新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 816番
戀ひわぶと
恋しくてつらいと、せめて聞くだけでも聞いておくれ。鐘の音に、つい忘れてしまう時の間もないのだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕小式部内侍が亡くなった後、いつも持っていました手箱を、誦経の布施にさせるといって詠みました歌。
恋しくてつらいと、せめて聞くだけでも聞いておくれ。鐘の音に、つい忘れてしまう時の間もないのだ。
意訳
お前を恋しく思って苦しんでいると、せめて誦経の鐘の音を聞いて知っておくれ。お前を忘れる時など、ほんのひとときもないのだから。
語釈・文法注
- 誦経
- 経を読ませて供養すること。その布施として品物を寺に納めた。
和歌
- 作者
- 和泉式部(いずみしきぶ) 978?–?
大江雅致の娘。和泉守橘道貞の妻となり、のち冷泉天皇の皇子為尊親王・敦道親王との恋で知られる。中宮彰子に仕えた。情熱的な恋の歌が多く、『和泉式部日記』がある。娘は小式部内侍。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・816番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「小式部內侍身まかりて後、常に持ちて侍りける手箱を誦經にせさすとてよみ侍りける」(小式部内侍が亡くなった後、いつも持っていました手箱を、誦経の布施にさせるといって詠みました歌)。
修辞
- 字余り
- 第三句。
- 二句切れ
- 二句切れ。
解説
和泉式部の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、147頁(コマ83)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日