古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 401番

松島や

鴨長明(かものちょうめい)

松島よ、潮を汲む漁師の秋の袖よ。月がもの思いをさせるのは、恋する人の習いばかりではないのだ。

詞書
「八月十五日夜、和歌所の歌合に、海邊秋月といふことを」(前の歌と同じ詞書)
作者
鴨長明
  1. 1松まつ松まつまつ島しま島しましまややや初句
  2. 2鹽しほ鹽しほしおくむくむくむ蜑あま蜑あまあまののの二句
  3. 3秋あき秋あきあきののの袖そで袖そでそで三句
  4. 4月つき月つきつきはものはものはもの思おも思おもおもふふう四句
  5. 5ならひのみかはならひのみかはならいのみかは結句

引用の仕方

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現代語訳

松島よ、潮を汲む漁師の秋の袖よ。月がもの思いをさせるのは、恋する人の習いばかりではないのだ。

意訳

松島で潮を汲む漁師の秋の袖が濡れているのは、仕事のためだけではない。月の光は、恋に悩む人だけでなく、漁師にももの思いをさせるのだ。

語釈・文法注

松島
陸奥国の歌枕。
ならひのみかは
習いばかりだろうか、いやそうではない。

和歌

作者
鴨長明(かものちょうめい) 1155?–1216
下鴨神社の禰宜鴨長継の子。俊恵に和歌を学び、和歌所の寄人となった。のち出家して日野の方丈の庵に住み、『方丈記』を著した。歌論書『無名抄』、説話集『発心集』もある。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・401番
歌体
短歌
状況
詞書「八月十五日夜、和歌所の歌合に、海邊秋月といふことを」(八月十五日の夜、和歌所の歌合で、「海辺の秋の月」という題で詠んだ歌)。

修辞

反語
反語。

解説

長明の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、70頁(コマ45)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日