新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 766番
春霞
春霞がかすんでいた空の名残までもが、今日を限りの別れなのだった。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕定家朝臣が母の喪に服していました春の暮れに、贈った歌。
春霞がかすんでいた空の名残までもが、今日を限りの別れなのだった。
意訳
母君を送った火葬の煙のように霞んでいた春の空。その名残さえ、春の終わる今日を限りに、別れていってしまうのだ。
語釈・文法注
- 名残
- 別れた後に残る面影。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・766番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「定家朝臣、母のおもひに侍りける春の暮に遣しける」(定家朝臣が母の喪に服していました春の暮れに、贈った歌)。
解説
良経の歌。定家の母(美福門院加賀)は建久四年(1193年)二月に没した。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、136頁(コマ78)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日