古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1817番

さゝがにの

僧正遍昭(そうじょうへんじょう)

蜘蛛が空中に巣をかけるのも同じことだ。完全な家でも幾代を過ごせようか。

作者
僧正遍昭
  1. 1夕暮ゆふぐれ夕暮ゆふぐれゆうぐれににに、、、蜘蛛くも蜘蛛くもくものいとのいとのいとはははかなげにすがくかなげにすがくかなげにすがくををを、、、常つね常つねつねよりもあはれとよりもあはれとよりもあわれと見み見みみててて詞書
  2. 2さゝがにのさゝがにのささがにの初句
  3. 3空そら空そらそらにすがくもにすがくもにすがくも二句
  4. 4同おな同おなおなじごとじごとじごと三句
  5. 5全また全またまたききき宿やど宿やどやどにもにもにも四句
  6. 6幾世いくよ幾世いくよいくよかはかはかは經へ經へへむむむ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕夕暮れに蜘蛛がたいへんはかなげに巣をかけるのを、いつもよりも哀れと見て。

蜘蛛が空中に巣をかけるのも同じことだ。完全な家でも幾代を過ごせようか。

意訳

蜘蛛が宙に頼りなく巣を張るのと同じことだ。しっかりした家に住んでいても、幾代も生きられはしない。

語釈・文法注

すがく
巣をかける。
全き
完全な。

和歌

作者
僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 816–890
桓武天皇の孫で、俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。仁明天皇に仕えて蔵人頭となったが、天皇の崩御を機に出家し、のちに僧正となって元慶寺・花山寺を開いた。素性法師の父。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1817番
歌体
短歌
状況
詞書「夕暮に、蜘蛛のいとはかなげにすがくを、常よりもあはれと見て」(夕暮れに蜘蛛がたいへんはかなげに巣をかけるのを、いつもよりも哀れと見て)。

修辞

三句切れ
三句切れ。

解説

遍昭の歌。底本は第四句を「全き宿にも」とするが、「またき宿りも」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、334頁(コマ177)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日