古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 359番

物思はで

藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね)

もの思いをしないで、このような露が袖に置くものだろうか。もの思いにふけって眺めていたのだなあ、秋の夕暮れを。

作者
攝政太政大臣(藤原良経(後京極摂政))
  1. 1家いへ家いへいえににに百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせししし侍はべ侍はべはべりけるにりけるにりけるに詞書
  2. 2物思ものおも物思ものおもものおもははわででで初句
  3. 3かゝるかゝるかかる露つゆ露つゆつゆやはやはやは二句
  4. 4袖そで袖そでそでにおくにおくにおく三句
  5. 5ながめてけりなながめてけりなながめてけりな四句
  6. 6秋あき秋あきあきののの夕ゆふ夕ゆふゆうぐれぐれぐれ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕自邸で百首歌合を催しました時の歌。

もの思いをしないで、このような露が袖に置くものだろうか。もの思いにふけって眺めていたのだなあ、秋の夕暮れを。

意訳

袖にこれほど露が置いているのは、もの思いをしていたからにほかならない。気づけば、秋の夕暮れをじっと眺めてもの思いにふけっていたのだ。

語釈・文法注

やは
反語。
ながめてけりな
眺めていたのだなあ。

和歌

作者
藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・359番
歌体
短歌
状況
詞書「家に百首の歌合し侍りけるに」(自邸で百首歌合を催しました時の歌)。

修辞

三句切れ
三句切れ。
体言止め
体言止め。

解説

六百番歌合での良経の作。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、63頁(コマ41)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日