古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 984番

立田山

慈円(じえん)

竜田山を秋に越えて行く人の袖を見よ。木々の梢は時雨れていなかった。

詞書
「詩を歌に合せ侍りしに、山路秋行といへる心を」(前の歌と同じ詞書)
作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1立田たつた立田たつたたつた山やま山やまやま初句
  2. 2秋あき秋あきあき行ゆ行ゆゆくくく人ひと人ひとひとののの二句
  3. 3袖そで袖そでそでををを見み見みみよよよ三句
  4. 4木々きぎ木々きぎきぎののの梢こずゑ梢こずゑこずえははは四句
  5. 5しぐれざりけりしぐれざりけりしぐれざりけり結句

引用の仕方

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現代語訳

竜田山を秋に越えて行く人の袖を見よ。木々の梢は時雨れていなかった。

意訳

秋の竜田山を越えて行く旅人の袖を見てごらん。紅葉は時雨に染まったのではない。旅人の紅の涙に染まったのだ。

語釈・文法注

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・984番
歌体
短歌
状況
詞書「詩を歌に合せ侍りしに、山路秋行といへる心を」(詩を歌に合わせました時に、「山路秋行(山路の秋の行)」という題を)。

修辞

三句切れ
三句切れ。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、179頁(コマ99)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日