古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 389番

鳰の海や

藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう))

琵琶湖よ。月の光が映ると、白い波の花にも秋の色が見えることだ。

作者
藤原家隆朝臣(藤原家隆)
  1. 1和歌所わかどころ和歌所わかどころわかどころののの歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに、、、湖邊月こへんのつき湖邊月こへんのつきこへんのつきといふといふという事こと事ことことををを詞書
  2. 2鳰にほ鳰にほにおののの海うみ海うみうみややや初句
  3. 3月つき月つきつきのののひかりのひかりのひかりの二句
  4. 4うつろへばうつろへばうつろえば三句
  5. 5浪なみ浪なみなみののの花はな花はなはなにもにもにも四句
  6. 6秋あき秋あきあきははは見み見みみえけりえけりえけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕和歌所の歌合で、「湖辺の月」という題で詠んだ歌。

琵琶湖よ。月の光が映ると、白い波の花にも秋の色が見えることだ。

意訳

琵琶湖に月の光が映ると、白く砕ける波の花までが、秋らしい色に染まって見える。波の花は色が変わらないはずなのに、と驚く。

語釈・文法注

鳰の海
琵琶湖。鳰(かいつぶり)が多いことから。
浪の花
白く砕ける波を花にたとえる。

和歌

作者
藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)) 1158–1237
藤原俊成に和歌を学び、定家と並ぶ新古今時代の代表的歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。温雅で清澄な歌風で、生涯に六万首を詠んだと伝えられる。晩年は出家して壬生二品と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・389番
歌体
短歌
状況
詞書「和歌所の歌合に、湖邊月といふ事を」(和歌所の歌合で、「湖辺の月」という題で詠んだ歌)。

修辞

本歌取り
「草も木も色かはれどもわたつ海の波の花にぞ秋なかりける」(古今集)をふまえる。

解説

家隆の代表作の一つ。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、68頁(コマ44)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日