古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 973番

難波人

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい))

難波の人が蘆火を焚く家に宿を借りて、わけもなく袖が涙に濡れることだ。

作者
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
  1. 1入道前關白にふだうさきのくわんぱく入道前關白にふだうさきのくわんぱくにゅうどうさきのかんぱく家いへ家いへいえ百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうたににに、、、旅たび旅たびたびののの心こころ心こころこころををを詞書
  2. 2難波なには難波なにはなにわ人びと人びとびと初句
  3. 3あしあしあし火び火びびたくやにたくやにたくやに二句
  4. 4宿やど宿やどやどかりてかりてかりて三句
  5. 5そゞろにそゞろにそぞろに袖そで袖そでそでののの四句
  6. 6しほたるゝかなしほたるゝかなしおたるるかな結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕入道前関白家の百首歌で、旅の心を。

難波の人が蘆火を焚く家に宿を借りて、わけもなく袖が涙に濡れることだ。

意訳

難波の人が蘆を焚く粗末な家に宿を借りると、なぜということもなく、袖が涙でしっとりと濡れてくる。

語釈・文法注

蘆火
蘆を焚く火。
すずろに
わけもなく。
しほたる
濡れてしずくが垂れる。

和歌

作者
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・973番
歌体
短歌
状況
詞書「入道前關白家百首の歌に、旅の心を」(入道前関白家の百首歌で、旅の心を)。

解説

俊成の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、177頁(コマ98)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日