古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 802番

思ひ出づる

慈円(じえん)

思い出して折り焚く柴と聞くとすぐに、心乱れるのも知られない、夕煙よ。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1かへしかへしかへし詞書
  2. 2思おも思おもおもひひい出い出いいづるづるずる初句
  3. 3折を折をおりたくりたくりたく柴しば柴しばしばととと二句
  4. 4聞き聞ききくからにくからにくからに三句
  5. 5みだれみだれみだれ知し知ししられぬられぬられぬ四句
  6. 6夕ゆふ夕ゆふゆう煙けぶり煙けぶりけぶりかなかなかな結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕返歌。

思い出して折り焚く柴と聞くとすぐに、心乱れるのも知られない、夕煙よ。

意訳

亡き人を思い出して折り焚く柴とお聞きしただけで、私の心も乱れて、どうしてよいかわかりません。夕煙のように。

語釈・文法注

からに
〜するとすぐに。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・802番
歌体
短歌
状況
詞書「かへし」(返歌)。

修辞

体言止め
体言止め。

解説

慈円の歌。底本は第四句を「みだれ知られぬ」とするが、「たぐひ知られぬ」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、144頁(コマ82)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日