古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 491番

村雨の

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

にわか雨の露もまだ乾かない槇の葉に、霧が立ちのぼる秋の夕暮れよ。

作者
寂蓮法師
  1. 1五十首ごじつしゆ五十首ごじつしゆごじっしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし時とき時ときとき詞書
  2. 2村雨むらさめ村雨むらさめむらさめののの初句
  3. 3露つゆ露つゆつゆもまだひぬもまだひぬもまだひぬ二句
  4. 4槇まき槇まきまきののの葉は葉ははににに三句
  5. 5霧きり霧きりきりたちのたちのたちのほるほるぼる四句
  6. 6秋あき秋あきあきのゆふぐれのゆふぐれのゆうぐれ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕五十首歌を献上した時の歌。

にわか雨の露もまだ乾かない槇の葉に、霧が立ちのぼる秋の夕暮れよ。

意訳

にわか雨が過ぎたあと、槇の葉にはまだ雨の露が残っている。その葉のあたりから霧が白く立ちのぼっていく、秋の夕暮れ。

語釈・文法注

村雨
にわか雨。
槇
杉や檜などの常緑樹。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・491番
歌体
短歌
状況
詞書「五十首の歌奉りし時」(五十首歌を献上した時の歌)。

修辞

体言止め
体言止め。

解説

寂蓮の代表作で、百人一首87番。雨・露・霧と移り変わる水の姿を、静かな夕暮れの景色の中にとらえている。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、86頁(コマ53)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日