新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 783番
ねざめする
夜中に目覚める身を吹きとおす風の音を、昔は袖に関係のないものとして聞いていたのだろう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕弾正尹為尊親王に先立たれて、嘆いておりました時に。
夜中に目覚める身を吹きとおす風の音を、昔は袖に関係のないものとして聞いていたのだろう。
意訳
ひとり寝の夜中に目覚めると、風の音がわが身を吹きとおすように身にしみる。この音を、昔はどうして袖とは関わりのないものとして聞き流していたのだろう。
語釈・文法注
- 弾正尹為尊親王
- 冷泉天皇の皇子。和泉式部の恋人。長保四年(1002年)に没した。
和歌
- 作者
- 和泉式部(いずみしきぶ) 978?–?
大江雅致の娘。和泉守橘道貞の妻となり、のち冷泉天皇の皇子為尊親王・敦道親王との恋で知られる。中宮彰子に仕えた。情熱的な恋の歌が多く、『和泉式部日記』がある。娘は小式部内侍。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・783番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「彈正尹爲尊親王におくれて、歎き侍りけるところ」(弾正尹為尊親王に先立たれて、嘆いておりました時に)。
解説
和泉式部の歌。底本は詞書を「歎き侍りけるところ」、第三句を「風の音を」とするが、「歎き侍りけるころ」「風の音に」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、139頁(コマ79)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日