
人物事典 / や行
山部赤人
やまべのあかひと
生没年未詳(8世紀前半)
人物について
聖武天皇の時代に活躍した宮廷歌人。自然の美しさを清らかに描く叙景歌にすぐれ、柿本人麻呂と並んで「山柿」と称された。三十六歌仙の一人。
古典ライブラリーで読める歌:『百人一首』1首『万葉集』49首『新古今和歌集』7首
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『百人一首』の山部赤人
1首『万葉集』の山部赤人
49首万葉集・317〜318番天地の 分れし時ゆ天地の分れし時ゆ 神さびて高く貴き 駿河なる布士の高嶺を 天の原ふり放け見れば 渡る日の影も隱ろひ 照る月の光も見えず 白雲もい行き憚り 時じくぞ雪は降りける 語り繼ぎ言ひ繼ぎ行かむ不盡の高嶺は 田兒の浦ゆ うち出でて見れば 眞白にぞ 不盡の高嶺に 雪は零りける原文・訳・解説を読む 万葉集・322〜323番皇神祖の 神の命の皇神祖の神の命の 敷きます國のことごと 湯はしも多にあれども 島山の宜しき國と 凝しき伊予の高嶺の 伊佐庭の岡に立ちて 歌思ひ辭思はしし み湯の上の樹群を見れば 臣の木も生ひ繼ぎにけり 鳴く鳥の聲も變らず 遠き代に神さびゆかむ行幸處 百磯城の 大宮人の 飽田津に 船乘りしけむ 年の知らなく原文・訳・解説を読む 万葉集・324〜325番三諸の 神名備山に三諸の神名備山に 五百枝さし繁に生ひたる 樛の木のいやつぎつぎに 玉葛絕ゆることなく 在りつつも止まず通はむ 明日香の舊き京師は 山高み河とほじろし 春の日は山し見が欲し 秋の夜は河し清けし 朝雲に鶴は亂れ 夕霧に蝦はさわぐ 見る毎に哭のみし泣かゆいにしへ思へば 明日香河 川淀さらず 立つ霧の 思ひ過ぐべき 戀にあらなくに原文・訳・解説を読む 万葉集・357〜363番繩の浦ゆ繩の浦ゆ 背向に見ゆる 奧つ島 榜ぎ回む舟は 釣爲すらしも 武庫の浦を 榜ぎ回む小舟 粟島を 背向に見つつ ともしき小舟 阿倍の島 鵜の住む磯に 寄する浪 間なくこのごろ 大和し念ほゆ 潮干なば 玉藻苅り藏め 家の妹が 濱づと乞はば 何を示さむ 秋風の 寒き朝けを 佐農の岡 越ゆらむ君に 衣借さましを 鵙鳩ゐる 磯回に生ふる 名乘藻の 名は告らしてよ 親は知るとも 鵙鳩ゐる 荒磯に生ふる 名乘藻の 名のりは告らせ 親は知るとも原文・訳・解説を読む 万葉集・372〜373番春日を 春日の山の春日を春日の山の 高座の三笠の山に 朝さらず雲居たな引き 容鳥の間なく數鳴く 雲居なす心いさよひ 其の鳥の片戀のみに 晝はも日のことごと 夜はも夜のことごと 立ちて居て思ひぞ吾がする逢はぬ兒ゆゑに 高桉の 三笠の山に 鳴く鳥の 止めば繼がるる 戀哭するかも原文・訳・解説を読む 万葉集・378番昔者の 舊き堤は昔者の 舊き堤は 年深み 池の渚に 水草生ひにけり原文・訳・解説を読む 万葉集・384番吾が屋戸に吾が屋戸に 韓藍蒔き生し 枯れぬれど 懲りずて亦も 蒔かむとぞ思ふ原文・訳・解説を読む 万葉集・431〜433番古に 在りけむ人の古に在りけむ人の 倭文幡の帶解き交へて 廬屋立て妻問しけむ 葛飾の眞間の手兒名が 奧津城を此處とは聞けど 眞木の葉や茂りたるらむ 松が根や遠く久しき 言のみも名のみも吾は忘らえなくに 吾も見つ 人にも告げむ 葛飾の 眞間の手兒名が 奧津城處 葛飾の 眞間の入江に うち靡く 玉藻苅りけむ 手兒名し思ほゆ原文・訳・解説を読む 万葉集・917〜919番やすみしし わご大王の 常宮とやすみししわご大王の 常宮と仕へまつれる 雜賀野ゆ背向に見ゆる 奧つ島清き渚に 風吹けば白浪騷ぎ 潮干れば玉藻苅りつつ 神代より然ぞ尊き玉津島山 奧つ島 荒磯の玉藻 潮干滿ちて 隱ろひゆかば 思ほえむかも 若の浦に 潮滿ち來れば 潟を無み 葦邊をさして 鶴鳴き渡る原文・訳・解説を読む 万葉集・923〜927番やすみしし わご大王の 高知らすやすみししわご大王の 高知らす芳野の宮は 疊づく青墻隱り 河次の清き河內ぞ 春べは花咲き撓り 秋されば霧立ち渡る その山のいや益益に この河の絕ゆること無く 百磯城の大宮人は常に通はむ み吉野の 象山の際の 木末には 幾許も騷ぐ 鳥の聲かも ぬばたまの 夜の深けぬれば 久木生ふる 清き河原に 千鳥數鳴く