新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 765番
花見ては
花を見ては、いっそう家路を急ぐ気にならない。待っているだろうと思う人もいないので。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕公守朝臣の母が亡くなった後の春、法金剛院の花を見て。
花を見ては、いっそう家路を急ぐ気にならない。待っているだろうと思う人もいないので。
意訳
花を見ても、いっそう家に帰りを急ぐ気になれない。家で私の帰りを待っていてくれる人は、もういないのだから。
語釈・文法注
- 法金剛院
- 京都の花園にある寺。
- 急がれぬ
- 急ぐ気になれない。「れ」は自発。
和歌
- 作者
- 藤原実定(ふじわらのさねさだ) 1139–1191
右大臣藤原公能の子で、藤原俊成の甥。左大臣に至った。後徳大寺左大臣と呼ばれる。管絃にもすぐれ、『平家物語』には福原遷都の後に旧都を訪ねる逸話がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・765番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「公守朝臣の母身死りて後の春、法金剛院の花を見て」(公守朝臣の母が亡くなった後の春、法金剛院の花を見て)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
- 倒置
- 倒置。
解説
実定の歌。公守は実定の子。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、135〜136頁(コマ77)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日