古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 935番

野邊の露

藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう))

野辺の露や浦辺の浪のせいにしても、行方もわからない、袖に映る月の光よ。

詞書
「守覺法親王家に、五十首の歌よませ侍りけるに、旅の歌」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原家隆朝臣(藤原家隆)
  1. 1野邊のべ野邊のべのべののの露つゆ露つゆつゆ初句
  2. 2うらわのうらわのうらわの浪なみ浪なみなみををを二句
  3. 3かこちてもかこちてもかこちても三句
  4. 4行方ゆくへ行方ゆくへゆくえもしらぬもしらぬもしらぬ四句
  5. 5袖そで袖そでそでののの月つき月つきつきかけかけかげ結句

引用の仕方

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現代語訳

野辺の露や浦辺の浪のせいにしても、行方もわからない、袖に映る月の光よ。

意訳

袖が濡れるのは、野辺の露や浦辺の浪のせいだと言いわけしてみても、この旅の行く末はわからない。涙に濡れた袖に月が映っている。

語釈・文法注

うらわ
浦辺。
かこつ
かこつける。ほかのせいにする。

和歌

作者
藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)) 1158–1237
藤原俊成に和歌を学び、定家と並ぶ新古今時代の代表的歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。温雅で清澄な歌風で、生涯に六万首を詠んだと伝えられる。晩年は出家して壬生二品と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・935番
歌体
短歌
状況
詞書「守覺法親王家に、五十首の歌よませ侍りけるに、旅の歌」(守覚法親王家で五十首歌を詠ませました時に、旅の歌)。

修辞

体言止め
体言止め。

解説

家隆の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、171頁(コマ95)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日