新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 767番
立ちのぼる
せめて立ちのぼる煙だけでも見るはずなのに、霞にまぎれてしまう春の曙よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕前大納言光頼が春に亡くなったのを、桂という所で葬儀をすませて帰りました時に。
せめて立ちのぼる煙だけでも見るはずなのに、霞にまぎれてしまう春の曙よ。
意訳
せめて火葬の煙が立ちのぼるのだけでも見送ろうと思ったのに、春の曙の霞にまぎれて、それさえ見分けられない。
語釈・文法注
- とかくして
- あれこれして。葬送をすませて。
- まがふ
- まぎれる。
和歌
- 作者
- 藤原惟方(ふじわらのこれかた) 1125–?
藤原顕頼の子。参議・左兵衛督に至った。平治の乱ののち配流され、のち許されて出家した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・767番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「前大納言光賴、春身死りにけるを、桂なる所にてとかくして歸り侍りけるに」(前大納言光頼が春に亡くなったのを、桂という所で葬儀をすませて帰りました時に)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
解説
惟方の歌。光頼は惟方の兄。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、136頁(コマ78)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日