新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 806番
尋ねても
尋ねても、筆跡はこうして残っていても、その筆の主の行方も知らない昔のことなのだった。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕斎宮女御のもとで、先帝がお書きになった草子を見まして。
尋ねても、筆跡はこうして残っていても、その筆の主の行方も知らない昔のことなのだった。
意訳
先帝のお書きになった筆跡はこうして残っているけれど、その方はもう、行方も知れない遠い昔の人となってしまった。
語釈・文法注
- 水茎
- 筆。筆跡。
- かくても
- こうしてあっても。「書く」を響かせる。
和歌
- 作者
- 馬内侍(うまのないし) 生没年未詳(十世紀末〜十一世紀初め)
源時明の娘。斎宮女御徽子、円融天皇の中宮媓子、のち中宮定子らに仕えた。中古三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・806番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「齋宮女御の許にて、先帝のかゝせ給へりける草子を見侍りて」(斎宮女御のもとで、先帝がお書きになった草子を見まして)。
修辞
- 掛詞
- 「かく」に「斯く」と「書く」。
解説
馬内侍の歌。先帝は村上天皇。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、145頁(コマ82)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日