古典ライブラリー

平家物語 巻第四

鵺の事

源頼政は摂津守頼光の五代の子孫で、恩賞に恵まれず、和歌によって昇殿と三位を得た。仁平のころ、近衛天皇が夜ごとに怯えたとき、頼政は宮中の警固を命じられ、東三条の森から来る黒雲の中の怪物を射落とした。その姿は頭が猿、胴が狸、尾が蛇、手足が虎で、鳴く声は鵺に似ていた。応保のころにも二条天皇のために闇夜の鵺を射落とし、和歌の才もたたえられた。

  1. 1そも〳〵そも〳〵そもそもこのこのこの源げん源げんげん三ざん三ざんざん位み位みみ入にふ入にふにゅう道だう道だうどう賴より賴よりより政まさ政まさまさははは、、、攝つ攝つつ津の津ののののの守かみ守かみかみ賴らい賴らいらい光くわう光くわうこうににに五ご五ごご代だい代だいだい、、、三み三みみ河かは河かはかわののの守かみ守かみかみ賴より賴よりより綱つな綱つなつなががが孫まご孫まごまご、、、兵ひやう兵ひやうひょう庫ご庫ごごののの頭かみ頭かみかみ仲なか仲なかなか政まさ政まさまさががが子こ子ここなりなりなりけりけりけり。。。保ほう保ほうほう元げん元げんげんののの合かつ合かつかっ戰せん戰せんせんののの時とき時ときときももも、、、御み御みみ方かた方かたかたにににててて先さき先さきさきをををかけかけかけたりたりたりしかしかしかどもどもども、、、させるさせるさせる賞しやう賞しやうしょうにににももも預あづか預あづかあずからららずずず、、、またまたまた平へい平へいへい治ぢ治ぢじののの逆げき逆げきげき亂らん亂らんらんにににももも、、、既すで既すですでににに親しん親しんしん類るゐ類るゐるいををを棄す棄すすてててててて參さん參さんさんじじじたりたりたりしかしかしかどもどもども、、、恩おん恩おんおん賞しやう賞しやうしょうこれこれこれ疎おろそ疎おろそおろそかかかなりなりなりききき。。。大だい大だいだい内だい内だいだい守しゆ守しゆしゅ護ご護ごごにににててて年とし年としとし久ひさ久ひさひさしうしうしゅうありありありしかしかしかどもどもども、、、昇しよう昇しようしょう殿でん殿でんでんをををばばば許ゆる許ゆるゆるささされれれずずず。。。年とし年としとしたけたけたけ齡よはひ齡よはひよわいかたぶいかたぶいかたぶいててて後のち後のちのち、、、述じゆつ述じゆつじゅっ懷くわい懷くわいかいののの和わ和わわ歌か歌かか一いつ一いついっ首しゆ首しゆしゅ詠よ詠よよみみみてててこそこそこそ、、、昇しよう昇しようしょう殿でん殿でんでんをををばばばしししたりたりたりけれけれけれ。。。
  2. 2人ひと人ひとひと知し知ししれれれぬぬぬ大おほ大おほおお内うち内うちうち山やま山やまやまののの山やま山やまやま守もり守もりもりははは木こ木ここがくれがくれがくれてててのみのみのみ月つき月つきつきををを見み見みみるるるかなかなかな
  3. 3これこれこれににに依よ依よよつつっててて昇しよう昇しようしょう殿でん殿でんでんををを許ゆる許ゆるゆるささされれれ、、、正じやう正じやうじょう下げ下げげののの四し四しし位ゐ位ゐいにににててて暫しばら暫しばらしばらくくくありありありしししががが、、、なほなほなお三さん三さんさん位み位みみををを心こころ心こころこころにににかけかけかけつゝつゝつつ、、、
  4. 4昇のぼ昇のぼのぼるるるべきべきべきたよりたよりたよりなきなきなき身み身みみははは木こ木ここののの下もと下もともとにににしひしひしいををを拾ひろ拾ひろひろひひいててて世よ世よよをををわたるわたるわたるかなかなかな
