古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 803番

なき人の

後鳥羽院(ごとばいん)

亡き人の形見の雲が時雨を降らせているのだろうか。夕べの雨に、その色は見えないけれど。

作者
太上天皇(後鳥羽院)
  1. 1雨中無常うちゆうのむじやう雨中無常うちゆうのむじやううちゅうのむじょうといふことといふことということををを詞書
  2. 2なきなきなき人ひと人ひとひとののの初句
  3. 3形見かたみ形見かたみかたみののの雲くも雲くもくもややや二句
  4. 4しぐるらむしぐるらむしぐるらむ三句
  5. 5夕ゆふべ夕ゆふべゆうべののの雨あめ雨あめあめににに四句
  6. 6色いろ色いろいろははは見み見みみえねどえねどえねど結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「雨中無常(雨中の無常)」という題を。

亡き人の形見の雲が時雨を降らせているのだろうか。夕べの雨に、その色は見えないけれど。

意訳

亡き人を焼いた煙が雲となり、その形見の雲が時雨を降らせているのだろうか。夕べの雨の中、その色は見分けられないけれど。

語釈・文法注

形見の雲
火葬の煙が雲となったもの。

和歌

作者
後鳥羽院(ごとばいん) 1180–1239
第八十二代天皇。譲位後に院政を行い、和歌所を置いて『新古今和歌集』の撰集を命じ、自らも撰歌と切継に深く関わった。承久の乱(1221)に敗れて隠岐に配流され、配所でも集の精選(隠岐本)を続けた。『新古今和歌集』では「太上天皇」と記され、三十三首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・803番
歌体
短歌
状況
詞書「雨中無常といふことを」(「雨中無常(雨中の無常)」という題を)。

修辞

三句切れ
三句切れ。

解説

後鳥羽院の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、144頁(コマ82)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日