源氏物語 第41帖
幻(まぼろし)
紫の上を失った翌年の春、源氏は年賀の客にも会わず、悲しみに沈んで籠もり暮らす。女房たちと紫の上の思い出を語り、女三の宮や明石の御方を訪ねても心は慰まない。夏の衣更え、賀茂祭、五月雨の夜の夕霧との語らい、七夕と、季節が巡るたびに悲しみは新たになり、八月には一周忌の法要を営む。秋には雁に紫の上の魂の行方を尋ねる歌を詠む。年の暮れ、出家を決意した源氏は、須磨の頃の紫の上の手紙などをすべて焼かせる。御仏名の日に久しぶりに人前に姿を現した源氏は、昔にもまさる輝きを見せ、年も我が世も今日で尽きるのかと詠む。光源氏が登場する最後の帖である。