  5. 5さてさてさてこそこそこそ三さん三さんさん位み位みみはははしししたりたりたりけれけれけれ。。。やがてやがてやがて出しゆつ出しゆつしゅっ家け家けけしてしてして源げん源げんげん三ざん三ざんざん位み位みみ入にふ入にふにゅう道だう道だうどう賴より賴よりより政まさ政まさまさとてとてとて、、、今こ今ここ年とし年としとしははは七しち七しちしち十じふ十じふじゅう五ご五ごごにににぞぞぞならならなられれれけるけるける。。。このこのこの人ひと人ひとひと一いち一いちいち期ご期ごごののの高かう高かうこう名みやう名みやうみょうとととおぼしきおぼしきおぼしき事こと事ことことははは多おほ多おほおおきききががが中なか中なかなかにににももも、、、ことことことにににははは仁にん仁にんにん平ぺい平ぺいぺいのののころほひころほひころおい、、、近この近このこの衞ゑ衞ゑえののの院ゐん院ゐんいん御ご御ごご在ざい在ざいざい位ゐ位ゐいののの御おん御おんおん時とき時ときとき、、、夜よ夜よよな〳〵な〳〵なよなおびえおびえおびえさせさせさせ給たま給たまたまふふう事こと事ことことありありありけりけりけり。。。有う有うう驗げん驗げんげんののの高かう高かうこう僧そう僧そうそう、、、貴き貴きき僧そう僧そうそうににに仰おほ仰おほおおせせせててて、、、大だい大だいだい法ほふ法ほふほう祕ひ祕ひひ法ほふ法ほふほうををを修しゆ修しゆしゅせせせられられられけれけれけれどもどもどもそのそのその驗しるし驗しるししるしなしなしなし。。。御ご御ごご惱なう惱なうのうははは丑うし丑うしうしののの刻こく刻こくこくばかりばかりばかりののの事こと事ことことなるなるなるににに、、、東ひがし東ひがしひがし三さん三さんさん條でう條でうじょうののの森もり森もりもりののの方かた方かたかたよりよりより黑くろ黑くろくろ雲くも雲くもくも一ひと一ひとひと叢むら叢むらむら立た立たたちちち來きた來きたきたつつっててて御ご御ごご殿てん殿てんてんののの上うへ上うへうえににに蔽おほ蔽おほおおへへえばばば、、、必かなら必かならかならずずずおびえおびえおびえさせさせさせ給たま給たまたまひひいけりけりけり。。。これこれこれににに依よ依よよつつっててて公く公くく卿ぎやう卿ぎやうぎょう僉せん僉せんせん議ぎ議ぎぎありありありけりけりけり。。。
  6. 6去さ去ささんんんぬるぬるぬる寛くわん寛くわんかん治ぢ治ぢじのののころほひころほひころおい、、、堀ほり堀ほりほり河かは河かはかわののの院ゐん院ゐんいん御ご御ごご在ざい在ざいざい位ゐ位ゐいののの御おん御おんおん時とき時ときとき、、、主しゆ主しゆしゅ上しやう上しやうしょうしかしかしかののの如ごと如ごとごとくくくおびえおびえおびえたまぎらたまぎらたまぎらせせせ給たま給たまたまひひいけりけりけり。。。そのそのその時とき時ときときののの將しやう將しやうしょう軍ぐん軍ぐんぐん義よし義よしよし家いへ家いへいえ朝あ朝ああ臣そん臣そんそん、、、南なん南なんなん殿でん殿でんでんののの大おほ大おほおお床ゆか床ゆかゆかににに候さぶら候さぶらさぶらははわれれれけるけるけるががが、、、御ご御ごご惱なう惱なうのうののの刻こく刻こくこく限げん限げんげんににに及およ及およおよんんんででで鳴めい鳴めいめい弦げん弦げんげんするするする事こと事ことこと三さん三さんさん度ど度どどののの後のち後のちのち、、、高かう高かうこう聲じやう聲じやうじょうににに前さき前さきさきののの陸む陸むむ奧つ奧つつののの國くに國くにくにののの守かみ守かみかみ源みなもと源みなもとみなもとののの義よし義よしよし家いへ家いへいえととと名な名なな乘の乘ののりりりたりたりたりけれけれければばば、、、聞き聞ききくくく人ひと人ひとひと身み身みみののの毛け毛けけよだつよだつよだっててて、、、御ご御ごご惱なう惱なうのう必かなら必かならかならずずず怠おこた怠おこたおこたらららせせせ給たま給たまたまひひいけりけりけり。。。然しか然しかしかれれればばばすなはちすなはちすなわち先せん先せんせん例れい例れいれいにににまかせまかせまかせててて、、、武ぶ武ぶぶ士し士ししににに仰おほ仰おほおおせせせててて警けい警けいけい固ご固ごごあるあるあるべしべしべしとてとてとて、、、源げん源げんげん平ぺい平ぺいぺい兩りやう兩りやうりょう家け家けけののの兵つはもの兵つはものつわものののの中なか中なかなかををを選えら選えらえらままませせせられられられけるけるけるににに、、、このこのこの賴より賴よりより政まさ政まさまさをををぞぞぞ選えら選えらえらびびび出いだ出いだいだささされれれたりたりたりけるけるける。。。