源氏物語 第51帖
浮舟(うきふね)
二条院で垣間見た浮舟を忘れられない匂宮は、正月に宇治から中の君に届いた手紙から、浮舟が薫に宇治へ隠されていると知る。匂宮は夜ひそかに宇治を訪れ、薫を装って浮舟の寝所に入り、二日を共に過ごす。浮舟は匂宮の情熱に心を奪われながらも、誠実な薫を裏切ったことに苦しむ。二月、雪の夜に再び訪れた匂宮は、浮舟を抱いて小舟で宇治川を渡り、対岸の家で二日を過ごす。「このうき船ぞゆくへ知られぬ」と詠む浮舟の心は、京に迎えようとする薫と、別の家に隠そうとする匂宮の間で揺れ動く。やがて薫は随身の報告から二人の関係を知り、宇治の警護を厳しくして匂宮を阻む。二人の男の板挟みになった浮舟は、宇治川に身を投げることを決意し、手紙を焼き、母への別れの歌を残して、その夜を迎える。
場面
- 場面1浮舟を忘れぬ匂宮
- 場面2薫の思案
- 場面3宇治からの正月の文
- 場面4卯槌の歌
- 場面5大内記の話
- 場面6宇治行きの相談
- 場面7宇治へ忍ぶ匂宮
- 場面8格子からのぞく匂宮
- 場面9匂宮が見た浮舟
- 場面10薫を装う匂宮
- 場面11帰らぬ匂宮
- 場面12右近の取り繕い
- 場面13物忌の一日
- 場面14絵と歌の契り
- 場面15匂宮の嘆き
- 場面16霜の朝の別れ
- 場面17中の君を責める匂宮
- 場面18薫の宇治訪問
- 場面19薫と匂宮のはざま
- 場面20宇治橋の歌
- 場面21宇治の橋姫の歌
- 場面22橘の小島
- 場面23このうき船
- 場面24中空の歌
- 場面25夢に見える匂宮
- 場面26揺れる浮舟の心
- 場面27長雨の文
- 場面28二人の迎えの日
- 場面29母の訪れ
- 場面30宇治川の水音
- 場面31母との別れ
- 場面32見咎められた文
- 場面33秘密を知る薫
- 場面34薫の思案
- 場面35末の松の歌
- 場面36右近の姉の話
- 場面37死を願う浮舟
- 場面38内舎人の警告
- 場面39文を焼く浮舟
- 場面40匂宮の迎えの約束
- 場面41拒まれる匂宮
- 場面42垣根の陰の匂宮
- 場面43死を決める浮舟
- 場面44鐘の音の歌