりより朝とも朝ともともにににたばたばたばうううずるずるずるなりなりなり。。。」」」ととと仰おほ仰おほおおせせせけれけれければばば、、、そのそのその側そば側そばそばににになほなほなお御おん御おんおん宿しゆく宿しゆくしゅく老らう老らうろうのののまし〳〵まし〳〵ましましけるけるけるががが、、、「「「そのそのその後のち後のちのちはははわがわがわが孫まご孫まごまごにににももも賜た賜たたびびび候さふら候さふらそうらへへえ。。。」」」とととぞぞぞ仰おほ仰おほおおせせせけるけるける。。。青せい青せいせい侍じ侍じじ、、、夢ゆめ夢ゆめゆめののの中うち中うちうちにににあるあるある老らう老らうろう翁をう翁をうおうににに、、、次し次しし第だい第だいだいにににこれこれこれををを問と問ととひひい奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる。。。「「「末ばつ末ばつばつ座ざ座ざざなるなるなる上じやう上じやうじょう臈らふ臈らふろうののの、、、平へい平へいへい家け家けけののの方かた方かたかた人うど人うどうどししし給たま給たまたまふふうととと思おぼ思おぼおぼしきしきしきははは嚴いつく嚴いつくいつく島しま島しましまののの大だい大だいだい明みやう明みやうみょう神じん神じんじん、、、節せつ節せつせつ刀と刀ととををを賴より賴よりより朝とも朝ともともににに賜た賜たたばばばうううととと仰おほ仰おほおおせせせらるゝらるゝらるるははは八はち八はちはち幡まん幡まんまん大だい大だいだい菩ぼ菩ぼぼ薩さつ薩さつさつ、、、そのそのその後のち後のちのちわがわがわが孫まご孫まごまごにににももも賜た賜たたべべべととと仰おほ仰おほおおせせせけるけるけるははは春かす春かすかす日が日ががののの大だい大だいだい明みやう明みやうみょう神じん神じんじん、、、かうかうこう申まう申まうもうすすす翁おきな翁おきなおきなははは武たけ武たけたけ内うち内うちうちののの明みやう明みやうみょう神じん神じんじん。。。」」」ととと答こた答こたこたへへえ給たま給たまたまふふうととといふいふいう夢ゆめ夢ゆめゆめををを見み見みみててて、、、覺さ覺ささめめめててて後のち後のちのち、、、人ひと人ひとひとにににこれこれこれををを語かた語かたかたるるる程ほど程ほどほどににに、、、入にふ入にふにゅう道だう道だうどう相しやう相しやうしょう國こく國こくこくもれもれもれ聞き聞ききききき給たま給たまたまひひいててて、、、雅まさ雅まさまさ賴より賴よりよりののの卿きやう卿きやうきょうのののもともともとへへへ使し使しし者じや者じやじゃををを立た立たたてててててて、、、「「「それそれそれににに夢ゆめ夢ゆめゆめ見み見みみののの青せい青せいせい侍じ侍じじののの候さふらふ候さふらふそうろうなるなるなるををを、、、賜たま賜たまたまはつはつわっててて詳くは詳くはくわしうしうしゅう尋たづ尋たづたずねねね候さふら候さふらそうらははわばやばやばや。。。」」」とととのたまひのたまひのたまいててて遣つか遣つかつかはさはさわされれれたりたりたりけれけれければばば、、、かのかのかの夢ゆめ夢ゆめゆめ見み見みみたりたりたりけるけるける青せい青せいせい侍じ侍じじ、、、あしかりあしかりあしかりなななんんんとととややや思おも思おもおもひひいけんけんけん、、、やがてやがてやがて逐ちく逐ちくちく電てん電てんてんしてしてしてけりけりけり。。。そのそのその後のち後のちのち雅まさ雅まさまさ賴より賴よりよりののの卿きやう卿きやうきょう入にふ入にふにゅう道だう道だうどう相しやう相しやうしょう國こく國こくこくののの第てい第ていていににに行ゆ行ゆゆいいいててて、、、「「「全まつた全まつたまったくくくさるさるさる事こと事ことこと候さふら候さふらそうらははわずずず。。。」」」ととと陳ちん陳ちんちんじじじ申まう申まうもうささされれれたりたりたりけれけれければばば、、、そのそのその後のち後のちのちははは沙さ沙ささ汰た汰たたもももなかりなかりなかりけりけりけり。。。
  5. 5それそれそれにににまたまたまた何なに何なになによりよりより不ふ不ふふ思し思しし議ぎ議ぎぎなりなりなりけるけるける事こと事ことことにににははは、、、清きよ清きよきよ盛もり盛もりもり未いま未いまいまだだだ安あ安ああ藝き藝ききののの守かみ守かみかみたりたりたりししし時とき時ときとき、、、神じん神じんじん拜ぱい拜ぱいぱいのののついでついでついでににに靈れい靈れいれい夢む夢むむををを蒙かうぶ蒙かうぶこうぶつつっててて、、、嚴いつく嚴いつくいつく島しま島しましま大だい大だいだい明みやう明みやうみょう神じん神じんじんよりよりよりうつゝうつゝうつつににに賜たま賜たまたまはらはらわられれれたりたりたりけるけるける、、、銀しろがね銀しろがねしろがねののの蛭ひる蛭ひるひる卷まき卷まきまきしたるしたるしたる小こ小ここ長なぎ長なぎなぎ刀なた刀なたなた、、、常つね常つねつねののの枕まくら枕まくらまくらををを放はな放はなはなたたたずずず立た立たたてててられられられたりたりたりしししががが、、、あるあるある夜よ夜よよ俄にはか俄にはかにはかににに失う失ううせせせにににけるけるけるこそこそこそ不ふ不ふふ思し思しし議ぎ議ぎぎなれなれなれ。。。平へい平へいへい家け家けけ日ひ日ひひ頃ごろ頃ごろごろははは朝てう朝てうちょう家か家かかののの御おん御おんおん固かた固かたかためめめにににててて、、、天てん天てんてん下か下かかををを守しゆ守しゆしゅ護ご護ごごせせせしししかかかどもどもども、、、今いま今いまいまははは敕ちよく敕ちよくちょく命めい命めいめいにににももも背そむ背そむそむきききぬれぬれぬればばば、、、節せつ節せつせつ刀と刀ととをををももも召め召めめししし返かへ返かへかえさささるゝるゝるるにににややや、、、心こころ心こころこころ細ぼそ細ぼそぼそくくくぞぞぞ聞きこ聞きこきこえええししし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