そのそのその時とき時ときときははは未いま未いまいまだだだ兵ひやう兵ひやうひょう庫ご庫ごごののの頭かみ頭かみかみにににててて候さぶら候さぶらさぶらははわれれれけるけるけるががが、、、申まう申まうもうささされれれけるけるけるははは、、、「「「昔むかし昔むかしむかしよりよりより朝てう朝てうちょう家か家かかににに武ぶ武ぶぶ士し士ししををを置お置おおかかかるゝるゝるる事こと事ことことははは、、、逆ぎやく逆ぎやくぎゃく叛ほん叛ほんほんののの者もの者ものものををを退しりぞ退しりぞしりぞけけけ、、、違ゐ違ゐい敕ちよく敕ちよくちょくのののともがらともがらともがらををを亡ほろ亡ほろほろぼさぼさぼさんんんががが爲ため爲ためためなりなりなり。。。目め目めめにににももも見み見みみえええぬぬぬ變へん變へんへん化げ化げげのののものものもの仕つかまつ仕つかまつつかまつれれれととと仰おほ仰おほおおせせせ下くだ下くだくださささるゝるゝるる事こと事ことこと、、、未いま未いまいまだだだ承うけたまは承うけたまはうけたまわりりり及およ及およおよばばばずずず。。。」」」ととと申まう申まうもうしししながらながらながら、、、敕ちよく敕ちよくちょく宣せん宣せんせんなれなれなればばば、、、召め召めめしししににに應おう應おうおうじじじててて參さん參さんさん内だい内だいだいすすす。。。
  7. 7賴より賴よりより政まさ政まさまさ賴たの賴たのたのみみみきつきつきったるたるたる郎らう郎らうろう等どう等どうどう、、、遠江とほたふみ遠江とほたふみとおとうみののの國くに國くにくにののの住ぢゆう住ぢゆうじゅう人にん人にんにん猪ゐ猪ゐいののの早はや早はやはや太た太たたににに、、、母ほ母ほほ衣ろ衣ろろののの風かざ風かざかざ切きり切きりきりはいはいはいだりだりだりけるけるける矢や矢やや負お負おおははわせせせててて、、、たゞたゞただ一ひと一ひとひと人り人りりぞぞぞ具ぐ具ぐぐしししたりたりたりけるけるける。。。わがわがわが身み身みみははは二ふた二ふたふた重へ重へへののの狩かり狩かりかり衣ぎぬ衣ぎぬぎぬににに、、、山やま山やまやま鳥どり鳥どりどりののの尾を尾ををををを以もつ以もつもってててはいはいはいだりだりだりけるけるける鋒とがり鋒とがりとがり矢や矢やや二ふた二ふたふた筋すぢ筋すぢすじ、、、滋しげ滋しげしげ籐どう籐どうどうののの弓ゆみ弓ゆみゆみににに取とり取とりとり添そ添そそへへえててて、、、南なん南なんなん殿でん殿でんでんののの大おほ大おほおお床ゆか床ゆかゆかににに伺し伺しし候こう候こうこうすすす。。。賴より賴よりより政まさ政まさまさ矢や矢やや二ふた二ふたふたつつつ手た手たた挾ばさ挾ばさばさみみみけるけるけることことことははは、、、雅が雅がが賴らい賴らいらいののの卿きやう卿きやうきょう、、、其そ其そそののの時とき時ときときははは未いま未いまいまだだだ左さ左ささ少せう少せうしょう辨べん辨べんべんにににててておはしおはしおわしけるけるけるががが、、、變へん變へんへん化げ化げげののの者もの者ものもの仕つかまつ仕つかまつつかまつらららんんんずるずるずる仁じん仁じんじんははは賴より賴よりより政まさ政まさまさぞぞぞ候さふらふ候さふらふそうろうらんらんらんととと、、、選えら選えらえらみみみ申まう申まうもうささされれれたるたるたる閒あひだ閒あひだあいだ、、、一いち一いちいちののの矢や矢ややにににててて、、、變へん變へんへん化げ化げげののの者もの者ものもの射い射いい損そん損そんそんずるずるずる程ほど程ほどほどならならならばばば、、、二に二ににののの矢や矢ややにににははは雅が雅がが賴らい賴らいらいののの辨べん辨べんべんのののしやしやしや頸くび頸くびくびののの骨ほね骨ほねほねををを射い射いいんんんとととなりなりなり。。。
