新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 788番
玉ゆらの
ほんのしばらくも、露も涙もとどまらない。亡き人を恋しく思う宿の秋風に。
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現代語訳
〔詞書〕母が亡くなった秋、野分が吹いた日に、もと住んでいました所に行って。
ほんのしばらくも、露も涙もとどまらない。亡き人を恋しく思う宿の秋風に。
意訳
野分の吹く日、亡き母の住んでいた家を訪れた。秋風に、草の露も私の涙も、ほんのしばらくもとどまらずにこぼれ落ちる。
語釈・文法注
- たまゆら
- ほんのしばらく。「玉」は露の縁語。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・788番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「母身まかりにける秋、野分しける日、もと住み侍りける所にまかりて」(母が亡くなった秋、野分が吹いた日に、もと住んでいました所に行って)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
解説
定家の歌。定家の母は建久四年(1193年)に没した。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、141頁(コマ80)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日