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人物事典 / あ行

大伴池主

おおとものいけぬし

生没年未詳(八世紀中頃)

人物について

越中掾として国守の大伴家持に仕え、漢文の書簡と歌をさかんに贈り交わした。のち越前掾。天平宝字元年(757)の橘奈良麻呂の変にかかわり、その後の消息は伝わらない。

古典ライブラリーで読める歌:『万葉集』22首

この略歴は、掲載中の『万葉集』のページの作者欄に基づきます。伝承を含む場合は、その旨を本文に示しています。

『万葉集』の大伴池主

22首
万葉集・3967〜3968番山峽に 咲ける櫻を山峽に 咲ける櫻を ただひと目 君に見せてば 何をか思はむ うぐひすの 來鳴く山吹 うたがたも 君が手觸れず 花散らめやも原文・訳・解説を読む 万葉集・3973〜3975番大君の 命かしこみ大君の命かしこみ あしひきの山野障らず 天離る鄙も治むる 丈夫や何かもの思ふ あをによし奈良路來通ふ 玉梓の使絶えめや 籠り戀ひ息づき渡り 下思に嘆かふ吾が兄 古ゆ言ひ繼ぎ來らし 世の中はかずなきものぞ 慰むる事もあらむと 里人の吾に告ぐらく 山傍には櫻花散り 貌鳥の間なくしば鳴く 春の野に菫を摘むと 白妙の袖折り反し くれなゐの赤裳裾引き をとめらは思ひ亂れて 君待つとうらごひすなり 心ぐしいざ見に行かな事はたなゆひ 山吹は 日に日に咲きぬ 愛しと 我が思ふ君は しくしく思ほゆ 我が兄子に 戀すべなかり 葦垣の 外になげかふ 我し悲しも原文・訳・解説を読む 万葉集・3993〜3994番藤浪は 咲きて散りにき藤浪は咲きて散りにき 卯の花は今ぞ盛と あしひきの山にも野にも ほととぎす鳴きし響めば うち靡く心も萎ぬに 其をしもうら戀しみと 思ふどち馬うち群れて 携はり出で立ち見れば 射水河湊の洲鳥 朝なぎに潟に求食し 潮滿てば妻喚び交す ともしきに見つつ過ぎ行き 澁溪の荒磯の埼に 沖つ波寄せ來る玉藻 片寄りに蘰に作り 妹がため手に纏き持ちて うらぐはし布勢の水海に 海人船に眞楫かい貫き 白妙の袖振り反し 率ひて我が漕ぎ行けば 乎布の埼花散りまがひ 渚には葦鴨騷ぎ さざれ波立ちても居ても 漕ぎ廻り見れども飽かず 秋さらば黃葉の時に 春さらば花の盛に かもかくも君がまにまと 斯くしこそ見も明らめめ絶ゆる日あらめや 白波の 寄せくる玉藻 世の間も 續ぎて見に來む 淸き濱傍を原文・訳・解説を読む 万葉集・4003〜4005番朝日さし 背向に見ゆる朝日さし背向に見ゆる 神ながら御名に負はせる 白雲の千重を押し別け 天そそり高き立山 冬夏と分くこともなく 白妙に雪は降り置きて 古ゆ在り來にければ 凝しかも巖の神さび たまきはる幾代經にけむ 立ちて居て見れども奇し 峯高み谷を深みと 落ち激つ淸き河内に 朝去らず霧立ち渡り 夕されば雲居棚引き 雲居なす心も萎ぬに 立つ霧の思ひ過さず 行く水の音も淸けく 萬代に言ひ續ぎ行かむ河し絶えずは 立山に 降り置ける雪の 常夏に 消ずてわたるは 神ながらとぞ 落ち激つ 可多加比河の 絶えぬごと 今見る人も 止まず通はむ原文・訳・解説を読む 万葉集・4008〜4010番あをによし 奈良を來離れあをによし奈良を來離れ 天ざかる鄙にはあれど 我が兄子を見つつし居れば 思ひ遣る事もありしを 大君の命かしこみ 食國の事執り持ちて 若草の脚帶手裝り 群鳥の朝立ち去なば 後れたる我や悲しき 旅に行く君かも戀ひむ 思ふそら安くあらねば 歎かくを止めもかねて 見渡せば卯の花山の ほととぎす哭のみし泣かゆ 朝霧の亂るる心 言に出でて言はばゆゆしみ 礪波山たむけの神に 幣奉り我が乞ひ祈まく 愛しけやし君がただかを 眞幸くも在り徘徊り 月立たば時もかはさず 瞿麥が花の盛に相見しめとぞ 玉ほこの 道の神たち 幣はせむ 我がおもふ君を なつかしみせよ うら戀ひし 我が兄の君は 瞿麥が 花にもがもな 朝朝見む原文・訳・解説を読む 万葉集・4073〜4075番月見れば 同じ國なり月見れば 同じ國なり 山こそは 君が邊を 隔てたりけれ 櫻花 今ぞ盛と 人は云へど 我は不樂しも 君とし在らねば 相思はず あるらむ君を あやしくも 嘆き渡るか 人の問ふまで原文・訳・解説を読む 万葉集・4128〜4131番草枕 旅の翁と草枕 旅の翁と 思ほして 針ぞ賜へる 縫はむ物もが 針袋 取りあげ前に 置きかへさへば おのともおのや 裏も繼ぎたり はり袋 帶び續けながら 里ごとに てらさひ歩けど 人も咎めず とりが鳴く 東を指して ふさへしに 行かむとおもへど 由も實なし原文・訳・解説を読む 万葉集・4132〜4133番竪樣にも 彼にも横樣も竪樣にも 彼にも横樣も 奴とぞ 吾はありける 主の戶の外に 針袋 これは賜りぬ すり袋 今は得てしか 翁さびせむ原文・訳・解説を読む
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