  8. 8案あん案あんあんののの如ごと如ごとごとくくく、、、日ひ日ひひ頃ごろ頃ごろごろ人ひと人ひとひとののの申まう申まうもうすすすににに違たが違たがたがははわずずず、、、御ご御ごご惱なう惱なうのうののの刻こく刻こくこく限げん限げんげんににに及およ及およおよんんんででで東ひがし東ひがしひがし三さん三さんさん條でう條でうじょうののの森もり森もりもりののの方かた方かたかたよりよりより、、、黑くろ黑くろくろ雲くも雲くもくも一ひと一ひとひと叢むら叢むらむら立たち立たちたち來きた來きたきたつつっててて、、、御ご御ごご殿てん殿てんてんののの上うへ上うへうえにににたなびいたなびいたなびいたりたりたり。。。賴より賴よりより政まさ政まさまさきつきつきっととと見み見みみ上あ上ああげげげたれたれたればばば、、、雲くも雲くもくもののの中なか中なかなかにににあやしきあやしきあやしき者もの者ものものののの姿すがた姿すがたすがたありありあり。。。射い射いい損そん損そんそんずるずるずるほどほどほどならならならばばば世よ世よよにににあるあるあるべしべしべしともともとも覺おぼ覺おぼおぼえええずずず。。。さりながらさりながらさりながら矢や矢やや取と取ととつつってててつがひつがひつがい、、、南な南なな無む無むむ八はち八はちはち幡まん幡まんまん大だい大だいだい菩ぼ菩ぼぼ薩さつ薩さつさつととと心こころ心こころこころののの中うち中うちうちににに祈き祈きき念ねん念ねんねんしてしてして、、、よつぴいよつぴいよっぴいててて、、、ひようひようひょうととと放はな放はなはなつつつ。。。手て手てて答ごた答ごたごたへへえしてしてしてはたはたはたととと中あた中あたあたるるる。。。得え得ええたりたりたりやややをうをうおうととと矢や矢やや叫さけ叫さけさけびびびをををこそこそこそしししてててんんんげれげれげれ。。。猪ゐ猪ゐいののの早はや早はやはや太た太たたつとつとつと寄よ寄よよりりり、、、落お落おおつるつるつる所ところ所ところところををを取と取ととつつっててて押おさ押おさおさへへえ、、、柄つか柄つかつかももも拳こぶし拳こぶしこぶしももも透とほ透とほとおれ〳〵れ〳〵れとおれととと、、、續つゞ續つゞつづけけけざまざまざまににに九こゝの九こゝのここの刀かたな刀かたなかたなぞぞぞ刺さ刺ささしししたりたりたりけるけるける。。。そのそのその時とき時ときとき上じやう上じやうじょう下げ下げげ、、、手て手ててんんん手で手ででににに火ひ火ひひをををとぼしとぼしとぼしててて、、、これこれこれををを御ご御ごご覽らん覽らんらんじじじ見み見みみ給たま給たまたまふふうににに、、、頭かしら頭かしらかしらははは猿さる猿さるさる、、、胴むくろ胴むくろむくろははは狸たぬき狸たぬきたぬき、、、尾を尾ををははは蛇へび蛇へびへび、、、手て手てて足あし足あしあしははは虎とら虎とらとらののの如ごと如ごとごとくくくにににしてしてして、、、鳴な鳴ななくくく聲こゑ聲こゑこえ鵺ぬえ鵺ぬえぬえにににぞぞぞ似に似ににたりたりたりけるけるける。。。おそろしおそろしおそろしなどなどなどもももおろかおろかおろかなりなりなり。。。
  9. 9主しゆ主しゆしゅ上しやう上しやうしょう御ぎよ御ぎよぎょ感かん感かんかんのののあまりあまりあまりににに獅し獅しし子し子しし王わう王わうおうととと申まう申まうもうすすす御ぎよ御ぎよぎょ劍けん劍けんけんををを下くだ下くだくださささるるる。。。宇う宇うう治ぢ治ぢじののの左さ左ささ大だい大だいだい臣じん臣じんじん殿どの殿どのどのこれこれこれををを賜たま賜たまたまはりはりわりついついついででで、、、賴より賴よりより政まさ政まさまさにににたばたばたばんんんとてとてとて、、、御ご御ごご前ぜん前ぜんぜんののの階きざはし階きざはしきざはしををを半なか半なかなかばばばばかりばかりばかり下お下おおりりりさせさせさせ給たま給たまたまふふう折をり折をりおりしもしもしも、、、頃ころ頃ころころははは卯う卯うう月づき月づきづき十とを十とをとお日か日かかあまりあまりあまりののの事こと事ことことなれなれなればばば、、、雲くも雲くもくも井ゐ井ゐいににに郭公ほとゝぎす郭公ほとゝぎすほととぎす二ふた二ふたふた聲こゑ聲こゑこえ三み三みみ聲こゑ聲こゑこえおとづれおとづれおとずれててて通とほ通とほとおりりりけれけれければばば、、、左さ左ささ大だい大だいだい臣じん臣じんじん殿どの殿どのどの、、、
