新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 982番
都にも
都でも今ごろ衣を打っているだろうか。宇津の山の、夕霜を払う蔦の下道で。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕詩を歌に合わせました時に、「山路秋行(山路の秋の行)」という題を。
都でも今ごろ衣を打っているだろうか。宇津の山の、夕霜を払う蔦の下道で。
意訳
都でも今ごろは冬支度の衣を打っていることだろう。私は宇津の山の、蔦の茂る下道で、夕霜を払いながら旅を続けている。
語釈・文法注
- うつ
- 衣を「打つ」と「宇津」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・982番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「詩を歌に合せ侍りしに、山路秋行といへる心を」(詩を歌に合わせました時に、「山路秋行(山路の秋の行)」という題を)。
修辞
- 掛詞
- 「うつ」に「打つ」と「宇津」。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
定家の歌。『伊勢物語』第九段の宇津の山の場面をふまえる。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、179頁(コマ99)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日