新古今和歌集 巻第四 秋歌上 393番
故鄕の
古里の、根もとのまばらな小萩が咲いてから、夜ごと庭の月の光が花に移っていく。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕五十首歌を献上した時の、「月前の草花」という題で詠んだ歌。
古里の、根もとのまばらな小萩が咲いてから、夜ごと庭の月の光が花に移っていく。
意訳
荒れた古里の家の庭に、根もとのまばらな小萩が咲いた。それ以来、夜ごとに庭の月の光が萩の花に移り、映えている。
語釈・文法注
- もとあらの小萩
- 根もとの葉がまばらな萩。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・393番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「五十首の歌奉りし時、月前草花」(五十首歌を献上した時の、「月前の草花」という題で詠んだ歌)。
修辞
- 本歌取り
- 「宮城野のもとあらの小萩露を重み風を待つごと君をこそ待て」(古今集)をふまえる。
解説
良経の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、69頁(コマ44)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日