  10. 10ほとゝぎすほとゝぎすほととぎす名な名ななをををももも雲くも雲くもくも居ゐ居ゐいにににあぐるあぐるあぐるかなかなかな
  11. 11ととと仰おほ仰おほおおせせせられられられかけかけかけたりたりたりけれけれければばば、、、賴より賴よりより政まさ政まさまさ右みぎ右みぎみぎののの膝ひざ膝ひざひざをををつきつきつき、、、左ひだり左ひだりひだりののの袖そで袖そでそでをををひろげひろげひろげててて、、、月つき月つきつきををを少すこ少すこすこしししそばそばそば目め目めめにににかけかけかけつゝつゝつつ、、、
  12. 12弓ゆみ弓ゆみゆみ張はり張はりはり月づき月づきづきのののいるいるいるにににまかせまかせまかせててて
  13. 13ととと仕つかまつ仕つかまつつかまつりりり、、、御ぎよ御ぎよぎょ劒けん劒けんけんををを賜たま賜たまたまはりはりわりててて罷まか罷まかまかりりり出い出いいづづず。。。このこのこの賴より賴よりより政まさ政まさまさののの卿きやう卿きやうきょうははは武ぶ武ぶぶ藝げい藝げいげいにににももも限かぎ限かぎかぎらららずずず、、、歌か歌かか道だう道だうどうにににもももまたまたまたすぐれすぐれすぐれたりたりたりとととぞぞぞ、、、時とき時ときときののの人ひと人ひとひと々びと々びとびと感かん感かんかんじじじあはれあはれあわれけるけるける。。。さてさてさてかのかのかの變へん變へんへん化げ化げげのののものものものをををばばば、、、うつほうつほうつお船ぶね船ぶねぶねににに入い入いいれれれててて流なが流ながながささされれれけるけるけるとととぞぞぞ聞きこ聞きこきこえええししし。。。
  14. 14またまたまた應おう應おうおう保ほう保ほうほうのののころほひころほひころおい、、、二に二にに條でう條でうじょうののの院ゐん院ゐんいん御ご御ごご在ざい在ざいざい位ゐ位ゐいののの御おん御おんおん時とき時ときとき、、、鵺ぬえ鵺ぬえぬえととといふいふいう化け化けけ鳥てう鳥てうちょう禁きん禁きんきん中ちゆう中ちゆうちゅうににに鳴な鳴なないいいててて、、、しば〳〵しば〳〵しばしば宸しん宸しんしん襟きん襟きんきんををを惱なや惱なやなやましましまし奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる事こと事ことことありありありけりけりけり。。。然しか然しかしかれれればばば先せん先せんせん例れい例れいれいにににまかせまかせまかせててて、、、賴より賴よりより政まさ政まさまさをををぞぞぞ召め召めめささされれれけるけるける。。。頃ころ頃ころころははは五さ五ささ月つき月つきつき二は二はは十つ十つつ日か日かかあまりあまりあまり、、、まだまだまだ宵よひ宵よひよいののの事こと事ことことなるなるなるににに、、、鵺ぬえ鵺ぬえぬえ唯たゞ唯たゞただ一ひと一ひとひと聲こゑ聲こゑこえおとづれおとづれおとずれててて、、、二ふた二ふたふた聲こゑ聲こゑこえともともとも鳴な鳴ななかかかざりざりざりけりけりけり。。。目め目めめざすざすざすともともとも知し知ししらららぬぬぬ闇やみ闇やみやみ夜よ夜よよででではははありありあり、、、姿すがた姿すがたすがた形かたち形かたちかたちももも見み見みみえええざりざりざりけれけれければばば、、、矢や矢ややつぼつぼつぼをををいづくいづくいずくともともとも定さだ定さださだめめめ難がた難がたがたししし。。。