新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 759番
櫻散る
桜の散る春の終わりになってしまった。雨の晴れ間も知らない長雨のように、もの思いにふけっているうちに。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕醍醐天皇がお亡くなりになった後、三月の末日に、三条右大臣に贈った歌。
桜の散る春の終わりになってしまった。雨の晴れ間も知らない長雨のように、もの思いにふけっているうちに。
意訳
雨の晴れ間もなく降り続く長雨のように、帝を偲んで涙にくれ、もの思いに沈んでいるうちに、桜の散る春の終わりになってしまった。
語釈・文法注
- 雨間
- 雨のやんでいる間。
- ながめ
- 「長雨」と「眺め(もの思い)」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原兼輔(ふじわらのかねすけ) 877–933
藤原利基の子。中納言に至った。賀茂川の堤に邸があったので堤中納言と呼ばれた。紫式部の曽祖父。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・759番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「醍醐の帝崩れ給ひて後、彌生つごもりに三條右大臣につかはしける」(醍醐天皇がお亡くなりになった後、三月の末日に、三条右大臣に贈った歌)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
- 倒置
- 倒置。
- 掛詞
- 「ながめ」に「長雨」と「眺め」。
解説
兼輔の歌。醍醐天皇は延長八年(930年)九月に崩御。三条右大臣は藤原定方。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、134頁(コマ77)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日