古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 333番

あき萩の

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

秋萩が咲いては散る野辺の夕露に濡れながら、来てください。夜が更けてしまっても。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
人麿(柿本人麻呂)
  1. 1あきあきあき萩はぎ萩はぎはぎののの初句
  2. 2咲さ咲ささきちるきちるきちる野邊のべ野邊のべのべののの二句
  3. 3夕ゆふ夕ゆふゆう露つゆ露つゆつゆににに三句
  4. 4濡ぬ濡ぬぬれつゝれつゝれつつ來き來ききませませませ四句
  5. 5夜よ夜よよははは更ふ更ふふけぬともけぬともけぬとも結句

引用の仕方

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現代語訳

秋萩が咲いては散る野辺の夕露に濡れながら、来てください。夜が更けてしまっても。

意訳

秋萩の咲き散る野辺は夕露でしっとりと濡れている。その露に濡れてでも、たとえ夜が更けてしまっても、どうか訪ねてきてほしい。

語釈・文法注

來ませ
おいでください。「ませ」は尊敬の補助動詞「ます」の命令形。

和歌

作者
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ) 生没年未詳(七世紀後半〜八世紀初め)
持統・文武天皇の時代の宮廷歌人。『万葉集』を代表する歌人で、長歌・短歌ともにすぐれ、のちに「歌聖」とあがめられた。平安時代には人麻呂の作と伝える歌が多く、新古今集にもその名で多くの歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・333番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

『万葉集』巻十の作者未詳歌の異伝が、人麻呂の歌として伝えられたもの。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、59頁(コマ39)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日