賴より賴よりより政まさ政まさまさががが謀はかりごと謀はかりごとはかりごとににに、、、まづまづまず大おほ大おほおお鏑かぶら鏑かぶらかぶら取と取ととつつっててて番つが番つがつがひひい、、、鵺ぬえ鵺ぬえぬえののの聲こゑ聲こゑこえしししたりたりたりけるけるける内だい内だいだい裏り裏りりののの上うへ上うへうえへへへぞぞぞ射い射いい上あ上ああげげげたるたるたる。。。鵺ぬえ鵺ぬえぬえ、、、鏑かぶら鏑かぶらかぶらののの音おと音おとおとににに驚おどろ驚おどろおどろいいいててて、、、虛こ虛ここ空くう空くうくうににに暫しば暫しばしばしししぞぞぞひらめいひらめいひらめいたるたるたる。。。次つぎ次つぎつぎににに小こ小ここ鏑かぶら鏑かぶらかぶら取と取ととつつっててて番つが番つがつがひひい、、、ひいふつひいふつひいふっととと射い射いい切き切ききつつっててて、、、鵺ぬえ鵺ぬえぬえととと竝なら竝ならならべべべててて前まへ前まへまえにににぞぞぞ落おと落おとおとしししたるたるたる。。。禁きん禁きんきん中ちゆう中ちゆうちゅうさゞめきさゞめきさざめきわたつわたつわたっててて、、、賴より賴よりより政まさ政まさまさににに御ぎよ御ぎよぎょ衣い衣いいをををかづけかづけかずけさせさせさせおはしますおはしますおわします。。。今こん今こんこん度ど度どどははは大おほ大おほおお炊ひ炊ひひののの御み御みみ門かど門かどかどののの右う右うう大だい大だいだい臣じん臣じんじん公きん公きんきん能よし能よしよし公こう公こうこうののの賜たま賜たまたまはりはりわりついついついででで、、、賴より賴よりより政まさ政まさまさにににかづけかづけかずけさせさせさせ給たま給たまたまふふうとてとてとて、、、「「「昔むかし昔むかしむかしののの養やう養やうよう由いう由いうゆうははは雲くも雲くもくもののの外そと外そとそとののの鴈かり鴈かりかりををを射い射いいききき。。。今いま今いまいまののの賴より賴よりより政まさ政まさまさははは雨あめ雨あめあめののの中なか中なかなかののの鵺ぬえ鵺ぬえぬえををを射い射いいたりたりたり。。。」」」とととぞぞぞ感かん感かんかんぜぜぜられられられけるけるける。。。
  15. 15五さ五ささ月つき月つきつきやみやみやみ名な名ななをををあらはせあらはせあらわせるるるこよひこよひこよいかなかなかな
  16. 16ととと仰おほ仰おほおおせせせられられられかけかけかけたりたりたりけれけれければばば、、、賴より賴よりより政まさ政まさまさ、、、
  17. 17たそがれたそがれたそがれ時どき時どきどきももも過す過すすぎぎぎぬぬぬととと思おも思おもおもふふうににに
  18. 18ととと仕つかまつ仕つかまつつかまつりりり、、、御ぎよ御ぎよぎょ衣い衣いいををを肩かた肩かたかたにににかけかけかけてててまかりまかりまかり出い出いいづづず。。。そのそのその後のち後のちのち伊い伊いい豆づ豆づずののの國くに國くにくに賜たま賜たまたまはりはりわり、、、子し子しし息そく息そくそく仲なか仲なかなか綱つな綱つなつな受じゆ受じゆじゅ領りやう領りやうりょうににになしなしなし、、、わがわがわが身み身みみ三さん三さんさん位み位みみしてしてして、、、丹たん丹たんたん波ば波ばばののの五ご五ごご箇か箇かかののの莊しやう莊しやうしょう、、、若わか若わかわか狹さ狹ささののの東とう東とうとう宮みや宮みやみや川がは川がはがわををを知ち知ちち行ぎやう行ぎやうぎょうしてしてして、、、さてさてさておはすおはすおわすべかりべかりべかりししし人ひと人ひとひとののの、、、よしなきよしなきよしなき謀む謀むむ叛ほん叛ほんほんおこいおこいおこいててて、、、宮みや宮みやみやをををももも失うしな失うしなうしなひひい參まゐ參まゐまいらせらせらせ、、、わがわがわが身み身みみももも子し子しし孫そん孫そんそんももも亡ほろ亡ほろほろびびびぬるぬるぬるこそこそこそうたてけれうたてけれうたてけれ。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

