古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 396番

月は猶ほ

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

月の光はなお漏れてこない木の間なのに、住吉の松をすっかり吹きつくして、秋風が吹いている。

作者
寂蓮法師
  1. 1月前松風げつぜんのしようふう月前松風げつぜんのしようふうげつぜんのしょうふう詞書
  2. 2月つき月つきつきははは猶な猶ななほほお初句
  3. 3もらぬもらぬもらぬ木こ木ここののの間ま間ままををを二句
  4. 4住吉すみよし住吉すみよしすみよしののの三句
  5. 5松まつ松まつまつをををつくしてつくしてつくして四句
  6. 6秋あき秋あきあき風かぜ風かぜかぜぞぞぞ吹ふ吹ふふくくく結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「月前の松風」という題で詠んだ歌。

月の光はなお漏れてこない木の間なのに、住吉の松をすっかり吹きつくして、秋風が吹いている。

意訳

住吉の松の木の間からは、月の光がなかなか漏れてこない。けれども秋風は、松のすべての枝を鳴らして吹きわたっている。

語釈・文法注

住吉
摂津国の住吉の浦。松の名所。「澄み」を響かせる。
松をつくして
すべての松を。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・396番
歌体
短歌
状況
詞書「月前松風」(「月前の松風」という題で詠んだ歌)。

解説

寂蓮の歌。底本は第二句を「もらぬ木の間を」とするが、「もらぬ木の間も」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、69〜70頁(コマ44)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日