古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第七 賀歌 735番

おしなべて

藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね)

すべて一様に木の芽も張る春の浅緑だが、松にこそ千年の色はこもっている。

作者
攝政太政大臣(藤原良経(後京極摂政))
  1. 1京極殿きやうごくどの京極殿きやうごくどのきょうごくどのにてにてにて、、、初はじ初はじはじめてめてめて人々ひとびと人々ひとびとひとびと歌うた歌うたうたつかうまつりしにつかうまつりしにつこうまつりしに、、、松有春色まつにはるのいろあり松有春色まつにはるのいろありまつにはるのいろありといふことといふことということをををよみよみよみ侍はべ侍はべはべりしりしりし詞書
  2. 2おしなべておしなべておしなべて初句
  3. 3木こ木ここのめものめものめもはははるのるのるの二句
  4. 4淺あさ淺あさあさ綠みどり綠みどりみどり三句
  5. 5松まつ松まつまつにぞにぞにぞ千代ちよ千代ちよちよののの四句
  6. 6色いろ色いろいろはははこもれるこもれるこもれる結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕京極殿で、はじめて人々が歌をお詠みした時に、「松有春色(松に春の色あり)」という題を詠みました歌。

すべて一様に木の芽も張る春の浅緑だが、松にこそ千年の色はこもっている。

意訳

春になって、どの木も芽をふいて一面の浅緑になった。けれども、千年の長寿をことほぐ色は、なんといっても松の緑にこもっている。

語釈・文法注

おしなべて
すべて一様に。
はる
「張る」と「春」を掛ける。

和歌

作者
藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第七・賀歌・735番
歌体
短歌
状況
詞書「京極殿にて、初めて人々歌つかうまつりしに、松有春色といふことをよみ侍りし」(京極殿で、はじめて人々が歌をお詠みした時に、「松有春色(松に春の色あり)」という題を詠みました歌)。

修辞

掛詞
「はる」に「張る」と「春」。

解説

良経の歌。底本は結句を「色はこもれる」とするが、「色もこもれる」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、129頁(コマ74)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日