そもそもこの源三位入道頼政は、摂津守頼光から五代目、三河守頼綱の孫、兵庫頭仲政の子である。保元の合戦のときも味方として先陣を駆けたが、たいした恩賞にも預からず、また平治の乱でも親類を捨てて参じたが、恩賞は乏しかった。大内守護として長年勤めたが、昇殿は許されなかった。年をとり老いてから、述懐の和歌を一首詠んでこそ昇殿したのである。

人に知られない大内山の山守(大内守護の私)は、木陰に隠れてばかりで月(帝)を見ていることよ。

これによって昇殿を許され、正四位下でしばらくいたが、なお三位を望みつつ、

昇るべき手立てもない身は、木の下で椎(四位)の実を拾って世を渡っていることよ。

それでこそ三位になったのである。やがて出家して源三位入道頼政といい、今年は七十五歳になっておられた。この人の一生の手柄と思われることは多い中でも、とりわけ仁平のころ、近衛院のご在位の御時、帝が夜な夜な怯えられることがあった。霊験のある高僧・貴僧に命じて大法・秘法を修させたが、その効き目はない。ご病気は丑の刻ごろのことであったが、東三条の森の方から黒雲が一むら立ち上ってきて御殿の上を覆うと、必ず怯えられた。そこで公卿たちが評議した。

去る寛治のころ、堀河院のご在位の御時、主上が同じように怯えて気を失われたことがあった。そのときの将軍義家朝臣が南殿の縁にお控えしていたが、ご病気の時刻になると弓の弦を三度鳴らした後、大声で「前陸奥守源義家」と名のったので、聞く人は身の毛がよだって、ご病気は必ず治まった。そこで先例にならって武士に命じて警固させるべきだとして、源平両家の兵の中から選ばせたところ、この頼政が選び出された。そのときはまだ兵庫頭であったが、申されるには、「昔から朝廷に武士を置かれるのは、謀叛の者を退け、勅命に背く者を滅ぼすためです。目にも見えない変化のものを退治せよと命じられることは、まだ聞いたことがありません」と申しながらも、勅命なので召しに応じて参内した。

頼政は頼みとする郎等、遠江国の住人猪早太に、母衣の風切羽で作った矢を負わせて、ただ一人を連れていた。自身は二重の狩衣に、山鳥の尾で作った鏃の鋭い矢を二筋、滋籐の弓に添えて持ち、南殿の縁に控えた。頼政が矢を二本手挟んだのは、雅頼卿がそのときまだ左少弁であったが、変化の者を退治するのは頼政がよいでしょうと推薦したので、一の矢で変化の者を射損じたら、二の矢では雅頼弁の首の骨を射ようというのであった。

案の定、日ごろ人の言っていたとおり、ご病気の時刻になると東三条の森の方から黒雲が一むら立ち上ってきて、御殿の上にたなびいた。頼政がきっと見上げると、雲の中に怪しい者の姿がある。射損じたら生きてはいられまいと思った。けれども矢を取ってつがえ、南無八幡大菩薩と心の中で祈念して、十分に引き絞ってひょうと放った。手応えがしてはたと当たった。「得たりや、おう」と矢叫びをあげた。猪早太がさっと駆け寄って、落ちるところを取り押さえ、柄も拳も通れ通れと、続けざまに九刀刺した。そのとき上下の者が手に手に火をともしてご覧になると、頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎のようで、鳴く声は鵺に似ていた。恐ろしいなどという言葉では言い尽くせない。

主上はたいへんお喜びになって、獅子王という御剣をお与えになった。宇治の左大臣殿(頼長)がこれを受け取って頼政に与えようと、御前の階段を半ばほど下りられたちょうどそのとき、ころは卯月十日過ぎのことなので、雲の上でほととぎすが二声三声鳴いて通ったので、左大臣殿が、

ほととぎすが雲の上で名を名のるように、そなたも宮中に名をあげたことよ。

と上の句を詠みかけられると、頼政は右の膝をつき、左の袖を広げて、月を少し横目に見ながら、

弓張月が沈む(射る)のに任せたまでのことです。

と下の句を付けて、御剣をいただいて退出した。この頼政卿は武芸だけでなく、歌の道にも優れていると、当時の人々は感心し合った。さて、あの変化のものは、うつほ舟(くり抜いた丸木舟)に入れて流したと聞こえた。

