新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 807番
いにしへの
亡き昔の人を泣いて流れる涙のような水茎の跡は、袖の裏に寄ってくることだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕返歌。
亡き昔の人を泣いて流れる涙のような水茎の跡は、袖の裏に寄ってくることだ。
意訳
亡き帝を偲んで泣く涙とともに流れる筆の跡は、浦に寄る浪のように、私の涙に濡れた袖の裏にこそ寄ってくるのです。
語釈・文法注
- なき
- 「亡き」と「泣き」を掛ける。
- うら
- 「裏」と「浦」を掛ける。
和歌
- 作者
- 徽子女王(斎宮女御)(きしじょおう) 929–985
醍醐天皇の皇子重明親王の娘。伊勢の斎宮を務めたのち、村上天皇の女御となり、斎宮女御と呼ばれた。琴と和歌にすぐれた。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・807番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「かへし」(返歌)。
修辞
- 掛詞
- 「なき」に「亡き」と「泣き」、「うら」に「裏」と「浦」。
- 縁語
- 「流るる」「浦」「寄る」。
解説
徽子女王の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、145頁(コマ82)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日