古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 325番

わくらばに

徽子女王(斎宮女御)(きしじょおう)

たまさかにしか会えない天の川の波が寄るように、夜のままで、明けていく空には任せないでほしいものだ。

詞書
「七夕の心を」(前の歌と同じ詞書)
作者
女御徽子女王(徽子女王(斎宮女御))
  1. 1わくらばにわくらばにわくらばに初句
  2. 2天あま天あまあまののの河かは河かはかわ浪なみ浪なみなみ二句
  3. 3よるながらよるながらよるながら三句
  4. 4明あ明ああくるくるくる空そら空そらそらにににははは四句
  5. 5まかせずもがなまかせずもがなまかせずもがな結句

引用の仕方

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現代語訳

たまさかにしか会えない天の川の波が寄るように、夜のままで、明けていく空には任せないでほしいものだ。

意訳

年に一度、たまにしか会えない二星の逢瀬なのだから、夜がそのまま続いて、明けていく空にまかせて別れることがなければよいのに。

語釈・文法注

わくらばに
たまたま。まれに。
よるながら
(波が)「寄る」と「夜」の掛詞。夜のままで。
もがな
願望。

和歌

作者
徽子女王(斎宮女御)(きしじょおう) 929–985
醍醐天皇の皇子重明親王の娘。伊勢の斎宮を務めたのち、村上天皇の女御となり、斎宮女御と呼ばれた。琴と和歌にすぐれた。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・325番
歌体
短歌
状況
詞書「七夕の心を」(七夕の心を詠んだ歌)。

修辞

掛詞
「よる」に「寄る」と「夜」を掛ける。

解説

作者の徽子女王は斎宮女御と呼ばれた、村上天皇の女御。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、58頁(コマ39)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日