また応保のころ、二条院のご在位の御時、鵺という怪鳥が宮中で鳴いて、たびたび帝のお心を悩まし申すことがあった。そこで先例にならって頼政が召された。ころは五月二十日過ぎ、まだ宵のうちのことであったが、鵺がただ一声鳴いて、二声とは鳴かなかった。目ざす所もわからない闇夜で、姿形も見えなかったので、狙いをどこにも定めがたい。頼政は計略として、まず大きな鏑矢を取ってつがえ、鵺の声がした内裏の上へ射上げた。鵺は鏑の音に驚いて、空にしばらく羽ばたいていた。次に小さな鏑矢を取ってつがえ、ひいふっと射切って、鵺と矢を並べて前に落とした。宮中はざわめきわたって、頼政に御衣を与えられた。今度は大炊御門右大臣公能公がこれを受け取って頼政にかけようとして、「昔の養由は雲の外の雁を射た。今の頼政は雨の中の鵺を射た」と感心された。

五月闇の中で名をあらわした今宵であることよ。

と上の句を詠みかけられると、頼政は、

たそがれ時も過ぎたと思っておりましたのに。

と下の句を付けて、御衣を肩にかけて退出した。その後、伊豆国を賜り、子息の仲綱を国守にし、自身は三位となり、丹波の五箇荘、若狭の東宮河を知行して、そのまま安泰でいられたはずの人が、つまらない謀叛を起こして、宮をも死なせ申し、自身も子孫も滅んでしまったのは情けないことである。

意訳

宇治で自害した頼政の生涯を振り返る章段である。頼政は武功に比べて恩賞に恵まれず、和歌によって昇殿と三位をかちとった歌人でもあった。物語はその一生の手柄として、近衛天皇を悩ませた怪物(鵺)退治と、二条天皇の御代の闇夜の鵺射落としの二つを語る。

頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎という怪物の姿は、後世に「鵺」の名で知られるようになった。頼長や公能が上の句を詠みかけると、頼政は即座に下の句を付けて応じる。武勇と歌才を兼ね備えた頼政の姿が描かれる一方、結びでは「よしなき謀叛おこいて」と、その最期を惜しんでいる。

語釈・文法注

文法

「人知れぬ大内山の山守は」
「大内山」に宮中を、「山守」に大内守護の自分を、「月」に帝をたとえる。
「しひを拾ひて」
「椎」に「四位」を掛ける。四位にとどまっていることを嘆く。
「鳴弦」
弓の弦を鳴らして邪気を払う呪法。
「しや頸」
「素っ首」に同じ。首をののしっていう語。
「得たりやをう」
射当てたときなどにあげる掛け声。
「ほとゝぎす名をも雲居にあぐるかな」「弓張月のいるにまかせて」
頼長の上の句に頼政が下の句を付けた連歌。「いる」に「(月が)入る」と「射る」を掛ける。
「養由」
春秋時代の楚の弓の名人、養由基。
「五月やみ名をあらはせるこよひかな」「たそがれ時も過ぎぬと思ふに」
公能と頼政の連歌。「たそがれ」に「誰そ彼」を掛け、名を問う時刻も過ぎたのに、と謙遜して答える。

和歌

人知れぬ大内山の山守は木がくれてのみ月を見るかな

詠者
源頼政
状況
大内守護として長年勤めながら昇殿を許されないことを嘆いて詠んだ述懐の歌。この歌によって昇殿を許された。

修辞

比喩
大内山(宮中)の山守(守護の自分)が、木陰から月(帝)を仰ぎ見るばかりであると、殿上に昇れない身を嘆く。

昇るべきたよりなき身は木の下にしひを拾ひて世をわたるかな

詠者
源頼政
状況
正四位下にとどまり、三位を望んで詠んだ歌。これによって三位に叙された。

修辞

掛詞
「しひ」に木の実の「椎」と位階の「四位」を掛ける。

解説

源頼政(1104〜1180)は清和源氏の摂津源氏の流れで、歌人としても『頼政集』を残した。頼政の鵺退治は『平家物語』で名高い説話で、謡曲「鵺」の題材となった。治承二年(1178)、七十五歳で従三位に叙せられ、「源三位」と呼ばれた。

関連

出典

底本
『校註日本文学大系』第14巻(平家物語) 国民図書、大正14年(1925)、458–462頁(コマ258–260)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日