やすみししわご大王は み芳野の蜻蛉の小野の 野の上には跡見居ゑ置きて み山には射部立て渡し 朝獵に鹿猪履み起し 夕狩に鳥蹋み立て 馬竝めて御獵ぞ立たす春の茂野に あしひきの 山にも野にも 御獵人 得物矢手挾 散動たり見ゆ原文・訳・解説を読む 万葉集・933〜934番天地の 遠きが如く天地の遠きが如く 日月の長きが如く 押照る難波の宮に わご大王國知らすらし 御饌つ國日の御調と 淡路の野島の海人の 海の底奧つ海中石に 鰒珠多に潛き出 船竝めて仕へまつるし貴し見れば 朝なぎに 楫の音聞ゆ 御饌つ國 野島の海人の 船にしあるらし原文・訳・解説を読む 万葉集・938〜941番やすみしし 吾が大王の 神ながらやすみしし吾が大王の 神ながら高知らせる 印南野の大海の原の 荒妙の藤井の浦に 鮪釣ると海人船散動り 鹽燒くと人ぞ多なる 浦をよみうべも釣はす 濱をよみうべも鹽燒く 在り通ひみますも著し淸き白濱 沖つ浪 邊浪安けみ 漁りすと 藤江の浦に 船ぞ動める 印南野の 淺茅おしなべ さ宿る夜の 日長くあれば 家し偲ばゆ 明石潟 汐干の道を 明日よりは 下咲しけむ 家近づけば原文・訳・解説を読む 万葉集・942〜945番あぢさはふ 妹が目かれてあぢさはふ妹が目かれて 敷妙の枕も纏かず 櫻皮纏き作れる舟に 眞楫貫き吾が榜ぎ來れば 淡路の野島も過ぎ 印南都麻辛荷の島の 島の際ゆ吾宅を見れば 青山の其處とも見えず 白雲も千重になり來ぬ 漕ぎ回むる浦のことごと 往き隱る島の埼埼 隈も置かず憶ひぞ吾が來る旅の日長み 玉藻苅る 辛荷の島に 島回する 鵜にしもあれや 家念はざらむ 島隱り 吾が榜ぎ來れば 羨しかも 大和へ上る 眞熊野の船 風吹けば 浪か立たむと 伺候 都多の細江に 浦隱り居り原文・訳・解説を読む 万葉集・946〜947番御食向ふ 淡路の島に御食向ふ淡路の島に 直向ふ敏馬の浦の 沖べには深海松採り 浦回には名告藻苅る 深海松の見まく欲しけど 名告藻の己が名惜しみ 間使も遣らずて吾は生けりとも無し 須磨の海人の 鹽燒衣の 馴れなばか 一日も君を 忘れて念はむ原文・訳・解説を読む 万葉集・1005〜1006番やすみしし 我大王の 見し給ふやすみしし我大王の 見し給ふ芳野の宮は 山高み雲ぞ棚引く 河はやみ瀨の音ぞ淸き 神さびて見れば貴く 宜しなべ見れば淸けし この山の盡きばのみこそ この河の絕えばのみこそ 百磯城の大宮所止む時もあらめ 神代より 芳野の宮に 在り通ひ 高知らせるは 山河をよみ原文・訳・解説を読む 万葉集・1424〜1427番春の野に 菫採みにと春の野に 菫採みにと 來し吾ぞ 野をなつかしみ 一夜宿にける あしひきの 山櫻花 日竝べて 斯く咲きたらば いと戀ひめやも 吾兄子に 見せむと念ひし 梅の花 それとも見えず 雪の零れれば 明日よりは 春菜採まむと 標めし野に 昨日も今日も 雪は降りつつ原文・訳・解説を読む 万葉集・1431番百濟野の 萩の古枝に百濟野の 萩の古枝に 春待つと 居りし鶯 鳴きにけむかも原文・訳・解説を読む 万葉集・1471番戀しけば 形見にせむと戀しけば 形見にせむと 吾が屋戸に 植ゑし藤浪 いま咲きにけり原文・訳・解説を読む 万葉集・3915番あしひきの 山谷越えてあしひきの 山谷越えて 野づかさに 今は鳴くらむ 鶯の聲原文・訳・解説を読む
『新古今和歌集』の山部赤人
7首新古今和歌集・11番あすからはあすからは 若菜摘まむと 標めし野に 昨日も今日も 雪は降りつつ原文・訳・解説を読む 新古今和歌集・29番梓弓梓弓 はる山近く 家居して 絕えず聞きつる 鶯の聲原文・訳・解説を読む 新古今和歌集・104番百敷の百敷の 大宮人は いとまあれや 櫻かざして 今日もくらしつ原文・訳・解説を読む 新古今和歌集・110番春雨は春雨は いたくなふりそ 櫻花 まだ見ぬ人に 散らまくも惜し原文・訳・解説を読む 新古今和歌集・314番この夕この夕 降り來る雨は 彥星の と渡るふねの 櫂の雫か原文・訳・解説を読む 新古今和歌集・641番うば玉のうば玉の 夜の更けゆけば 楸おふる 淸き川原に 千鳥鳴くなり原文・訳・解説を読む 新古今和歌集・675番田子の浦に田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつゝ原文・訳・解説を読む