古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第九 離別歌 858番

忘れなむ

伊勢(いせ)

忘れてしまうだろう世に、越路の帰山のように、いつまたあの人に会おうとするのだろう。

作者
伊勢
  1. 1題だい題だいだいしらずしらずしらず詞書
  2. 2忘わす忘わすわすれなむれなむれなむ初句
  3. 3世よ世よよにもにもにも越路こしぢ越路こしぢこしじののの二句
  4. 4歸かへ歸かへかえるるる山やま山やまやま三句
  5. 5いつはたいつはたいつはた人ひと人ひとひとににに四句
  6. 6逢あ逢ああはむとすらむはむとすらむわむとすらむ結句

引用の仕方

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現代語訳

忘れてしまうだろう世に、越路の帰山のように、いつまたあの人に会おうとするのだろう。

意訳

あの人は越路へ行ってしまい、私のことなど忘れてしまうだろう。越路の帰山の名のように、帰ってきて、またいつ会えるというのだろう。

語釈・文法注

越路
北陸道。「来し」を響かせる。
帰る山
越前国の歌枕。「帰る」を掛ける。
はた
また。

和歌

作者
伊勢(いせ) 872?–938?
伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の皇子を産んだ。のち敦慶親王との間に娘の中務(歌人)を産んだ。『古今和歌集』に女性歌人として最も多い歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第九・離別歌・858番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「かへる」に「帰る」と「帰山」。

解説

伊勢の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、156頁(コマ88)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日