古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 934番

こととへよ

藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか))

尋ねておくれ。思いを残してきた興津の浜千鳥よ、泣く泣く出てきた後の月の光の様子を。

詞書
「守覺法親王家に、五十首の歌よませ侍りけるに、旅の歌」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原定家朝臣(藤原定家)
  1. 1こととこととこととへよへよえよ初句
  2. 2思おも思おもおもひおきつのひおきつのいおきつの二句
  3. 3濱千鳥はまちどり濱千鳥はまちどりはまちどり三句
  4. 4なく〳〵なく〳〵なくなく出い出いいでしでしでし四句
  5. 5跡あと跡あとあとののの月影つきかげ月影つきかげつきかげ結句

引用の仕方

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現代語訳

尋ねておくれ。思いを残してきた興津の浜千鳥よ、泣く泣く出てきた後の月の光の様子を。

意訳

浜千鳥よ、尋ねておくれ。思いを残して泣く泣く旅立ってきた後に、興津の浜を照らす月の光はどうしているかと。

語釈・文法注

おきつ
「置き」と駿河国の「興津」を掛ける。
なくなく
千鳥が「鳴く」と「泣く泣く」を掛ける。

和歌

作者
藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・934番
歌体
短歌
状況
詞書「守覺法親王家に、五十首の歌よませ侍りけるに、旅の歌」(守覚法親王家で五十首歌を詠ませました時に、旅の歌)。

修辞

初句切れ
初句切れ。
掛詞
「おきつ」に「置き」と「興津」、「なく」に「鳴く」と「泣く」。
体言止め
体言止め。

解説

定家の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、171頁(コマ95)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日