新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1778番
見れば先づ
見るとまず涙がいっそうもろく、諸葛のように、どういう縁で離れてしまったのだろう。
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現代語訳
〔詞書〕望みがかなわずに、社の交わりもしないで籠もっていました時に、葵を見て詠んだ歌。
見るとまず涙がいっそうもろく、諸葛のように、どういう縁で離れてしまったのだろう。
意訳
賀茂の祭の諸葛を見ると、まず涙がもろくこぼれる。どういう宿縁で、私は神に仕える道からかけ離れてしまったのだろう。
語釈・文法注
- もろかづら
- 葵と桂を組んだ賀茂祭の飾り。「涙もろ」を掛ける。
- かけ離れ
- 「懸け」と「離れ」。
和歌
- 作者
- 鴨長明(かものちょうめい) 1155?–1216
下鴨神社の禰宜鴨長継の子。俊恵に和歌を学び、和歌所の寄人となった。のち出家して日野の方丈の庵に住み、『方丈記』を著した。歌論書『無名抄』、説話集『発心集』もある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1778番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「身の望かなひ侍らで、社のまじらひもせで籠りゐて侍りけるに、葵を見てよめる」(望みがかなわずに、社の交わりもしないで籠もっていました時に、葵を見て詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「もろ」に「涙もろ」と「もろかづら」。
解説
長明の歌。下鴨神社の禰宜になれなかった時の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、327頁(コマ173)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日