古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 823番

あはれ人

能因法師(のういんほうし)

ああ、あの人は今日の命を知っていたならば、難波の蘆に約束をしなかっただろうに。

作者
能因法師
  1. 1大江嘉言おほえのよしとき大江嘉言おほえのよしときおおえのよしとき、、、對馬守つしまのかみ對馬守つしまのかみつしまのかみになりてになりてになりて下くだ下くだくだるとてるとてるとて、、、難波なには難波なにはなにわ堀江ほりえ堀江ほりえほりえののの蘆あし蘆あしあしのののうらはにとよみてうらはにとよみてうらわにとよみて下くだ下くだくだりりり侍はべ侍はべはべりけるりけるりける程ほど程ほどほどににに、、、國くに國くにくににてなくなりにけるとにてなくなりにけるとにてなくなりにけると聞き聞きききてきてきて詞書
  2. 2あはれあはれあわれ人ひと人ひとひと初句
  3. 3けふのけふのきょうの命いのち命いのちいのちををを二句
  4. 4知し知ししらませばらませばらませば三句
  5. 5難波なには難波なにはなにわののの蘆あし蘆あしあしににに四句
  6. 6契ちぎ契ちぎちぎらざらましらざらましらざらまし結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕大江嘉言が対馬守になって下るといって、「難波堀江の蘆のうら葉に」と詠んで下りましたが、任国で亡くなってしまったと聞いて。

ああ、あの人は今日の命を知っていたならば、難波の蘆に約束をしなかっただろうに。

意訳

ああ、あの人は、今日で命が尽きると知っていたなら、難波の蘆に再会の約束を詠みかけたりしなかっただろうに。

語釈・文法注

ませば〜まし
反実仮想。

和歌

作者
能因法師(のういんほうし) 988–1050?
俗名は橘永愷(ながやす)。若くして出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。歌枕を集めた『能因歌枕』を著した。中古三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・823番
歌体
短歌
状況
詞書「大江嘉言、對馬守になりて下るとて、難波堀江の蘆のうらはにとよみて下り侍りける程に、國にてなくなりにけると聞きて」(大江嘉言が対馬守になって下るといって、「難波堀江の蘆のうら葉に」と詠んで下りましたが、任国で亡くなってしまったと聞いて)。

修辞

反実仮想
反実仮想。

解説

能因の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、148頁(コマ84)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日