源氏物語 第48帖
早蕨(さわらび)
大君の亡くなった翌年の春、宇治の中の君は姉を失った悲しみに暮れる。阿闍梨から例年どおり蕨と土筆が届き、中の君は亡き人の形見として摘んだ峰の早蕨を誰に見せようかと詠む。薫は匂宮に大君への思いを語り、匂宮は中の君を京の二条院に迎えることを決める。薫は移転の支度を細やかに整え、前日に宇治を訪れて中の君と紅梅の香の中で歌を交わし、大君を思って涙する。尼となった弁は宇治に残る。二月七日、中の君は宇治を発ち、険しい山道に匂宮の通いの難しさを知る。二条院では匂宮が自ら迎え、手厚く遇する。夕霧は六の君の縁談を延ばされて不快に思い、薫を婿にと望むが断られる。花盛りの頃、薫は二条院に中の君を訪ねるが、匂宮は二人の仲を疑いもする。