新古今和歌集 巻第九 離別歌 861番
見てだにも
見ているだけでも満ち足りない心なのに、どうして道の奥まで、あの人は行くのだろう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕陸奥の国に下りました人に。
見ているだけでも満ち足りない心なのに、どうして道の奥まで、あの人は行くのだろう。
意訳
そばで顔を見ていてさえ飽き足りない思いなのに、どうしてあなたは、遠い道の奥の陸奥まで行ってしまうのだろう。
語釈・文法注
- 道のおく
- 道の奥。「陸奥(みちのく)」を掛ける。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第九・離別歌・861番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「みちの國に下り侍りける人に」(陸奥の国に下りました人に)。
修辞
- 枕詞
- 「玉鉾の」。
- 掛詞
- 「みちのおく」に「道の奥」と「陸奥」。
解説
貫之の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、157頁(コマ88)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日