古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 397番

ながむれば

鴨長明(かものちょうめい)

眺めると、さまざまにもの思いをさせる月に、さらにまた、わが身ひとりに吹くような峰の松風よ。

詞書
「月前松風」(前の歌と同じ詞書)
作者
鴨長明
  1. 1ながむればながむればながむれば初句
  2. 2千々ちぢ千々ちぢちぢにものにものにもの思おも思おもおもふふう二句
  3. 3月つき月つきつきににに又また又またまた三句
  4. 4我身わがみ我身わがみわがみひとつのひとつのひとつの四句
  5. 5嶺みね嶺みねみねののの松まつ松まつまつ風かぜ風かぜかぜ結句

引用の仕方

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現代語訳

眺めると、さまざまにもの思いをさせる月に、さらにまた、わが身ひとりに吹くような峰の松風よ。

意訳

月を眺めているとさまざまなもの思いがわく。そこへさらに、自分ひとりのために吹くかのような峰の松風が加わって、いっそう寂しい。

語釈・文法注

千々に
さまざまに。

和歌

作者
鴨長明(かものちょうめい) 1155?–1216
下鴨神社の禰宜鴨長継の子。俊恵に和歌を学び、和歌所の寄人となった。のち出家して日野の方丈の庵に住み、『方丈記』を著した。歌論書『無名抄』、説話集『発心集』もある。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・397番
歌体
短歌
状況
詞書「月前松風」(「月前の松風」という題で詠んだ歌)。

修辞

本歌取り
「月見れば千々にものこそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど」(大江千里、百人一首23番)をふまえる。
体言止め
体言止め。

解説

長明の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、70頁(コマ45)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日