万葉集 巻第八 1607番
風をだに 戀ふるはともし
風だけでも恋しく思えるのはうらやましい。風だけでも来るだろうと待つことができるなら、何を嘆くことがあろう。鏡王女の歌。
場面イラスト(準備中)
題詞鏡王女の作れる歌一首
現代語訳
風でさえも恋しく思えるのはうらやましい。風だけでも来るだろうと待つことができるなら、何を嘆くことがあろうか。
意訳
額田王の歌に応えて、待つ人のいるあなたは風にさえときめくことができてうらやましい、待つ人のいない私には嘆きしかないと歌っている。
語釈・文法注
文法・本文
- ともし
- うらやましい。
和歌
- 作者
- 鏡王女(?–683)
天智天皇に愛され、のちに藤原鎌足の妻となったと伝えられる女性歌人。 - 出典
- 『万葉集』巻第八・相聞・1607番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 第1期(629〜672年(舒明天皇の即位〜壬申の乱))
- 状況
- 鏡王女の歌。額田王の1606番に応じた歌。
修辞
- 反復
- 「風をだに」をくり返す。
解説
巻第四の489番と重複して載せられている。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、329頁(コマ168)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、371頁(コマ191)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日