古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十 羇旅歌 900番

篠の葉は

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

笹の葉は、山全体をそよがせて乱れている。けれども私は妻を思う。別れてきたので。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
人麿(柿本人麻呂)
  1. 1篠ささ篠ささささののの葉は葉ははははは初句
  2. 2みみみ山やま山やまやまもそよにもそよにもそよに二句
  3. 3亂みだ亂みだみだるなりるなりるなり三句
  4. 4われわれわれははは妹いも妹いもいも思おも思おもおもふふう四句
  5. 5別わか別わかわかれれれ來き來ききぬればぬればぬれば結句

引用の仕方

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現代語訳

笹の葉は、山全体をそよがせて乱れている。けれども私は妻を思う。別れてきたので。

意訳

笹の葉が、山いっぱいにさやさやと音を立てて風に乱れている。けれども私の心は乱れることなく、ただ別れてきた妻のことを思っている。

語釈・文法注

そよに
さやさやと。

和歌

作者
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ) 生没年未詳(七世紀後半〜八世紀初め)
持統・文武天皇の時代の宮廷歌人。『万葉集』を代表する歌人で、長歌・短歌ともにすぐれ、のちに「歌聖」とあがめられた。平安時代には人麻呂の作と伝える歌が多く、新古今集にもその名で多くの歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十・羇旅歌・900番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

三句切れ
三句切れ。
字余り
第四句。

解説

人麿の歌。もとは『万葉集』巻第二(133番)の石見相聞歌の反歌で、第二句は「み山もさやに」。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、165頁(コマ92)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日