新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 817番
たれか世に
誰がこの世に生き長らえて見るだろうか。書きとめた筆跡は、消えない形見ではあるけれど。
場面イラスト(準備中)
- 1上東門院上東門院じょうとうもんいんののの小少將小少將こしょうしょう身身みまかりてまかりてまかりて後後のち、、、常常つねにににうちとけてうちとけてうちとけて書書かききき遣遣つかわしけるしけるしける文文ふみののの、、、物物ものののの中中なかににに侍侍はべりけるりけるりけるををを見見み出出いでてでてでて、、、加賀少納言加賀少納言かがのしょうなごんががが許許もとににに遺遺つかわしけるしけるしける詞書
- 2たれかたれかたれか世世よににに初句
- 3ながらへてながらへてながらえて見見みむむむ二句
- 4書書かきとめしきとめしきとめし三句
- 5跡跡あとははは消消きえせぬえせぬえせぬ四句
- 6形見形見かたみなれどもなれどもなれども結句
現代語訳
〔詞書〕上東門院の小少将が亡くなった後、いつも打ち解けて書き交わしていた手紙が、物の中にありましたのを見つけて、加賀少納言のもとに贈った歌。
誰がこの世に生き長らえて見るだろうか。書きとめた筆跡は、消えない形見ではあるけれど。
意訳
書き残された筆跡は、消えずに残る形見ではあるけれど、それを見る私たちも、いつまでこの世に生きていられるだろうか。
語釈・文法注
- 小少将
- 上東門院に仕えた女房。紫式部と親しかった。
和歌
- 作者
- 紫式部(むらさきしきぶ) 978?–1014?
藤原為時の娘。一条天皇の中宮彰子に仕え、『源氏物語』を書いた。『紫式部日記』『紫式部集』もある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・817番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「上東門院の小少將身まかりて後、常にうちとけて書き遣しける文の、物の中に侍りけるを見出でて、加賀少納言が許に遺しける」(上東門院の小少将が亡くなった後、いつも打ち解けて書き交わしていた手紙が、物の中にありましたのを見つけて、加賀少納言のもとに贈った歌)。
修辞
- 二句切れ
- 二句切れ。
- 倒置
- 倒置。
解説
紫式部の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、147頁(コマ83)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日