新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 908番
人を猶ほ
あの人をなおも恨んでよいものだろうか。都鳥よ、私が無事でいるかとさえ尋ねてくれるのを聞かないので。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕伊勢から人に贈った歌。
あの人をなおも恨んでよいものだろうか。都鳥よ、私が無事でいるかとさえ尋ねてくれるのを聞かないので。
意訳
あの人を恨んでもしかたがないだろうか。都鳥に「わが思ふ人はありやなしや」と尋ねた昔の人のように、私が無事かとさえ尋ねてくれないのだから。
語釈・文法注
- 都鳥
- 「名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」(伊勢物語)をふまえる。
和歌
- 作者
- 徽子女王(斎宮女御)(きしじょおう) 929–985
醍醐天皇の皇子重明親王の娘。伊勢の斎宮を務めたのち、村上天皇の女御となり、斎宮女御と呼ばれた。琴と和歌にすぐれた。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・908番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「伊勢より人につかはしける」(伊勢から人に贈った歌)。
修辞
- 二句切れ
- 二句切れ。
- 本歌取り
- 業平の都鳥の歌をふまえる。
解説
徽子女王の歌。娘の規子内親王の斎宮下向に同行した時の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、166頁(コマ93)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日