新古今和歌集 巻第九 離別歌 860番
秋霧の
秋霧の立つころ旅立つ時の旅衣を、朝起きて見てください。露ほどのわずかな形見ではあっても。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕田舎へ下る人に、旅の衣を贈るといって。
秋霧の立つころ旅立つ時の旅衣を、朝起きて見てください。露ほどのわずかな形見ではあっても。
意訳
秋霧の立つころに旅立つあなたへ、この旅衣を贈ります。朝起きるたびに見てください。露ほどのささやかな形見ではありますが。
語釈・文法注
- たつ
- 霧が「立つ」と「発つ」、衣を「裁つ」を掛ける。
- おきて
- 「起きて」と露が「置き」を掛ける。
和歌
- 作者
- 大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ) 921–991
伊勢神宮の祭主。梨壺の五人の一人として『後撰和歌集』の撰集にあたった。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第九・離別歌・860番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「田舍へまかりける人に旅衣遣すとて」(田舎へ下る人に、旅の衣を贈るといって)。
修辞
- 掛詞
- 「たつ」に「立つ」「発つ」「裁つ」、「おき」に「起き」と「置き」。
- 縁語
- 「霧」「露」「置き」。
解説
能宣の歌。底本は作者名を「大中臣能信朝臣」と刷る。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、156頁(コマ88)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日