平家が都を福原へ遷してからは、夢見も悪く、いつも胸騒ぎばかりして、怪しいものが多く現れた。ある夜、入道が寝ておられた所に、一間いっぱいになるほどの大きな顔が出てきてのぞき申した。入道は少しも騒がず、はったと睨みつけておられたので、そのまま消え失せた。岡の御所は新しく造られたので大木などもなかったのに、ある夜、大木の倒れる音がして、人ならば二、三千人もの声で、空にどっと笑う声がした。どう考えてもこれは天狗のしわざだということで、昼は五十人、夜は百人の番衆をそろえ、蟇目の番と名づけて蟇目の矢を射させたところ、天狗のいる方へ向かって射たと思われるときは音もしない。またいない方へ向かって射たときは、どっと笑いなどした。

またある朝、入道相国が寝所から出て妻戸を押し開き、中庭をご覧になると、死人のされこうべが数えきれないほど中庭に満ちあふれて、上のものは下になり、下のものは上になり、中のものは端へ転がり出て、端のものは中へ転がり込み、転がり合い、転がりのき、からからと音を立てていた。入道相国が「誰かいるか、誰かいるか」とお呼びになったが、あいにく誰も参らない。こうして多くの髑髏が一つに固まり合って、中庭いっぱいになるほどになり、高さは十四、五丈もあろうかと思われる山のようになった。その一つの大きな頭に、生きた人の眼のような大きな眼が千も万も現れて、入道相国をきっと睨み、しばらくはまばたきもしない。入道は少しも騒がず、ちょうと睨み返して立っておられたので、露や霜が日に当たって消えるように、跡形もなく消えてしまった。

