古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 983番

袖にしも

鴨長明(かものちょうめい)

袖にまで月が映れとは約束しておかなかった。涙は知っているのか、宇津の山越えを。

詞書
「詩を歌に合せ侍りしに、山路秋行といへる心を」(前の歌と同じ詞書)
作者
鴨長明
  1. 1袖そで袖そでそでにしもにしもにしも初句
  2. 2月つき月つきつきかゝれとかゝれとかかれとははは二句
  3. 3契ちぎ契ちぎちぎりおかずりおかずりおかず三句
  4. 4淚なみだ淚なみだなみだははは知し知ししるやるやるや四句
  5. 5宇津うつ宇津うつうつののの山越やまご山越やまごやまごえええ結句

引用の仕方

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現代語訳

袖にまで月が映れとは約束しておかなかった。涙は知っているのか、宇津の山越えを。

意訳

袖に月の光が宿るようにと約束したわけではないのに、涙で濡れた袖に月が映っている。涙は、宇津の山越えのつらさを知っているのだろうか。

語釈・文法注

和歌

作者
鴨長明(かものちょうめい) 1155?–1216
下鴨神社の禰宜鴨長継の子。俊恵に和歌を学び、和歌所の寄人となった。のち出家して日野の方丈の庵に住み、『方丈記』を著した。歌論書『無名抄』、説話集『発心集』もある。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・983番
歌体
短歌
状況
詞書「詩を歌に合せ侍りしに、山路秋行といへる心を」(詩を歌に合わせました時に、「山路秋行(山路の秋の行)」という題を)。

修辞

字余り
第三句。
体言止め
体言止め。

解説

長明の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、179頁(コマ99)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日