新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 968番
忘れなむ
忘れてしまおう。待っているとは告げないでくれ。かえって。因幡の山の峰の秋風よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕摂政太政大臣の家の歌合で、「秋の旅」という題を。
忘れてしまおう。待っているとは告げないでくれ。かえって。因幡の山の峰の秋風よ。
意訳
都の人のことは忘れてしまおう。因幡の山の峰を吹く秋風よ、都の人が待っているなどとは告げないでおくれ。かえって帰りたくなるから。
語釈・文法注
- いなば
- 「往なば」と「因幡」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・968番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「攝政太政大臣の家の歌合に、秋の旅といふことを」(摂政太政大臣の家の歌合で、「秋の旅」という題を)。
修辞
- 初句切れ
- 初句切れ。
- 本歌取り
- 行平「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む」(古今集)をふまえる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
定家の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、176〜177頁(コマ98)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日