また入道相国が一の御厩に立てて、舎人を大勢つけて朝夕撫でて飼っておられた馬の尾に、一夜のうちに鼠が巣を作って子を産んだ。これはただごとではない、占いをすべきだということで、神祇官で占いが行われた。重い慎みがあると占い申した。この馬は相模国の住人大庭三郎景親が、東国八か国一の馬だといって入道大相国に献上したものだとか。黒い馬で額が少し白かったので、名を望月といった。陰陽頭安倍泰親がこれを賜った。昔、天智天皇の御代に馬寮の御馬の尾に一夜のうちに鼠が巣を作り子を産んだときには、異国の凶賊が蜂起したと日本書紀に見える。

また、源中納言雅頼卿のもとに召し使われていた青侍が見た夢も恐ろしいものであった。大内裏の神祇官と思われる所に、束帯を正した高貴な方々が大勢集まって会議のようなことをしていたが、末座にいる高貴な方で、平家の味方をなさると思われる方を、その中から追い立てた。はるか上座に気高げな老人がおいでになって、「近ごろ平家に預けている節刀を召し返して、伊豆国の流人前右兵衛佐頼朝に与えよう」とおっしゃると、そのそばにまた老人がおられて、「その後はわが孫にもお与えください」とおっしゃった。青侍は夢の中で、ある老翁にこのことを次々と尋ね申した。「末座にいる、平家の味方をなさると思われた方は厳島の大明神、節刀を頼朝に与えようとおっしゃったのは八幡大菩薩、その後わが孫にも与えよとおっしゃったのは春日の大明神、こう申す翁は武内の明神である」とお答えになるという夢を見て、目覚めた後で人にこれを語っているうちに、入道相国が漏れ聞かれて、雅頼卿のもとへ使者を立てて、「そちらに夢を見た青侍がいるそうだが、いただいて詳しく尋ねたい」とおっしゃって遣わされたので、その夢を見た青侍は、まずいことになると思ったのであろうか、すぐに姿をくらましてしまった。その後、雅頼卿が入道相国の邸に行って、「まったくそのようなことはございません」と弁明されたので、その後は沙汰もなかった。

さらに何より不思議であったことは、清盛がまだ安芸守であったとき、厳島参詣の折に霊夢を受けて、厳島大明神から現実に賜った銀の蛭巻をした小長刀を、いつも枕元から離さず立てておられたのが、ある夜突然なくなってしまったことである。平家はふだんは朝廷の守りとして天下を守護していたが、今は勅命にも背いたので、節刀も召し返されるのであろうかと、心細く聞こえた。

意訳

福原遷都の後、清盛の周りに次々と現れる怪異を描く章段である。巨大な顔や、庭を埋め尽くして一つの大頭となる髑髏の群れにも、清盛はまったく動じずに睨み返して退ける。剛胆な清盛の姿が際立つ一方で、これらの怪異は平家の運命の傾きを暗示している。

後半の青侍の夢では、神々の会議で厳島明神が退けられ、八幡大菩薩が平家に預けた節刀を頼朝に与えると宣言する。さらに春日明神が「その後はわが孫に」と言うのは、源氏の後に藤原氏(摂関家)が政権を得ることを予言したものとされる。厳島明神から賜った小長刀が失われたことと合わせて、神仏の加護が平家を離れたことを示している。

語釈・文法注

文法

「蟇目」
鏑矢の一種で、音を立てて邪気を払う。
「しやれ頭」
されこうべ、髑髏。
「からめきあへり」
からからと音を立て合っていた。
「節刀」
天皇が出征する将軍に、統帥の権の印として授ける刀。
「武内の明神」
武内宿禰を神として祀ったもの。

解説

清盛が庭に満ちた髑髏を睨み返す場面は名高く、のちに歌川国芳の浮世絵などにも描かれた。大庭景親は相模国の豪族で、この後、頼朝が挙兵すると平家方として石橋山で頼朝を破る(「大庭が早馬の事」)。

関連

出典

底本
『校註日本文学大系』第14巻(平家物語) 国民図書、大正14年(1925)、472–475頁(コマ265–266)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日