古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 954番

故鄕に

藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう))

故郷で聞いた嵐の音にも似ていない。忘れられない人を思いながら越える小夜の中山よ。

詞書
「旅の歌とてよめる」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原家隆朝臣(藤原家隆)
  1. 1故鄕ふるさと故鄕ふるさとふるさとににに初句
  2. 2きゝしきゝしききし嵐あらし嵐あらしあらしののの二句
  3. 3聲こゑ聲こゑこえももも似に似ににずずず三句
  4. 4忘わす忘わすわすれぬれぬれぬ人ひと人ひとひとををを四句
  5. 5さやのさやのさやの中山なかやま中山なかやまなかやま結句

引用の仕方

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現代語訳

故郷で聞いた嵐の音にも似ていない。忘れられない人を思いながら越える小夜の中山よ。

意訳

小夜の中山を吹く嵐の音は、故郷で聞いた嵐とはまるで違う。忘れられない人を思いながら、この山を越えていく。

語釈・文法注

さやの中山
遠江国の歌枕。「さや(さやかに)」を響かせる。

和歌

作者
藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)) 1158–1237
藤原俊成に和歌を学び、定家と並ぶ新古今時代の代表的歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。温雅で清澄な歌風で、生涯に六万首を詠んだと伝えられる。晩年は出家して壬生二品と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・954番
歌体
短歌
状況
詞書「旅の歌とてよめる」(旅の歌として詠んだ歌)。

修辞

三句切れ
三句切れ。
体言止め
体言止め。

解説

家隆の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、174頁(コマ97)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日