新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1731番
草分けて
草を分けて立ったり座ったりする袖のうれしさに、絶えず涙の露がこぼれることだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕大江挙周が初めて昇殿を許されて、草深い庭に下りて拝舞したのを見まして。
草を分けて立ったり座ったりする袖のうれしさに、絶えず涙の露がこぼれることだ。
意訳
息子が草深い庭に下りて立ったり座ったりしてお礼の舞をする、その袖を見るうれしさに、涙が露のように絶えずこぼれる。
語釈・文法注
- 立ちゐる
- 拝舞の所作で立ったり座ったりする。
- 露
- 涙を露にたとえ、草の縁で置く。
和歌
- 作者
- 赤染衛門(あかぞめえもん) 生没年未詳(十世紀後半〜十一世紀半ば)
赤染時用の娘。大江匡衡の妻。藤原道長の妻倫子と上東門院彰子に仕えた。『栄花物語』正編の作者とされる。中古三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1731番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「大江擧周、はじめて殿上許されて、草深き庭におりて拜しけるを見侍りて」(大江挙周が初めて昇殿を許されて、草深い庭に下りて拝舞したのを見まして)。
修辞
- 縁語
- 「草」「露」。
解説
赤染衛門の歌。挙周は赤染衛門と大江匡衡の子。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、319頁(コマ169)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日